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島神社での出来事

島神社(しまじんじゃ)の階段を登る途中でシマオが動けなくなったことを本人が端折(はしょ)ったことに気づいた玲也(れいや)がその点を付け加えると、「あなた達が一緒で良かったわ〜」と雅子(まさこ)安堵(あんど)の笑みを見せつつも、笑っていない目でシマオのことを()めつけてた。今度はフジショーの頭も()でていたのでフジショーも満足げだったが、シマオだけが不機嫌そうに『余計なことを言うなよ』とでも言いたげな(うら)めしそうな目つきで玲也を(にら)みつけてから話を続けた。


草が()放題(ほうだい)で誰にも手入れをされていないような様子(ようす)境内(けいだい)とそこに同級生の川村玲子(かわむられいこ)がいた事、神社の床下には大量の人形が置かれており、それらの人形に名札のようなものが貼られていたことなどを話していった。時折フジショーか玲也が補足を述べるなどしていた。


雅子は玲子が言った「生贄(いけにえ)?」という言葉のところで怪訝(けげん)な顔をしながら「生贄?」と反復した。それに応じてシマオが一旦言葉を止めると、彼女は「やっぱりなにか・・・」と呟いたが、子どもたちが自分に注目していることに気づくと、「ううん、なんでもない」と曖昧(あいまい)雰囲気(ふんいき)(かも)してごまかした。その時、玲也はシマオの目つきが一瞬変わったことに気づいた。


玲也はシマオが物知り故に色々なことに気づくことを知っている、シマオは学校から自宅に直接帰宅せず、一旦、美容室の裏口から控室に入って、そこで宿題をしながら親たちと客たちの話を小耳に挟んで耳年増(みみどしま)になっているのだ。理容室とか美容室というところは、とかく、他愛無(たあいない)世間話(せけんばなし)から眉唾(まゆつば)噂話(うわさばなし)まで、いろいろな話が飛び交うのだ。


口から先に生まれてきたんじゃないのか?と思ってしまうほど少しでも(ひま)になるとすぐに色々(しゃべ)りだすおばさま方は、話題の種に尽きるということを知らないのではないか?と思ってしまうほどよく喋るものだ。そして、その眉唾な噂話の中では川村玲子の母親である川村早希(かわむらさき)奇行(きこう)についても話されているのだ。それは、最近、10代の若者が連続で水難事故(すいなんじこ)にあっているが、実は彼女が水難事故に見せかけて彼らを殺害している、というものだった。


最初の水難事故の際、夜中に徘徊(はいかい)する川村早希に対して警察は重要参考人として事情聴取(じじょうちょうしゅ)をしていたが、支離滅裂(しりめつれつ)な言動を繰り返すばかりなので早々に事件・事故とは無関係とした。彼女が警察に疑われたという事実が噂話として独り歩きをし、本当は彼女が犯人なのだが“気がふれた”ように演じて“責任能力”がないという証拠を作り、いざ逮捕されても無罪になるように仕組んでいるのだ、という話になっていた。


しかも、どうやって知り()たのかわからないが、事情聴取の際に彼女が「(たた)り」だの「生贄」だのと警察官に対して口走っていたという噂話もあったのだ。自分の店の中で怪しげな流言飛語(りゅうげんひご)が飛び交っている状況の中、雅子としては事実かどうかわからない話に加担(かたん)するわけには行かないので客の言い分を真に受けることなく適当に受け流していたものの、一応、気に留めてはいた。実は、その話の一部をシマオも小耳に挟んでいたのだ。

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