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謎の鍵

鍵はコインよりも取り出しやすいのだ、コインというのは転がるので、土管を半分以上なぞって行かないと取り出せないうえに、突然はねて転げ落ち、もう一度継ぎ目の隙間にはまり込むこともあるのだ。だが、鍵の場合、運がよければ、少し動かしただけで隙間の中で立ち上がる場合があるので、取り出しやすいのだ、立ち上がってくれなくても、土管の半分以上まで移動させれば勝手に落ちてくるし、転がりにくいので、もう一度継ぎ目の隙間にはまるということもない。


レイヤは慣れた手つきで鍵の取っ手部分をつつきながら作業を進めていく、少し移動させたところで、継ぎ目の中の小石か何かにぶつかったらしく、鍵の取っ手部分が持ち上がってくる。少し出てきたところで、空いている手の詰め先で鍵の取っ手部分を摘まみ上げることで、鍵の回収は成功した。


普段は不器用で字も汚いのにこういうときだけは器用なものだと、シマオはいつもながらレイヤの”変な”器用さに感心する。というか、レイヤは興味のあることや追いつめられたり、”ここぞ”と言うときだけ本気を出し、器用だったり力を発揮したりするのだが、それ以外は大体ボケっとしているのだ。


さて、鍵の形状だが、これは、この少年たちの住んでいる公団住宅のカギと同じ形状のものだった。つまり、誰かがこの場所で鍵を落としたのだ。「誰が落としたんだろう?」とつぶやくレイヤに「広場の掲示板に無くし者として書き込みがあったら、その人のものじゃない?」とシマオが言うと、「よし」と言いざまレイヤが歩き始めるので、シマオは慌てて「後でいいだろ?早希に頂上に行こう」と諫めた。玲也はすっかり忘れてしまっていたが、フジショーは2人とは別行動をとっており、今はたから山の頂上で待ちぼうけをしているはずなのだ。「あ!そうだった、忘れてた」といってから笑いするレイヤに呆れたような視線を送りながらシマオは玲也の前に出てトンネルの外へと向かった。

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