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 凜はノートパソコンに転送した画像に目を通しながら、『もうゲームってよりオカルトみたいで、にわかには信じられないけど、異世界なら何が起こってもおかしくはないかぁ』校則で指定されている白1色の靴下を丸めて投げ捨てる。


「言えてる言えてる」

『それに付き合っていたら間違いなくハルちゃんはまた戦いに巻き込まれる。それでも行くとなると、ちゃんとした準備が必要となるよ』

「でも、時間がない。出立は明日なんだ」


 間髪いれずに凜の指がキーを軽快に弾く。

 まるでパソコンの一部。

 リズムに乗って文字の音楽を静かに奏でた。

 ハルトの腕前じゃ、メトロノームが精一杯だったろう。


『うーん、そうなるとやっぱり必然的に課金スキルは必須ね。クリア後の裏面とかエクストラダンジョンとか、もうそのレベルじゃないの? リアルだから死んだらゲームオーバーだし』

「うん、それは僕も考えていたんだ。しかも、どういう訳かこっちでは無償コインでもスキルポイントに充てがう事が可能なんだ。使わない手はない」

『それ、やり放題じゃん。チートコードのリスク無しでなんて、家庭用の強くてニューゲーム状態』


 元来、無償コインはマシンパーツ専用だ。

 スキルを手に要れたくば、それ相応の代価が必要。


「なんだけど、勝手が分からないから手を出してよいのか悩んでいる」

『ハルちゃんはお金がないから課金スキル使わない派だもんねぇ。なのに使いまくっている私が全く勝てないってチート過ぎない?』

「努力の差だよ。ブルジョワさん」

『はいはい、言ってろ言ってろ、青春どぶに捨ててる廃高校生』

「うぅ!」

 

 気にしている事を指摘されて多少ダメージを受ける廃ゲーマー。

 首に下げている全財産五円一枚が、御守りらしく光の屈折具合で鈍く光った。


『取り敢えずはセオリーを押さえておくべきだよ』

「ステータス強化系?」


 まるで終了一分前のテストみたいに全くの当てずっぽうで、凜の求めるお題へ答えを埋める。


『そうだね。これは絶対だよ。幾らパイロットがよくても機体が持たなかったら絶対に生き残れない』

「本意じゃないけど尤もだね。僅かでも彼女の生存率を上げられるのなら、やぶさかではない」


 ヴァージニアを物扱いするのを咎めたかったが、話が脱線するのは芳しくないのでここは我慢した。

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