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口づけで灯す炎
彼は今でも震え続ける。
両親を殺した血で、全身を赤く濡らして。
世間は皆、彼に同情している。死の極限まで両親からの虐待を受け続けた、正当防衛だと誰もが認めている。
だけどそれっきり、彼は動きを止めた。記憶を失った心は氷の様に冷え、罪の吹雪に凍えている。
お願い。もうそれ以上自分を責めないで。
そうしてキスした私を彼は、そっと抱き締めてきた。
「心が熱い。優しさはこんなにも温かい物だと、僕は初めて知ったよ――」
彼は今でも震え続ける。
両親を殺した血で、全身を赤く濡らして。
世間は皆、彼に同情している。死の極限まで両親からの虐待を受け続けた、正当防衛だと誰もが認めている。
だけどそれっきり、彼は動きを止めた。記憶を失った心は氷の様に冷え、罪の吹雪に凍えている。
お願い。もうそれ以上自分を責めないで。
そうしてキスした私を彼は、そっと抱き締めてきた。
「心が熱い。優しさはこんなにも温かい物だと、僕は初めて知ったよ――」
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