↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/88

トンネル内で宝探し

トンネルの()(ぐち)付近(ふきん)はまだ(あつ)いのだが、(なか)に1mほど(すす)むとひんやりとしてくる。玲也(れいや)身長(しんちょう)が127㎝、シマオ(しまお)は125㎝なのでトンネル(ない)直立(ちょくりつ)して(ある)けるのだが、フジショーは(しょう)2にしては(めずら)しく()(たか)く、身長(しんちょう)が139㎝もあって恰幅(かっぷく)()いので、このトンネルで直立(ちょくりつ)すると土管(どかん)天面(てんめん)(あたま)をぶつけることがあった。(しょう)1のころまでは3人(さんにん)ともトンネル(ない)()(まわ)っていたのだが、(しょう)2になったころあたりから「(せま)くて(いや)だ」と()ってフジショーはトンネルに(はい)らなくなったのだ。「ユーレイが(こわ)いんじゃないからな!」とのこと。


あんなに()(あつ)かったのに、2mほど(すす)むと(すこ)(すず)しくなってくる。湿気(しっけ)(おお)いせいでそれほど(すず)しくは(かん)じられないが、土管(どかん)(さわ)るとひんやりとしていて気持(きも)()い。時々(ときどき)近所(きんじょ)野良猫(のらねこ)(りょう)をとっていたりもするくらいだが、今日(きょう)(ねこ)がいないようだ。中心部(ちゅうしんぶ)まで()けば東西(とうざい)方面(ほうめん)のトンネル(ない)()ることができるので、(ねこ)がいたかどうかは(あと)合流(ごうりゅう)したシマオ(しまお)()けばよい。しばらくすると、(まえ)(ほう)からの反響音(はんきょうおん)足音(あしおと)()こえる、きっとシマオ(しまお)足音(あしおと)(ちが)いない。宝山(たからやま)付近(ふきん)には子供(こども)気配(けはい)自分(じぶん)たち3人分(さんにんぶん)しかなかったからだ。


このたから(やま)のトンネルには4m(ごと)土管(どかん)()()があるのだが、この()()隙間(すきま)結構(けっこう)(おお)きいので、小銭(こぜに)()としただの、自宅(じたく)のカギを()としただの、ヘアピンを()としただの、色々(いろいろ)()として()くしたという子供(こども)たちが(すく)なからずいたのだった。だが、玲也(れいや)がプラスチック定規(じょうぎ)()()(なか)(はい)っているものを()()して()(ぬし)(かえ)したことが多々(たた)あり、そのことで()とし(ぬし)大変(たいへん)(よろこ)んだこともあって、そういう(とき)玲也(れいや)はちょっとした(まち)のヒーロー(あつか)いされたものだったのだ。そんな(おも)()もあるため、玲也(れいや)はこのトンネルにちょっとした愛着(あいちゃく)をもっている。


その(とき)(くせ)なのか(なん)なのか、玲也(れいや)はこのトンネルに(はい)るたびに()()隙間(すきま)(なか)をチェックする(くせ)があった。だが、今回(こんかい)(おも)()きで()てしまったのでプラスチック定規(じょうぎ)()ってきていなかった。(こう)不幸(ふこう)か、()()をチェックしたところで(どろ)(すな)しかなかった。そんななか、(いま)から定規(じょうぎ)()りに(かえ)ろうかなどと(かんが)えながら(すす)んでいると、(まえ)(ほう)から(こえ)をかけられた。「レイヤ、また()()(さが)しか?」シマオ(しまお)だった。玲也(れいや)()()(ごと)にのぞき()んでいたため、(あと)から(はい)ってきたシマオ(しまお)よりも(おそ)くなったのだ。


「なんかみつかった?」と()シマオ(しまお)(くび)()玲也(れいや)、「()つかったらどうするの?」とさらに()われ、「(いま)から定規(じょうぎ)()りに()っていい?」と質問(しつもん)質問(しつもん)(かえ)玲也(れいや)に、やっぱりなあというような(かお)シマオ(しまお)肩掛(かたか)(かばん)からプラスチック定規(じょうぎ)()()すと玲也(れいや)(わた)した。そして「そんな時間(じかん)()いよ」と玲也(れいや)衝動的(しょうどうてき)帰宅(きたく)しないようにけん(せい)しつつ「じゃ、(ぼく)はこのまま東口(ひがしぐち)()かうね」と()い、シマオ(しまお)はそのまま中心部(ちゅうしんぶ)()()って()った。


シマオ(しまお)から()りた定規(じょうぎ)一瞥(いちべつ)すると、玲也(れいや)北口(きたぐち)()かって()()検索(けんさく)しながら(ある)()したが、残念(ざんねん)なことに、(なに)()つからなかった。北口(きたぐち)から()てあたりを見回(みまわ)すものの、今回(こんかい)シマオ(しまお)(さき)()ていないようだった。東口(ひがしぐち)トンネルの様子(ようす)()るために「たから(やま)」のすそ()づたいに南東(なんとう)方向(ほうこう)(すす)んで()った。到着(とうちゃく)した(さき)のトンネル東口(ひがしぐち)(なか)(うかが)うと、シマオ(しまお)がもう(すこ)しで出口(でぐち)到着(とうちゃく)するところだった。(かれ)玲也(れいや)(かお)()ると「(なに)()つからなかった」と報告(ほうこく)して苦笑(にがわら)いするので玲也(れいや)もつられて苦笑(にがわら)いするのだった。


今回(こんかい)(ぼく)()()()ながら()たんだけど、(なに)()つからなかったよ」と()シマオ(しまお)に「こっちも(なに)もなかったなぁ」と玲也(れいや)報告(ほうこく)する。すると「そういえば、西側(にしがわ)から()たときは()()()なかったんだよな」とシマオ(しまお)(おも)()したように()うので、「んじゃ、おれ、トンネルの西側(にしがわ)()てくるよ」と()いざま玲也(れいや)東口(ひがしぐち)トンネルに(はい)って()った。それを見送(みおく)ったシマオ(しまお)はすぐその(あと)について()った。一方(いっぽう)そのころ、たから(やま)頂上(ちょうじょう)ではフジショーが(ひま)そうに多嘉良川(たからがわ)(ほう)(なが)めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。