コックピットとのリンクの謎
「ふん! それより話は変わるが、変態に聞きたい事があるっちゃ」
「いててて……ん? なな何かな?」
改まって向き直したブロンドの少女は、真剣と怪訝が混ざりあった複雑な表情で、黒髪の少年を見据える。
無論ハルトは第二波を恐れてベッドの上をじりじり横移動。
「助けてもらってなんだが、あの力は何なんだっちゃ?」
「君を操縦したことかな?」
「そうだ」
ヴァージニアは頷く。
対してハルトはこんな近距離に女子が接近した事がなかったので、努めて平静を装っているが内心は時化の海のように穏やかじゃない。
「うーん。僕も良くわからない。仮説を立てるなら操縦席とヴァージニアさんが繋がった、がしっくり来るけど、ゲームと人間がリンクするなんてそんなアニメな話あるわけもない」
「だから私の分からない用語で話すな!」
「ははは、ごめんごめん」
努めて明るく振る舞っているのとは裏腹に、ハルトはある思いを巡らせていた。
ちゃんと自分の事を伝えていいのだろうかと。
未知の情報はこの世界にとって、過去に戻って歴史をいじる事に似ている。
だが、体を提供してもらっている手前、パートナーに説明しない訳にもいかない。
それが信頼関係に繋がるからだ。
――――――ハルトは深く唾を飲み込むと、ヴァージニアへ意を決して丁寧にどうして自分がここに来たのかを話す。
自白ではないのでかつ丼と故郷の歌は必要ないが、机のライトで照らされているみたいな口では何とも言い表せない罪悪感があった。
――しかし、案の定だが、「ううう……全然全く理解出来ないだっちゃ……」現地人の脳の容量負荷により頭から湯気が出てきた。
「ですよね」
文明が全く異なる世界で、土台無理であろう。
ハルトのいた場所は神の世界と言っても過言ではない。
即ち発展している世界の原理を教えたところで、技術レベルも思想もまるで別次元。
正確に認識など不可能だった。
「とにかく、何かの原因でヴァージニアさんを操作出来るようになったんだ。僕は経験や判断力|(二次元だけど)があるが、体力がない。逆にヴァージニアさんは体力はあるが、不器用な程技術センスがない。なら、二人で苦手部分を補えばこの先も勝てる気がする」
「何だか癪に障る言い分だが事実だし受け入れよう」
ハルトは確信があった。
どこの神様が用意してくれた偶然かしらないが、この世界には僕が羽ばたく為の翼があると。
恐怖はもちろんあったが、何処かゲームにも似たわくわくした気持ちも内包している。




