ハンターギルドに向かいました。
( ゜ー゜)テケテケ(更新でございます)
『魔導紋』の書が完成した次の日。
リィフはカルディのハンターギルドを訪ねてみることにした。
魔物と戦う者のことを、狩猟者と呼ぶ。
狩猟者たちの互助組織がハンターギルドだ。
狩猟者がばらばらに活動していると、競争原理が働き過ぎ命が安くなる。
魔物を狩る仕事、命がけの仕事が持つ最低限の価値を護るためには組織化が必要、というのが設立趣旨らしい。
実際のところハンターギルド同士の価格競争なども起きてしまい、命の安さはさほど改善していない。
希少な生物資源である魔物の死体や体組織の買い取りと販売、害獣駆除の相談をやっている場所、と言うのが、リィフが持つハンターギルドのイメージである。
カルディには二つのハンターギルドがあった。
一方はガーベラギルドという古くからあるギルドで、もう一方はドーベンギルドという新興ギルド。
ドーベンギルドのほうはトラブルで営業停止中とのことで、ガーベラギルドの方に足を運んだ。
ダナンから聞いた話によると、大手ギルドであるアングラーギルドがガーベラギルドの経営権を買収したことをきっかけに、ガーベラギルドとドーベンギルドの関係が悪化、両ギルドの狩猟者同士のトラブルが相次ぐことになった。
最後には狩猟者同士の喧嘩がきっかけで無関係の商家の火災が発生。目撃者の証言によりドーベンギルドに所属する狩猟者が手配され、そしてガーベラギルドの狩猟者たちに殺害された。
ガーベラギルドのギルド長ホリンは手配犯の身柄を拘束しようとしたところ、剣を抜いて抵抗したためにやむなく殺害したと主張。
偶然に居合わせたコトノハ教の聖女レアの証言もあり、領主であるダナンはホリンの主張を認め、手配犯の殺害を正当防衛と認めた。
そしてその後、ホリンは逆恨みをしたドーベンギルドのメンバー『電光の射手』ガルドがガーベラギルドのメンバーを襲撃、重傷を負わせたとしてドーベンギルドを包囲、ガルドの引き渡しとドーベンギルドの解散を迫った。
対応に動いたダナンは今回も居合わせた聖女レアの証言を受けガルドの身柄を拘束、ドーベンギルドの活動停止を命じた。
拘束されたガルドは「なにもやってねぇ」と主張。
ダナンもまた「聖女レア以外に証人がいない」「妙に都合良く聖女レアがいる」という点に違和感を抱いたが、聖女レアはアングラーギルドの本拠地であるウェイド伯爵領の有力者であり、その証言に疑義を差し挟むことは難しかった。
ホリンは更にガルドを犯罪奴隷としてガーベラギルドに引き渡すよう要求したが、その要求を通すのは不味いと判断したダナンはそれを避け、領主が決まらぬ間の管理を押しつけられていたリトルバードの監視任務をガルドに命じた。
危険な任務ではあるが、熟練の狩猟者ガルドであれば貴族出の領主などより上手く立ち回ってしぶとく生き延びて、冤罪を晴らすための時間を確保できるという判断だったらしい。
そしてドーベンギルドの副長メネガに、中央大平原をさまよっているはずのギルド長ジエンを呼び戻し、事態収拾に協力させるよう指示した。
と、だいたいそんな情勢であるらしい。
ダナンの心証は、どちらかというとドーベンギルド寄り。
一連の騒動はガーベラギルドとその背後のアングラーギルドがカルディの狩猟者たちを牛耳るために仕掛けた謀略と見ているようだが、ガーベラギルドとアングラーギルドの力、そしてネルヴァ山脈を隔てた隣接地であるウェイド伯爵領との友好関係がなければ、カリパック男爵領の領地経営は難しくなる。
そう強力にドーベンギルドに肩入れすることもできない、という背景があるようだった。
リィフに直接関係がありそうなのは、今リトルバードにいる狩猟者というのがそのガルドという男である点くらいだろうか。
しかし、今回大事なことはそう言ったゴタゴタでなく、「ハンターギルドで魔物を買い取ってくれる」ということである。
『恩寵紋』のおかげか、油断するとルルスファルドの島に宝箱やらサンゴやら真珠やらが流れ着いてきたり、歩いていたら上等なキノコやら宝石やら鉱石やらが足下に転がっていたりするのだが、どれも換金しやすいものとは言いにくい。
魔物を買い取ってもらえるのであれば、やり方を確認しておきたかった。
リィフ自身は基本的に殺生をしない主義だが、ネルヴァ越えの時にはスライム達が五匹ほどのワイバーンを倒し、非常食を兼ね『転生賢者紋』に入れてある。
社会勉強がてら、これを一匹売れないか相談してみるつもりだった。
( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)
次回更新は夜20時あたりを予定しております。
お昼更新はありませんのでご容赦ください。
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