HAZIMARU V2
HAZIMARU、よりもHAZIMATTAだよね。
ジャガイモバカだから仕方ないんだよ。
V2の次はSpecialらしいよ。なんでV3じゃないんだろうね。
でぇとでぇと、ジャガイモがしたことのないでぇと〜
僕は出来る!!!ありがとうジャガイモ!!!
ジャガイモジャガイモうるせえな…(筆者)
あれから1時間後。
愛衣菜が示した待ち合わせ場所、隣町のショッピングモールにやってきた。
こねえ。
こねえ。
こねえ。
何やっているんだあいつ。待ち合わせ時間をもう1分も過ぎている!!!!
僕は待つことが苦手だ。
チィッターの返信は早いくせに、こんな時には遅れるのか?
イライラしていると、見覚えのある……いつもとは違う2人が遠目で見えた。
愛衣菜と……りんちゃん!?
何故りんちゃんまで連れてきた!?
「ごめんね……遅れちゃった…」
「愛衣菜ちゃん!!いーのいーの、きにしなーい」
「おっせえぞ」
ここで流れを変えたのは僕であった。
「86秒遅刻!!!!86秒あればなか◯ではもうメニューが来てるぞ!!!!おそい!!!」
そう言った瞬間、僕はうがーっとうなってきた葵に右腕を噛まれた。
「いってぇ!?!?」
「女の子は色々あるの!!少しは理解しなさいよ!!!これだから素人童貞は…」
この歳で素人童貞じゃない方がおかしい。
「この年齢で童貞なの普通だよねぇ!?」
「童貞が許されるのは小学生までよ?」
「エロ漫画にありがちなこと言ってんじゃねえ!!」
ショッピングモールのフードコートで思いっきりエロ漫画とか叫んでる僕。
何か言われるんじゃないかと結構怖い。
「そういえば……愛衣菜ちゃんの隣にいる子……お姉さん?」
「葵、そいつは妹だ」
「ふぇぇぇあっ!?!?」
「凛っていいます、よろしくね!」
身体とは裏腹に無邪気な笑顔を見せるりんちゃん。
「え、えぇ……」
完全に葵が拍子抜けしている。何を言おう、この2人身長差が25センチもある。
葵が144センチ。
りんちゃんが169センチ。
しかもりんちゃんは縦にも横にも大きく、おっぱいがでかいという追加コンテンツ購入済みなので、葵にはもう何が何だかわからない状態であろう。
「年齢……は?……」
「12!!」
「はうあ!!!」
葵の目が死人の目になっている。こりゃ大変だ。
「よ、世の中不平等だぁ……」
仕方ねえ。少しフォローしてやるか…
「葵。よく聞け。お前はロリコンの神様に認められし存在なのだ。歳を取っても衰えない、素晴らしいじゃないか。僕はつるぺたJS風女の子は大好きだぞ。そのうちランドセルとか背負わせてあげた」
突然、葵が物凄い勢いで突進してきて…
僕の視界は真っ暗になりました。
気付けばベンチに横たわっていた。
そして葵が僕の視界にひょっこりと顔を出した。
「ごめん……痛かった…?」
「痛いもなにも、気を失ったからわかんねえ…」
「つい、カッとなっちゃった……」
こいつ、体型の事とか結構コンプレックスなのな……
「いや、無神経な僕が悪かったよ、ごめんな」
「いいのよ。あたしのこと、下手なりにフォローしてくれたの嬉しかったから……」
「ごめんな。こういう時、どういう顔をしたらいいかわからないんだよ」
「笑えばいいんじゃない?」
「…はっ!」
僕は葵に対して、かすかな笑みを作っていた。
「ちょっ、怖っ!!」
「ええっ!?!?」
「目しか笑ってない!!もっと全体で笑ってよ!!」
「そういえば、さぁ」
「ん?」
「なんで、膝枕してくれてるの???」
「……っ!!したかったからよ!!それでいいでしょ!!!」
「愛衣菜とりんちゃんは…?」
「今、買い物行ってるわ。大人気のパンが欲しいんだって」
「なるほどな……」
僕は葵の膝から顔をどかし、ベンチに座る状態になる。
隣に葵がいる。
「な、なによ……そんな見つめて…」
「可愛い。」
「ひぇあっ!?な、な、な、何言ってるのよ!!!」
物凄い動揺ぶりを見せる葵。可愛い。
「動揺ぶりが可愛い」
「ふざけないでよ!!!」
「怒ってる葵が可愛い」
「もう知らないもん!!!」
「ほっぺ膨らます葵が可愛い」
「〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
もはや葵の顔はユデダコ状態だ。
「……ねぇ」
「なんだ?」
「ここ、人通り、少ないから……」
そう言うと、葵は僕に抱きついてきた。
僕はこういうのに慣れていない。今度は僕の顔がユデダコだ。
「恋愛とか……してみなさいよ…」
「それは、どういうことだ?」
「悠理くんのバカ…鈍感………」
