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頼りになるパートナー


『私という女がいながら、何で他に靡くのかなぁ』

「そんな事より、どうすればいいのか知恵を貸してよ? 僕だけでは限界なんだ」

『そんなこと……まぁ、いいか』


 言い方が引っ掛かったのか少し難色を示すが、ハルトのパートナーは伊達じゃない。

 好奇心が上へ行ったのか、子供が目を輝かせる如く、然して気にならなかった様子だ。


『じゃ、結論先に言うけど、ハルちゃんの情報を聞く限り、信長の本能寺脱出より難解なミッションだよこれは』


 簡単に言わないでよ的なニュアンスでハルトを軽く牽制。

 現に圧倒的不利な情勢を聴講していた間だけは、居酒屋で酔っ払いの愚痴を聞くアルバイト店員みたく眉間が終始ヒクついていた。


「そうだよなぁ。無理ゲー過ぎるよね」

『無能な上司に当たったら十中八九無駄死。ネットゲーでもそうでしょ?』

「そ、そうだね」


 自身にも思い当たる節があるので、ここは軽く同意するだけで済ます。

 仕切り屋のリーダー風吹かしている奴に限って無能なのは、どの世界でも共通の常識だ。


『それにこれ』


 ――その後の世界


 ゴットハルトがこの世界に嫌気が差して離脱後、父が所属する侯爵軍と合流したヴァージニアは、軍の再編成で先鋒隊に組み込まれる。

 だが、突如侯爵軍が魔王軍に寝返り孤立無援に陥る。救援が駆けつけた時には既にヴァージニアは事切れていた。その死に顔は無念の死に相応しくない満足したものだったという。

 後に魔族の将が語る。彼女は最後まで諦めず絶望に立ち向かったと。その壮絶な死に様は怖いもの知らずの魔族も震撼させたと。

 ヴァージニアは逃げたゴットハルトを恨まず憎まず感謝していた。

 今際の際に、「ハルト、お前は私の勇者様だっちゃ。もっともっとお話ししたかったよ……」と、笑顔を浮かべながら天国へ召されたのだった。


『――――このハルちゃんから送られてきた写メのバッドエンドの内容だと、侯爵軍に裏切られてヴァージニアという女の子は死ぬ』


 と、深呼吸するように無造作にペットボトルのジャスミン茶を口に入れる凜。

 ハーブティーがお気に入りなので、この独特の味も難なく受け入れられていた。


「うん、詳しい経緯は分からないけど、最悪の未来を暗示していた」 

『でも、予想は簡単だよ。これから侯爵達は分散した侯爵軍と合流するんだもん。そこでその貴族様が反旗を翻すのなら、最初から敵と繋がっていたというのがセオリーでしょ。ならばこれは再編した軍が単独ではなく事前に仕組まれた計略ということが、これから読み取れるんだよ』

「そうか、ヴァージニアさんは父親のシュレリア男爵と共に侯爵の護衛を任じられている。この暗示している死は、このままだと巻き込まれるということなのか。あの頑固者なら寝返りに賛同しないで座して死を選ぶだろうしね」


 ハルトは画面上の頼りになる相棒のお陰で何かを察した。

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