ミスリル硬貨
「やったわ! ありがとう。これ返すね」
「おう、使える様になったか?」
「もち! 『ハイヒール』や『アンチドーテ』もね」
とウィッシュは回復魔法をだいぶ覚えた様だ。
「ねぇ、他に魔導書持ってないの?」
とリシアが聞いてくる。
「あるけど、何が欲しいんだ?」
「そりゃ時空間は欲しいけどあれはわからなかったから雷とか氷系?」
「わたしは支援魔法がいいわね」
『ビリビリ雷魔法』
『氷魔法は超簡単』
『支援するあなたをサポートします』
を渡す。
「これ古本屋に行けばあったぞ?」
「うそ! 見落としてたわ!」
「これで攻撃魔法の幅が広がるわ!」
と2人とも嬉しそうに本をしまっている。
「?! おい! やるとは言ってないからな!」
「分かってるわよ」
「借りるだけ、ね?『ゴスティー』に『シャランド』」
「おい名前つけるな! っとに」
酒場のテーブルでようやくミリオンにウィッシュが謝っている。
「私も悪かったわ、ごめんなさい」
「いや、俺もだ。悪かったな」
とこの2人……まぁ、ないだろな。
「プハァ! やっぱりビールは美味しいね!」
とミントが言うと、
「ですね! これじゃなきゃね!」
とみんな同意してるな。
「あんたら、飲み過ぎ注意だよ? そしてケント! あんたはこっち!」
「ん? 何だ女将?」
「もう無いんだよ! 補充を頼むよ!」
「ウッソだろ!? あんなにあったのに」
「高くしてんだけど売れるんだよ! だからお願いね!」
(何てこった、1ヶ月くらいしか持ってないぞ?)
「仕方ない、掟を破るか」
俺は部屋に戻り、バッグに付与してマジックバッグを作ると、その中に酒をできるだけ多く入れて行く。
仲間にしか作らないと決めたんだが、これはしょうがないな。
下に降りていきバッグを女将に渡す。
「なんだいこれ?」
「金貨100枚でいいぞ?」
「は? あ? こ、これは?!」
とマジックバッグと分かったんだろうな。
「中身も含めて金貨150枚だ」
「わ、わかったよ! 安いモンだ!」
と金貨150枚をかき集めて持ってくる。
「よし! これで俺の仕事は終わったな」
俺は席に戻るとビールを飲み出す。
「こちらにケント様はいらっしゃるか?」
“ブッ!”
「キタねーぞ! ケント!」
「あぁ、あぁ、」
と噴き出したビールを拭いてくれるアリア達。
「そこに居られたか、色々と申し訳ないが商業ギルドに来てくれないかな?」
「は? いま?」
「事は早急に解決する必要があるのだ」
(はぁ、うるさいから行くか)
「……分かったよ」
アリア達はついてくるので申し訳ないが、早く終わらせるぞ!
「ケント様を連れて来たぞ!」
「ん? あんたは」
「やっと会えた! 私は……私は……ウゥゥ」
と泣き出すのはルイン城下町の商業ギルドにいた男だ。
「あなたのおかげで……探し回って、やっと見つけましたよ!」
「なんだよ? 俺のせい?」
「そうです! あの後、王様に献上したら買い取るからもっと持ってこいと言われ、探し出すのに3ヶ月! 苦労しましたよ!」
(あぁ、もう3ヶ月くらい経つのか)
「分かったよ、で? どれくらい?」
「あるだけ! 馬車いっぱいに詰めるだけ!」
(はぁ、また掟を破るか……1日に2度も破る事になるとはな)
しかたがないので部屋を一つ借り、バッグを作って『白双糖』をこれでもかと入れて行く。
どれだけ早くてもこれで3年は持つはずだ!
「ほら、これがどれくらいの価値かわかってるだろ?」
「ま、マジックバッグ! それにこの量は!」
「これでいくらだ? 計算してくれ」
「はい! ありがとうございます!」
と言って計算して行く男。
俺たちは待っている間にコーヒーを飲んで待つと、顔を青くして行く男。
「け、ケント様! か、貸してはいただけないでしょうか? 商業ギルドで必ずお返ししますので!」
「ん? いくらになったの?」
「き、金貨1.000.000.000枚です」
「……は?」
(俺の聞き間違いか?)
「とりあえずミスリル硬貨が1億ですのでそれを5枚と金貨10.000枚は持って来たんですが」
「分かったよ、それでいいよ!」
「いえ、すぐに証文を作りますので! 少しお待ちを!」
と走り去って行く。
(はぁ、やっちまったなぁ)
「す、凄いですね? ミスリル硬貨なんてあるんですね!」
「私も話に聞いたくらいしかありません」
とアリアとレティーが言う。
「いや、俺も知らないぞ?」
みんなワクワクしながらミスリル硬貨を見たがる。
「か、書いてきました! ここにサインをお願いします」
「ほいよっと」
「あ、ありがとうございます! これで王にも顔見せできます!」
とテーブルに硬貨専用ケースが置かれ、開けると青銀色の凝った造りの硬貨が入っていた。
「「「「ふぉぉおぉぉぉ!!」」」」
まぁ、ミスリルは見慣れてるが流石にコインになると少し違うな。
「確かに!」
「はい! あとはこちらを」
と出されたのは金貨10,000枚が入った袋。
(よくそんなの持ち歩いたな!)
収納に入れると確かに10,000枚あったので、
「確認したよ。ありがとう」
「いえ! こちらこそありがとうございました!」