「オタクの僕には恋愛なんて」
「オタクかどうかなんて……関係ない…、相手にとって、かっこよく見えるかが大事なのよ…。顔が良くても中身がダメならそれはかっこよくはないの。」
そして、ワンクッション置いて、改めてこのセリフが葵の口から出る。
「あたしは………悠理くんが好き……」
「……僕、そんな好きになられるようなことしたかな…」
「うっさい。バカ。素直に受け止めなさいよ……女の子が好きって言ってるんだから…」
「そうかいそうかい。葵って……やっぱり可愛いな」
「いま、その発言は反則……もっと好きになっちゃうじゃない…っ」
「なら好きなだけ好きになってくれ。僕は葵の言う通り、素直に受け止めてやるよ」
「悠理くん……あたし、我慢できない…」
そう言い、2人の顔の距離が縮まる。
30センチ、20センチ、10センチ……
5.4.3.2.1………
バサッ。
ちょうどお互いの唇が触れた瞬間に、ビニール袋に入れた何かを落とす音がした。
「「誰!?!?」」
それは、1番見られてはいけない相手だった。
愛衣菜。僕と愛衣菜はネット上で恋人に近い関係だ。
今、この状況下を見てしまい………
時が止まったかのごとく、愛衣菜はピクリとも動かなかった。
葵はあうあうしている。
僕は愛衣菜に近づく。
「もしもーーーし、おじょうちゃーーん?」
返事がない。ただの人間のようだ。
「おーーーーい?」
僕は愛衣菜の目の前で手を振ってみる。
眼球に動きはない。
時過ぎること2分。
僕は更に愛衣菜に近づいてみる。
その瞬間。
閃光のような手さばきが見えたような気もするが……気のせい………たわばっ!!!!
僕は要家流、往復連撃を喰らっていた。
「いっ………でぇぇぇぇぇぇえぇぇえっ!!!!」
ようやく愛衣菜から声が聞こえてくる。
「ああ神よ、罪深きこの男に裁きを………」
ヤバイ。目がヤバイ。おかしい。光がない。
死ぬ。助けて。
しかし僕の予想とは裏腹に、愛衣菜はぺたんと膝をつき、正座に近い状態となり号泣し始めた。
「うぐっ………私、何もできなかったんだ……」
「い、いきなりどうしたんだよ…」
「私じゃ、満足じゃなかったんだね……葵ちゃんの方が、良かったんだね……」
「そういうわけじゃ…」
「ごめんね……私、ここから消えるから許して…」
重い!!!heavy!!!
引っ込み思案な子にありがちだが、まさに愛衣菜は引っ込み思案だった。
そうして階段の1番上からプールにダイブするようなポーズをし始める。
「ちょっ待てい!!!階段の上から下に飛び降りるだけじゃ死なねえぞ!!!」
「いいの…私は要らないから…傷つくだけで嬉しい、でしょ?」
「あーーー、もう!!!」
「きゃっ…」
無理矢理僕のいる階段とは逆方向に身体を向けさせ、抱きしめ、強引にキスをした。
「んんっ……」
そうすると、彼女の舌が唇の先に触れた。
結局欲しいんじゃねえか…
彼女の欲求通り、僕は優しく舌を愛衣菜の唇の奥に入れた。
愛衣菜の暖かさを感じる……しばらくしていると、彼女の表情が何かを求めるとろけたものになっていた。
「なんで……私に……」
「使命を感じた」
「葵ちゃんが…いるんでしょ…?」
「今はまだ何も決めていない。だから、皆に愛を注いでいられる。そのうち、誰かに絞らなきゃいけないんだろうがな……」
「…………私だけを……見てよ…ひぐっ」
彼女はまた泣き出す。
僕の胸で声を出しながら、泣いていた。
「お前がこんな嫉妬深かったなんて、知らなかったよ……僕はまた愛衣菜のことを勉強しなきゃダメだな、よしよし…」
ほぼ反射的に愛衣菜を撫でていた。
そうして僕は彼女が泣き止むまで、ずっと抱きしめていた。
この階段は人通りはほとんどない。ショッピングモールの隅っこなのでこんなことをしても誰にも気付かれない。
また一歩、関係が進んだ。
でも、複雑にもなっていた。
僕はその重圧に負けることなく、対応しなければならない。難しいんだろうけどね。
彼女達に関してもっと勉強、しなけりゃ…な……
それからと。りんちゃんを待つために3人でベンチで話していた。
お互いごめんね、と最初は始まっていたが、話を続けているうちに段々と重い空気は消えていったので、僕としては心が落ち着いた。
ようやく、りんちゃんがやってきた。
「ごめんなさい、並び直しちゃっていて…待ってました…?」
「いいんだよいいんだよ。全員揃ったし、色々歩いて回るか!」
「「「うんっ!!!」」」
行く当てもないまま、ぶらりぶらりと僕らは歩き始めた。
話自体が重めになるのは僕が重いからなんでしょうかねぇ…?




