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永遠の純白(ヴァージニアサイド)


 2


「ガーターベルト!」


 白だった、レースだった、花柄だった。

 未開の扉を開けると全てを魅了する圧倒的な純白が、感受性豊かな少年の淀みないまなこに映り込む。

 陽光射し込むバルコニーの窓を背に、決め細やかな肌と、腰まである美しい金糸の束と相まって映えた。


「ノックぐらいしろだっちゃぁぁぁ!」

「白、ロリのアルティメットにして、フェイバリット、グッジョ――、おふっううう!」


 無断でオープンすると、ギャルゲーやラブコメではお約束の光景が広がっていた。

 幾ら当人には英雄でも恩人でも、ノゾキマにはそれに相応しい洗礼または対価を受けるのが、ラッキースケベの常識であり、男主人公の責務ではなかろうか。

 

 現実の時間にして数秒の出来ごとなのだが、まるで映画のワンシーン、または仕事や学校お昼休み前1分の様に、顎へ決まったクリティカルアッパー。

 少年は脳内で何度も幸せをリフレインしながら、物理的に廊下に強制送還される。

 因みに二人は相性が良いのか、壁に衝突した衝撃とドアが再び閉まる衝撃の音は同時だった。


 ――――話は数刻前に戻る。


 少年少女が再び安寧を取り戻したのは、時計の針が一周したあたりだった。

  

 戦闘後、何とか外へ出られたハルト。

 泥まみれの戦女神を背負って、無事にヴァージニアの生家であるアシュレイ砦に辿り着く。

 敵に遭遇せず到着したのは、ひとえにバクリュウキョウが密かに教えてくれた最も安全なルートのお陰だ。


 咲き乱れる鮮やかな色とりどりのコスモスが、主の帰還を喜ぶかのように光彩を放っている。


「ここがヴァージニアさんの実家なの?」

「そうだっちゃ。中々のものだろ?」


 シュレリア男爵本拠地 アシュレイ砦――――丸太を組み合わせた木製の質素な建物。

 規模は砦としてはこじんまりとしている。


「石作りのお城をイメージしていたから、木造建築の小砦で拍子抜けた」

「所詮は男爵だっちゃ。居を構える事を許されるだけ優遇されているんだっちゃよ」


 ゲームで得た情報による想像と現実とのギャップで、なんとも言えない悲壮感が込み上げてきた。

 お出迎えも、貴族らしく華やかなメイド軍団をイメージするも、実際は使用人が家族でお出迎え。

 アットホーム過ぎるだろと、ムッツリな欲望まみれを期待していた肩を落とした。


 無事生還した少年少女が砦の床を踏み鳴らす。

 年期が入った古い廊下。

 ハルトは途中、たまたま目に留まった凛凛しい人物画がヴァージニアと重なり気になった。

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