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僕に、もっと恐怖を
「シリウス様、ここは一度お戻りを。」
ステファニー様に言われたシリウスは、
アクアマリンの瞳を私に注いだまま、無表情で手を引き、立ち上がった。
マントを翻して扉まで行った。
――が、振り返ると、急に私の方に戻ってきた。
「シリウス様!!」
駆け寄るロベルト様を片手を挙げて制する。
私はまた激しい憎悪に駆られてもがく。
「僕は――」
少年大王は、眉一つ動かさずに私を見る。
全身を血が駆け巡る。
食べたい!噛みちぎりたい!コイツを――――
「感情を、取り戻さなければならない。
――大王として――」
私は暴れながら少年を見上げた。
その顔は土気色で、アクアマリンの瞳ばかり光っている。
「お戻りください!シリウス様!」
私を押さえながらステファニー様が叫ぶ。
「――ぼ、僕が……受け身では……駄目なんだ……」
シリウスは、激しく口元を震わせながら私に手を伸ばす。
「もっと恐怖を……」
震える手が目の前に迫る。
私は嚙み千切ろうと牙を向く。
氷のような指が私の唇に触れ、アクアマリンの瞳が見開かれた、
次の瞬間、
フッと瞳の輝きが消え、私に向かって倒れかかる。
――ロベルト様は、シリウスを抱き抱えると静かに部屋を出て行った。




