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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
神聖国の勇者

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4人の旅立ち


「アッハッハッハッハッ! いい気分だな!」

「飲み過ぎだ、ウイスキーまで飲んで」

「良いではないか! してケントは限界突破は知っておるか?」

「あぁ、もうしてるぞ?」

 目が点になるおっさん。


「あー、酔いすぎたかな?」

「してるって言ってるだろ?」

「……本当にか!」

「嘘は言わん」

 “ガシッ”と肩を掴まれると、

「わ、ワシは丸尾殿に何もできておらん! 助けたいのだ! よろしく頼む」

 と涙を流す。


「任せとけよ? 俺は丸尾さんと一緒に魔王討伐すんだからな」

「わかった! 必要なものがあるなら言ってくれ!」

「別に入らないぞ?」

「な、なにかないのか?」

「んー、あ! 知識の種とかカプセルの実なんかはないか? 錬金素材だ」

「たしか……あると思う! よし、持って来させるからな!」

 “パンパンッ”と叩くと兵士がやってくるので、

「今から錬金素材を持ってまいれ! 街の道具屋も回って来るんじゃぞ!」

「は!」

 とメダルを渡された兵士は走って行ってしまう。


「よし! これでいいじゃろ! それより錬金術師は誰じゃ?」


「俺だ」

「は?」

「だから俺だ!」

「な、なにぃ! 限界突破した錬金術師?」

「他にも剣士に魔導士、薬師なんかもしてるな」

 また目が点になるおっさんは、

「お主、頭のネジが何本か無いのではなかろうな?」

「うっさいなぁ! なんでもできるんだよ!」

「そ、そうか」


「それより俺たちはどうなるんだ?」

 とヒロトが聞くと、

「明日兵士の馬車に乗り、ダンジョンのある街に向かってもらう」

「兵士は?」

「要らなければ帰せば良いぞ」

「んー、要らないかな?」

 とヒロト達は頷き、兵士は送るだけとなった。


「なぁ、後で部屋に行くからな?」

「はいよ、忘れもんがないようにな?」

「おう! 買いまくるぜ」

「私欲しいのがあったんだぁ!」

「俺も俺も!」

「あ、後、剣にも錬金付与してな!」

「わかったよ」

 最後だからって俺も大盤振る舞いだな。


「なんじゃ、お主から何か買えるのか?」

「今飲んでるのとかな?」

 と言うとウイスキーの瓶を指差す。

「こ、これが買えるのか?」

「あぁ、買えるぞ? 買うか?」

「買う! ヤッタァ! 今日しか飲めないと思っておったぞ!」


 やはりおっさんだな。


 1時間ほどすると兵士が戻って来る。

 マジックバッグに入っているようでそのまま渡される。

「これがワシができることじゃな」

「んー、これは返すわ」

 と収納に入れてマジックバッグは返してやる。


「い、いいのか? これは国宝級で」

「みんな持ってるぞ?」

「は?」

 3度目の目が点だな。

 全員がバッグを見せると、

「う、嘘じゃろ?」

 とよろける。


「まぁ、こんな規格外だから気にするな」

「お、おう、規格外か、言い得て妙だな」

 大テーブルの料理もだいぶなくなってみんな腹一杯だ。


「それでは明日の朝! 我が迎えに来るからな!」

「あぁ、ありがとな!」

 おっさんは千鳥足で馬車に乗って帰って行った。


 俺らも部屋に戻ると、4人の買い物タイムが始まる。

 いい加減眠くて俺は寝てしまったが起きるといなかったので買い物は十分出来たのだろう。


 翌朝、いくら使ったか見てみるとミスリル硬貨1枚分も使ってやがった。


「お前らァァァ!」

「わ、私は悪くないもん!」

「な、嘘つくな!お前が一番買ってただろ!」

「違うよ! あれはみんなのために」

「はぁ、まぁいい。もう十分だろ?」

「「「「うん」」」」

 まぁ、しょうがないから許してやるか。


 朝から怒って疲れたが、とりあえず朝飯を食って朝風呂に入る。

 ヒロト達も朝風呂だ。

 こんな贅沢出来なかったからな。

「お前ら、まじで言うけど、死ぬなよ?」

「分かってるって! その丸尾さんとケントが帰って来るまでに強くなってるからさ」

「無理はしない!」

「そう、適度に休みも取る!」

 とユウスケとケンジが言ってるので大丈夫だろ。


「はぁ、まぁ、心配はしてないが周りに迷惑かけるなよ?」

「それはもう懲りた」

 残り2人も頷く。

「あははは、お前ら尖ってたからな」

「う、うっせぇ! あれはもう黒歴史だ」

「だな!」

「忘れてくれ」

 悶えるくらいならするなよな。

 まぁ、黒歴史くらい誰にでもあるか。


 風呂から上がるともう伯爵が準備をして来ていた。


 門の前まで見送りに行く。


「おし、忘れもんはないな?」

 今、兵士の馬車にのっている。ヒロト、ケンジ、ユウスケ、コナミは自分のマジックバッグを調べている。

「多分大丈夫! まだ入るけどな」

「は? 十分買っただろ」

 こいつらは本当に昨日あんだけ買ってまだ足りないとか言うのか?


「冗談だよ、ケントも気をつけろよな?」

「おう、お前らもな!」

 と乗り込んで顔だけ出している。


「んじゃ、またな!」

「おう! ちゃんとレベル上げろよ?」

「分かってるって! 限界突破までしてやるぜ!」

 と言って兵士の馬車に乗りヒロト達はダンジョンのある『ダンデ』に連れて行ってもらう。


「がんばれよー!」

「負けないでねー!」

「おう! お前らもな!」

 と言って別れる。


 やっと肩の荷が降りたな。


 あいつらともお別れだ。


 少しの間だと思うがな。


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