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探検の準備

「どうする?」とレイヤが誰にとはなく呟く、「何が?」とフジショーが返す。「今から行くか、明日行くことにするか、だろ?」とシマオが鋭い洞察をしめす。それに対してレイヤは「うん」と応える。


時間は午後3時を過ぎているもののまだまだ明るい時間なのだが、学校からは「多嘉良川の向こう側には子供だけではいかないように」ということと、「行く場合は親の許可を得ておくこと」というルールを言い渡されていたのだ。今から行っても夕方までには帰宅できるかもしれないが、問題は、それをやると校則違反になるということだ。


ほとんどの家庭が帰省しているので、団地の子供は普段の半分くらいしか居ないが、それでも、誰か一人にでも見つかれば学校に”チクられ”てしまうだろうし、時間が半端すぎて、実際、午後5時までに帰宅できるかどうかは微妙なところだ。


レイヤとしては今から行きたいところだったが、こういう微妙なときは賢いシマオに伺いを立てると、大体、うまくいくのだ。レイヤがすがるようにシマオの顔を覗き込むと、それを察してシマオが結論を出す。


「たぶん、5時までに帰るのは無理かもしれない。お父さん・お母さんに話して、明日、朝から出れば大丈夫だと思う。9時くらいに出発すれば、10時くらいには着くかもしれない」「1時間くらいなら今から行っても大丈夫じゃね?」とレイヤが問うと、「いや、俺たちはなるべくほかの人に見つからないように行った方が良いと思うんだ、だから、遠回りしなきゃいけないんだ。そうすると、本当は1時間くらいで行けそうなところでも、もっと時間がかかるかもしれないじゃん?」と述べるシマオ、さすがに天才の呼び声高い少年である。


「おお~」とレイヤとフジショーは感嘆の声を上げる、2人ともわかってはいたが、やはり、シマオは頼りになる。ちなみに、この3人の中ではシマオが一番誕生日が遅い。フジショーは最年長で5月生まれ、レイヤは今月8月生まれ、シマオは3月生まれなので、一人だけ7歳だ。

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