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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
第1章 異世界でチート!

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女の怖さ


「あ、あれは何ですか?」


 レティーはお上りさんの様に指差してピョンピョン跳ねている。


「もう、少しは落ち着きなさい! この箱入り娘!」

 アリアが言う。


「え、でもでも、あれは?」


「あれは露店と言って今からダンジョンに入る人に高額で足りない物を売ってるんだよ?」


「は! そ、そんなことをしていいんですか!」


 仕方ないので説明したが、レティーは真っ直ぐなお嬢様だから分かるのに時間がかかるな。


「それを商売と言うんです! ケント様に迷惑かけないでください!」


 ミントが言うとしょんぼりするレティー。


「まぁ、気にするな。あれはあれで名物なんだからレティーは何かいるか?」


「は、はい! あのいい匂いのする物を食べたいです!」


「あぁ、イカ焼きか、アリア? 買って来てくれない?」


「はぁ……わかりました」


 アリアが仕方なく了解してくれる。


「俺の分もね? みんなは?」

「じゃあいります!」

「僕も!」

 と結局、みんなの分を買って来てもらう。


「お、美味しぃ、美味しいです!」


「ほら、タレがついてるぞ」

 口の周りを拭いてやると、

「わ。私も」

「あー!」

 とみんなの口を拭いてやる事に。


 (俺は何をやってるんだ)


「おーおー、いいねぇ? ハーレムパーティーはどっかに行ってくれないかな?」


「つーか邪魔! さっさと横にずれて前譲りな!」

 と後ろからヤジが飛ぶが、


「は? モテないあんたらに言われる筋合いはない」


「こっちも我慢の限界なんだよ!」


 とアリアとテレサが喧嘩腰で喋るので、

「あー、これ見える? 喧嘩売る?」


「げっ、Aランク!い、いえ、すいませんでした」


「すいませんすいません!」


 と後ろの文句言った奴らは謝るので、

「ごめんな、ちょっとだけ我慢してくれ」


「「は、はい」」


 レティーも自分がやったことを恥じたみたいでそれからは大人しくイカ焼きを食べている。


「さて、ようやく頂上か」


「2回目ですね」


「すいません、私のために」

 レティーはそう言うが、

「これから頑張ってもらうぞ?」

「はい!」


 と言うことでダンジョンの中に入る。


 スライムやゴブリンを斬って行くレティーの後をただついて行くだけだ。


 そして後ろの人と会わないのはダンジョンの中は別次元だからだろう。


 入った人は消える様に見えるし、すぐに入場しても先に入った人はいないからだ。


「せやぁ!」


 (レティーはたぶんずっと剣の練習はしていたんだろうな)


 剣の太刀筋が綺麗だし、地面や壁にも当てていないからな。


 レベルも上がって行くだろう。


 2階層で少し休憩だ。

「はぁ、はぁ、はぁ、」


 飲み物を渡すと口に含ませて少しずつ飲んでいる。


 あまりがぶ飲みすると動けなくなるからな。


「あまり無理はするなよ? この階層は出てもホブゴブリン止まりだからな」

「はい、頑張ります」


 5階層まで来ると、レティーの動きもだいぶ滑らかになって来ている。


「レティーはレベル幾つになった?」


「いまですか? まだ16です」


「そうか、あまり上がりが悪いようなら先に進むが?」


「はい! よろしくお願いします」

 と言うなり、アリア達が破竹の勢いで進んでいき、10階層に到達する。


「す、凄いですね」

「レティーもできる様になるさ」

 門の前で少し休憩をして、レティーのタイミングで中に入る。


 ホブゴブリンが一体だ。

「いきます! せやぁ!」


『ゴァアァァァ』

 と一撃で倒し、問題ないな。


 ドロップは魔石。

 宝箱は木の箱だ。


「これが宝箱ですか?」


「そうだ、罠はないから開けていいぞ」


「あ、ポーションでした」


「ならハズレだな、当たりだと魔力ポーションくらいは入ってるらしいから」


 悔しがるレティーにしょうがないといいながら扉を進みモノリスに触って外に出る。


「は、外だ!」


「あはは、外だな。これで次は10階層からいけるぞ?」


「はい!」

 とレティーに言ってると、

「ぶーー!」

 とミントが言い出す。


「レティーばかり構いすぎです!」

「そうです! ケント様、優しさは過ぎると毒になります!」

 テレサとアリアが言う。


 (しまったな、構いすぎか)


「悪かった、でもレベル上げはしないとな?」

 と3人の頭を撫でると、

「し、仕方ないですね」

「ぶーー」

「レティーには私達もいますから」


 アリア、ミント、テレサもなんとか機嫌を直す。


「さぁ、ミリオン達も帰って来てるだろうから帰ろうか!」


「「「はい!」」」

 宿まで帰ると、今度は何だ?


「ミリオン? 私はあれほど言いましたよね?」


「悪かった! だが、あそこで庇わなかったら」


「おいおい、どうしたんだ?」


 ミリオンとウィッシュが喧嘩をしていた。


「よかった! 助けてくれよ」

「ウィッシュ? 何があったんだ?」


「ミリオンが私を庇って傷を負ったのよ!」


「だからあの時は仕方なく」


「私はそんな避けれないほど馬鹿じゃない!」


 あー、そんなことで喧嘩してたのか。


「まぁ、ミリオンも仲間を信じることも大事だぞ?」

「分かってるが、ついな」

「つい? 私が危なかったって言うの?」


 (おっと、火に油だな)


「ミリオン、ケガは?」

「イツツ、ここだ」

 と結構深く脇腹を切られているな。


「『ハイヒール!』」

「「「えっ!?」」」

「よし! これで治っただろ」


 一瞬間が空いて、


「は? お前『ハイヒール』も使えるのかよ!」


「しかも『ハイヒール』? 私でさえ『ヒール』までよ?」


「あぁ、サタンベルで本を買ったんだよ」


「み、見せて!」

 収納から『回復の書』を取り出すと奪い取られる。


「何で持ってるの! これ教会が知ったら大事よ?」


「裏街道でちょっとな」


「か、貸してくれない?」


「いいぞ? 別に減るもんじゃないし」


「ありがとう!」

 と走って部屋に戻るウィッシュ。


「はぁ、ありがとよ」


「お前も回復持ちを庇いすぎて、回復できない怪我するなよな?」


「いや。俺ならべつに縫えばいいと思ったからさ」


「まぁ、女の怪我は見てられないけどな」

 とミリオンと2人で笑う。


「ほら、治ったなら持ってるビール出しなさいよ!」


「誰が今まで先頭にいたと思ってる?」


「わーったよ! ありがとな! リシアにコーラリス」


 とビールを出すと開けて飲み出す2人。


 (ふう、女は怖いな)

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