第二話 国立魔道法務学校入学①
会場では金級が出たと大騒ぎになっていた。
そんな中俺はトイレの個室で一人人生に絶望していた。
「俺これからどうなるのかな、、、」
スマホが鳴る、母親からの電話だった
「カイト、どうだったの?魔法の内容は?階級は?」
「ごめん、母さん俺魔力がないみたいなんだ」
母親は失望するだろう。そう思っていたが、母さんの反応は全く違った。
「それは良かったじゃない、ハンターになれないなら安心だわ」
少し喜んでいるようにも聞こえた
「は?何言ってるの、俺の人生終わったんだよ?なんでそんなに嬉しそうなんだよ、ハンターになれないなら安心?いくらなんでも過保護すぎんだろ」
そう言って勢いのまま電話を切ってしまった、つい言いすぎてしまったと後悔したが、また将来への不安が押し寄せてきた。
ひとまずこの会場を出ることにした、その時だった。
測定員に声をかけられ奥の部屋へ連れて行かれた。
まるで中学校の校長室のような造りの部屋のソファに腰をかけ、しばらく部屋を眺めていると扉が開きテレビでみたことがある顔がやってきた。
「待たせたね、私はこういうものです」
渡された名刺には国立魔道法務学校理事長と書かれていた。
国立魔道法務学校といえば国内有数の超名門校である。
まるで状況がつかめなかった。
「なぜこんな場所にいきなり呼び出されて一体何がなんだかわからないといった顔だね、早速だが君にはぜひ協力してもらいたいことがある」
「我が学舎に入学しその体を調査させてもらえないか」
話された内容を大まかにまとめるとこうだ
俺の体は稀なもので魔力を持たないその体を調べさせてほしいということらしい。
「でも国立魔道法務学校の入学試験ってかなり高度な魔法力を求められるんですよね?僕なんかが入学して大丈夫ですか?」
「正直に言おう。君は今、国から特別保護観察対象認定という身なんだ」
【特別保護観察対象】重大な魔法憲法違反を犯しながらも、なんらかの理由で社会放免されている人間に対する処置のことである
「俺なんかしましたか?」
「君自身は何もしていない、ただ国としても魔力0なんていう異質の君を野放しにして置けるほど寛大ではないということなんだろう。
そして、我が校に君の調査要請が届いたと先ほど連絡があった。知っての通りここにはスカウトをするため他の学校の理事長も来ている。
この要請のことを聞きつければ君を調査したいと思う学校から様々なスカウトが飛んでくるだろう、だがこのスカウトはただのスカウトではない。
一つ忠告しておくとすれば、この完全魔法主義社会であるこの世界で魔力がないということは、これからの人生、雇われた奴隷のような生き方をするということだ。
そんな未来を背負った者に対して他校の研究員がどんな目をして実験をするだろな。
もしかするとモルモットのような扱いを受けるかもしれない。約束しよう、他校よりもより良い普通の生活を送れるように君を我が校で保護すると」
モルモット?保護?俺は何かの小動物かよ。そう言いたかったがこらえることにした。
何より自分の未来が具体的に言われ、実感した。
やっぱり俺にはクソみたいな未来が待っている。
「もし、もし俺の体を調査してその原因がわかったら、俺も魔法使えるようになったりしますか?」
「現段階ではなんともいえない、だが我が校の魔法研究は国内でもずば抜けている。可能性は決して0ではない」
0ではないか、どうせクソみたいな未来が待っているなら実験体にでもなんでもなってやる。
「ぜひお願いします」
理事長の顔が少しだけ笑みを浮かべた
「ようこそカイト君、我が国立魔道法務学校へ」
俺がこれからどうなるのかはわからない。でも一つ言えることは俺の運命は今大きく変わったってことだ。
以上二話でした、少しでもいいな、続きが気になると思ったら評価、ブックマークで応援していただけると励みになります!




