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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
いざ魔王国へ

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食糧庫


「で? 丸尾さんはいつ帰ってくるんだ?」

「ふむ、先週行ったっきり帰っては来ておらぬが、そろそろじゃろうな」

「マジか! じゃあ、帰ってくるまでギルドで依頼でもしておくか」

「「「「はい」」」」


 ギルドで依頼を見ると、Aランク依頼が結構あるな。

 死の森と一番近い街が多いようなのでそちらに行こうと思う。

「ほう、『ジラフ』の街に行くのか」

「おう! てか、いつまでついてくるんだ?」

「そうじゃのう、ビールとやらを売ってもらえればいいんだが」

「それ目当てかよ! 分かったよ」

 と辺境伯の館に行くと部屋一杯にビールを入れて行く。


「はぁ、はぁ、はぁ! これだけあれば足りるだろ!」

「うむ、ご苦労! これは代金じゃ」

 とミスリル硬貨を2枚渡される。

「はぁ、まいど! んじゃ俺たちは行くからな?」

「あぁ、丸尾殿が来たら知らせるからのぅ」

「はーい、承知した!」

 辺境伯の館を後にする。


「大量でしたね?」

「肝臓悪くなってしまえばいいんだよ!」

「まぁ、また来ますしね?」

「だな、よし! それじゃ出発だ!」


 辺境伯領のさらに南に位置する『ジラフ』の街に向かう。


 直線で400キロ、10日ほどの旅だな。

「すごい草原ですね」

「だな、荒れ放題だ」

「やはりモンスターが出てくるのでしょうか?」

「いるねぇ、さっそくウルフだな」

 と馬車を降りて戦闘体制に入ると向かってくる狼。

 グラスウルフの変異種のようで頭にツノが生えている。


「よし!と!」

「あらかた片付来ましたね」

 とりあえず収納に入れておく。

 これは10日以上かかりそうだな。


 案の定、あれから出てくるモンスターに阻まれて10日の予定が二週間もかかった。


 高い塀だな。

 堀もあるし、水が張ってある。

 俺たちを見つけてくれ、橋を下ろしてくれる。


「おう。冒険者か?」

「はい、助かりました」

 と中に入れてもらうと中は思ったより広く、密集しているようだ。

 まずは辺境伯からの手紙を渡すと、

「じゃあ、ついて来てくれるか?」

「はい!」

 と領主のところに行く。

 領主の館と言っても今までとは違いそこまで大きくはない。

 守りに徹しているようだな。


 客室で待たせてもらうとやって来たのはまだ若い領主だった。

「待たせたね、僕がこの『ジラフ』の領主のハーフワイプ子爵だ」

「初めまして、俺は冒険者の堂本健人です。丸尾さんと同郷になります」

「らしいね。手紙にも書いてあったよ。巻き込まれて召喚されたんだろ? なぜ、こんな危ないところに?」

 不思議そうな子爵だな。


「俺は限界突破してます」

「な、なんと、本当かい?」

「はい。だから丸尾さんの力になりに来ました」

「……その後ろの子達は?」

「俺のパーティー、仲間です」

 アリア達を見て言う。

「その子たちはどうするんだい?」

「俺が守りますし、こう見えてみんな頼りになるんです」

「……分かった。では宿は用意しよう。こう見えても宿がない状態だから家になるけどね」

「ありがとうございます」

 小さな街だ。どう見ても宿に入り切るメンバーじゃないな。

「食料は」

「それは心配なく。ありますので」

「そうか、こちらもカツカツなので助かるよ」

 と子爵が言うので、

「売りましょうか?」


「え? 食料があるのかい?」

「まぁ、欲しいなら売りますけど?」

 今まで倒したモンスターなどもあることだし。

「是非! 売ってくれるかい!」

「分かりました」


 食糧庫に案内されるとほんとに少ない。

「これが我が領の食糧庫だ。ほとんどない状態だが」

「とりあえず食えそうなモンスターからですかね?」

「分かった、それじゃあ、ギルドに先に行こうか!」

 とギルドの解体場に行く。


「どれ、どんなモンスターだ?」

「んじゃとりあえずオーガキングに、オークキング」

 と二体出しただけで解体場の机が軋むほどだ。


「とりあえず解体しましょうか?」

「お、おう! やるぞ」

 一緒に解体してやる。

「お、お前早いな! それに正確だ」

「まぁ、慣れですよね」


 皮、角、牙、肉、骨、臓器と魔石。

 臓器は捨てると肉は食糧庫に運ばれて行く。

 その他は買取に出すため取っておく。

「まだまだありますから出していきますよ?」

「あ、あぁ、お手柔らかに」

 と解体しながら食糧庫に運んでいると、


「も、もういっぱいだ! ありがとうケント殿」

「もういいんですか? まだありますよ?」

「いや、これで一年は過ごせるよ! あとはギルドに任せる」

「んじゃ、ブルファンなんかはあるか?」

「あー、あの豚ですか。美味しいですよね」

 体長5メートル程のブルファンを収納から出す。


「まるでさっきまで生きてたみたいだな」

「あー、『収納』は時間が止まってるんで」

「そ、そうか」

 ブルファンも解体して毛皮や牙などに分ける。

「これはギルドで買い取るよ、ご苦労さん」

「いえいえ、まだあるので欲しい時に言ってください」

「分かった!」

 ギルドからは金貨100枚と素材代でミスリル硬貨1枚貰い、子爵からはミスリル硬貨2枚も貰った。

 高すぎると言うと、ミスリル硬貨だと使い道がないそうだ。

 まぁ、溜まってるのは俺も一緒か。


 

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