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身代わり人形と生贄

シマオとその両親(りょうしん)神社(じんじゃ)奉納(ほうのう)された人形(にんぎょう)江戸時代(えどじだい)から(つづ)身代(みが)わり人形(にんぎょう)だということを地元(じもと)利用客(りようきゃく)から()いているので、島野親子(しまの おやこ)は”生贄(いけにえ)=身代(みが)わり人形(にんぎょう)”ということに心当(こころあ)たりがあったし、フジショーと玲也(れいや)もシマオからその(はなし)()いているのである程度(ていど)理解(りかい)している。それでも、(かれ)らは川村玲子(かわむら れいこ)発言(はつげん)真意(しんい)()(はか)ることはできなかった。実際(じっさい)、その(とき)玲子(れいこ)自身(じしん)人形(にんぎょう)()()っていたし、はっきりとは()えなかったが彼女(かのじょ)(おんな)()人形(にんぎょう)()っていたように()えた。おそらく今流行(いま はや)りの“リカちゃん人形(にんぎょう)”だろう。ところが、彼女(かのじょ)はその人形(にんぎょう)をそのまま()()って(かえ)っていたので、奉納(ほうのう)のために()ってきたわけでは()いようだ。そうなると、彼女(かのじょ)発言(はつげん)意味(いみ)がさらに()らなくなってくる。


だが、玲子(れいこ)(はなし)には(ほか)にも()になる(てん)がある。雅子(まさこ)としては、「お(にい)ちゃんは〜()きているってお(かあ)さんが()ってたもん」の(くだ)りが()になっていた。近年(きんねん)のオカルトブームの影響(えいきょう)でTVでも話題(わだい)になったり、オカルトホラー映画(えいが)でもたまに題材(だいざい)になっていた(こと)でもあるが、死人(しにん)(よみがえ)らせるために依代(よりしろ)となるなにかに死者(ししゃ)(たましい)一時的(いちじてき)(うつ)しておき、必要(ひつよう)(かず)生贄(いけにえ)(そろ)()わってから反魂(はんごん)儀式(ぎしき)(おこな)うという物語(ものがたり)よろしく、川村早希(かわむら さき)もまた、加害者(かがいしゃ)少年(しょうねん)たちを殺害(さつがい)することによって死者(ししゃ)(よみがえ)らせようとしているのではないか?という疑念(ぎねん)だ。


年前(ねんまえ)から毎年(まいとし)(ひとり)ずつ溺死(できし)していく気味(きみ)(わる)連続(れんぞく)水難事故(すいなんじこ)。そして、()んだ若者(わかもの)たちは全員(ぜんいん)が7年前(ねんまえ)川村和彦(かわむら かずひこ)行方不明事件(ゆくえふめいじけん)発生当時(はっせいとうじ)重傷(じゅうしょう)()っていた女児(じょじ)から川村少年(かわむら しょうねん)(ころ)したと告発(こくはつ)されていた(もの)たちだったのだ。その(てん)()まえれば警察(けいさつ)川村早希(かわむら さき)(うたが)うのも無理(むり)はない。だが、彼女(かのじょ)若者(わかもの)たちを溺死(できし)させてたという証拠(しょうこ)はどこにも()つからなかったのだ。それでも、川村早紀(かわむら さき)(かぎ)りなく(うたが)わしいことには疑問(ぎもん)余地(よち)がない。


しばし沈黙(ちんもく)(つづ)いたものの、その沈黙(ちんもく)(やぶ)るように雅子(まさこ)は「もう島神社(しまじんじゃ)には()かないでね」と()った。「なんで?」と()玲也(れいや)に「なんでもよ」と彼女(かのじょ)決然(けつぜん)()げた。その(あと)()(つくろ)うかのような冗談(じょうだん)めいた笑顔(えがお)で「川村(かわむら)さん以外(いがい)(あぶ)ないかもね」と()(くわ)えた。シマオ以外(いがい)()どもたちはキョトンとするばかりだったが、シマオがなにか(かんが)()んでいるようだったので、2(ふたり)(とも)(こころ)(なか)で「(あと)でシマオに(たず)ねることにしよう」と結論(けつろん)した。


その(あと)川村玲子(かわむら れいこ)用水路(ようすいろ)水門(すいもん)(ところ)黄昏(たそが)れていたり、(こえ)()けたら水門(すいもん)(なか)(はい)ってしまったことなどを(はな)したが、雅子(まさこ)からの目立(めだ)ったリアクションはなかった。ただし、水門(すいもん)には二度(にど)(ちか)づかないようにと3(にん)彼女(かのじょ)から念押(ねんお)しをされた。彼女(かのじょ)玲也(れいや)(たい)してもう一度(いちど)かなりきつめに念押(ねんお)しをした。その(あと)シマオの母親(ははおや)退出(たいしゅつ)したので、3(にん)夏休(なつやす)みの宿題(しゅくだい)(はじ)めるのであった。

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