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僧院育ちの少年は『神槍紋』『転生賢者紋』を得てぐぅ聖オバケになりました。  作者:
化けて出る転生賢者

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スライム達と契約しました。

( ゜ー゜)テケテケ(これ以降は当面0時、12時の一日二更新の予定です)

「なに?」


 グールスライムの群を見渡し、リィフはそう呟いた。


<自分たちも連れて行けと言っておるな>


「……どういうこと?」


 紋章喰らいが自分についてくるのは、なんとなくわかる。

 元々はただのグールスライムだったが『剣客紋』を得たことで、別の生き物になり、同族だったグールスライムたちを傷つけ殺してしまった。

 紋章喰らいにそういった感情があるかどうかはわからないが、このまま骸山にはいづらい立場と言えるだろう。

 だが、グールスライム達は事情が違う。

 紋章喰らいが浄化されたのだから、このまま骸山で暮らしていけるはずだ。


<叔父御殿を、救い主と思っているようじゃ。このくらい山より、連れ出してくれる存在じゃとな>

「連れ出す? ここが嫌なの?」


 グールスライムたちにそんな思いがあるとは思ってもみなかった。


<そのようじゃな。スライムというのは、もともと屍肉を喰うような生き物ではない。清い水と草、あとはわずかな果実があれば楽しく生きてゆけるものじゃ。じゃが、ゴブリン共に住み処を追われ、この場所に流れ着いた。他に喰うものもなく、わずかな草や果実、そして人や獣の骸を喰らって生きざるを得なかった。そこに差したわずかな光明が、この草原だったそうじゃ>


「ここが?」


<うむ、この草原には、明るい光が差す。わずかじゃが綺麗な雨露や、湧き水を飲むことができる。こやつらにとっては、聖地のような場所になっていたようじゃ。故に、こやつらは、この草原を尊んだ。これだけ草があるのに、手をつけようともせぬほどにな。この草原を食い尽くしてしまえば、またなにもなくなってしまう、それは耐えがたいと思っていたようじゃ>


「そう、なんだ」


 胸が切なくなるのを感じた。


<その場所を作ったのが、叔父御殿じゃった。この草原がこやつらの浄土となったのは、叔父御殿の浄化のなせる技じゃった。故に、こやつらは、紋章喰らいと同じく、叔父御殿と共に行くことを望んでおる>


「僕が、この場所を?」


<おそらくは『神槍紋』の作用じゃ。聖性が強すぎて封印の力を超えたのじゃろう。ぐう聖というやつじゃな>

 

「……グー性?」


 難しい魔術用語かなにかだろうか。


<聞き流して良いぞ。説明するほどの単語ではない>


「それなら、もしかして、山ごと浄化できる?」


 封印された状態でこの草原を良い場所に出来ていたなら、今なら山全体の環境を変えられるかも知れない。


<できるはずじゃが、ここに人の骸が棄てられ続ける限りは、すぐに穢れてしまうじゃろう。それに、こやつらにとって、この山は良き故郷とはいえぬ場所じゃ。人はこやつらを見れば駆除しようとするし、ゴブリンどもに至っては喰おうとする>


 骸山全体を浄化すれば、それで幸せに暮らせるというわけでもないようだ。

 それにリィフは近いうちにこのカマルを離れなければならない立場だ。

 詳しい話は聞いていないが、侯爵ジュノーはリィフを還俗させ、リトルバード地方の領主に仕立てるつもりらしい。

 マールゥト侯爵領の西の果て。

 強大な魔物達が跋扈する人外魔境の地と聞いたことがある。

 定期的に浄化を行うことはできなくなる。


「わかった」


 リィフはうなずいた。


「伝えてくれる? たぶん、ぼくは、リトルバード地方っていう危険な場所に行くことになる。この山にいるほうが安全かも知れないけれど、それでも、一緒に来るかって」


<心得た>


 ルルスファルドの言葉と共に『転生賢者紋』がスライムの言葉である魔力波を放つ。

 それを受けたグールスライムたちは、その身体をぷるぷると震わせたあと、


 テケテケ!


 と鳴き声をあげた。


<異存はないそうじゃ>


「全員?」


<うむ>


 ルルスファルドはうなずいた。


<当然じゃがな。リトルバードじゃろうとどこじゃろうと、叔父御殿と儂が側に居る以上、そうそう危険はない。ここに残るほうがよほど危険というものじゃ>


 ずいぶんと見込まれ、信用されてしまったものだ。


「わかった、一緒に行こう」


 テケテケ!


 受け入れられたとわかったようだ。グールスライム達は歓声のように声をあげ、ぽんぽんと飛び跳ねた。


 リィフの契約獣となることを望んだグールスライムの数は全部で一〇八匹。

 さすがに数が多いので名前は考えきれない。暫定的に一号から一〇八号という形で命名し、正式な名前は良い考えが浮かんだらつけることにした。

 紋章への収容、解放も一〇八匹すべて問題なく行えた。


 ――なんだか、どんどん、大変なことに。


 闇の賢者ルルスファルドの霊、『転生賢者紋』に『神槍紋』、紋章喰らいにグールスライム。

 その上ジュノーはリィフを還俗させ、リトルバード地方の領主にするつもりらしい。

 たった一日で、信じられないほどたくさんのものを抱え込んでしまった。

 

 ――どうなるのかな。これから。


 大きすぎる力と、たくさんのスライム達。

 うまく使いこなしていけるのか、きちんと守っていけるのか。

 それを思うと、少し胃が痛かった。

( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)


これにて骸山編と最初の集中更新は終了。

以降は0時、12時の1日2更新体制にて売僧僧院……もといマイス僧院編をお送りいたします。

お付き合い頂ければ幸いです。

 

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『ブックマーク』のところや、その下の☆☆☆☆☆の評価部分をテケテケと叩いて頂けると執筆者の情熱の焔が高く燃え上がるかと存じます。

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