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僧院育ちの少年は『神槍紋』『転生賢者紋』を得てぐぅ聖オバケになりました。  作者:
西海にて

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仮住まいを作りました。

( ゜ー゜)テケテケ(更新でございます)

 テケテケとスライムの半数ほどをアルシードとヘドロの竜の監視役兼世話係につけ、残り半分のスライムが合体したイカダで南方にある小島にわたった。

 サイズはそれなりにあるが、草木のない無人島。

 故郷を喪った難民状態のアルシードを放り出すわけには行かないが、いきなりルルスファルドの島に置くのもまずい。

 近くの島に仮住まいを作ることにした。


「岩山過ぎないかな」


 ルルスファルドの指定した島だが、あまりにも殺風景だ。

 流刑地感すらある。


<なに、叔父御殿のぐぅ聖ぢからさえあればどうとでもなろう>


 ルルスファルドはにやりとして言った。

 ルルスファルドの指示に従って、天逆鉾あめのさかほこを『転生賢者紋』から出し、魔力を通す。

 展開した緑の光刃を地面に当てると殺風景な岩の島が、美しい緑の島へと変わっていった。


 テケテケ!


 同行しているスライム達が飛び跳ねる。


<うむ、良くなった>


「いいのかな、こんなことできちゃって」


 生命の理などに干渉している気がする。


<できてしまうのじゃから仕方があるまい。次はもう少し島を広げるとしよう>


 ――どんどん人がやっていい範囲から逸脱していく。


 ルルスファルドは島の突端の岩場に出ていった。


<ここに槍を入れて海水をかき混ぜるのじゃ、地の力を念じ、といってもわかりづらいか、例の地天呪を唱えながらで良い>


「錆びない?」


<錆びはせん>


 おとなしく天逆鉾の穂先を海中に沈め、地天呪を唱えながら海水をかき回す。


 namaḥ samanta-buddhānāṃ pṛthiviye svāhā(ナマハ サマンタブッダーナーン プリティヴィイェー スヴァーハー)


 やがて、穂先が何かに触れた。

 海底が盛り上がり、黒々とした地面が姿を現す。

 島の広さが一気に倍になった。

 かと思うと、すぐに緑が芽吹き、草花が生い茂っていく。


「……めちゃくちゃ」


 色々とおかしすぎる。


<どこまでもぐぅ聖おばけじゃな>


「ぐぅ聖ならまだいいけど」


 おかしな魔物扱いされてもおかしくないような気がしてきた。


「次はどうしよう」


 考えるのはやめ、仕事を続けることにした。


<そうじゃな、仮住まいじゃし簡単に済ませるとしよう>


 新しくできた地面に、白虎門のとき同様に、魔法陣を描く。


<【召喚・マヨイガ】>


「【しょうかん・まよいが】」


 魔法陣の上に、鄙びた雰囲気の古い木造家屋が現れた。


「家も呼べたの?」


<家の形をした精霊のようなものじゃがな。入った者に幸運を齎す。仮住まいにはちょうど良かろう>


 玄関をくぐり、中の様子を見てみる。

 平屋のこじんまりした建物だが、清潔で安心感がある。

 どういう理屈かわからないが、真水が出る井戸や浴場もあった。

 当座の住まい、というか終の棲家としても問題はなさそうな出来だ。

 最後は天逆鉾でルルスファルドの島に続く土の橋を作り、口をあんぐりさせていたヘドロの竜、目を丸くしているアルシードのもとに歩いて戻る。


 ――まぁ、そうなるよね。


 やっている自分もあきれてしまう。

 見ている方は驚天動地だろう。

 そうしてリィフはアルシードとヘドロの竜をマヨイガの島とその近海へと案内した。

 もう少し細かい事情を聞きたいところではあるが、アルシードはだいぶ疲弊している。

 休養を優先するべきだろう。

 海人族は基本的に魚を食べる種族だ。スライム達が取ってきてくれた魚をイオとジオに調理して貰ったものを出し、自分は豆のスープと果物を食べた。

 警護、監視役兼賑やかし要員として、マヨイガの内外にスライムに待機してもらい、そこで休んでもらう。

 リィフ自身もそろそろ眠い。

 寝床に入り目を閉じた。

( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)


次回更新は明日昼の予定です。


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『ブックマーク』のところや、その下の☆☆☆☆☆の評価部分をテケテケと叩いて頂けると執筆者の情熱の焔がより高く燃え上がるかと存じます。

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2025/02/28からリメイク版はじめました
パンと弾丸とダンジョンと・Rebake

― 新着の感想 ―
[一言] おや、ルル様「ぐぅ聖」呼びを辞めちゃったんですか 「う」がデカくなってますけど
[一言] そら目の前で『国作りの神話』を見せられたら ぐうの音も出なくなりますがな・・・ ・・・そういやスキュラって正座出来るのかな?w なぁ~んかスキュラの親玉がリィフに折檻された上でお説教喰らう図…
[一言] テケテケー(天逆鉾の使い方としては実に正しい)
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