第13話 もうすぐ領地いけるらしいよ
いつもと違って木曜日以外にも話を挙げた結果これですね。昨日どうしてもかけず、今日になりました。ちゃんと自分が毎週頑張るためなのに、理由が出来るとすぐ妥協する、自分の悪い癖ですね
ギル様との秘密のお話をしてから、少ししてお母様と話合いをした。
ギル様の好みに合わないというのは、わかったが、ギル様と稽古をするようなことはしないで欲しいとのこと。
会話のきっかけなら勉学もあるが、それ以外にも欲しくなり、その結果が剣の稽古だとしても、母としては男性に見せて良い部分とダメな姿があるという。
ギル様が女性らしさよりも、人間性を重視するというなら、たしかに悪いアプローチではないが、一緒に稽古するよりも、努力した事のわかる手であることや、演舞という形を見せることなら同意するとのこと。
恋愛感情については、私もまだまだ理解不足だし、その手のことを題材とした本も少ないので、母の意見は充分に参考にすることにする。
ということで、無理をせず嗜む程度なら許可が下りた。
なので、久しぶりにお爺様に会いに行きたいと伝えたところ、今は社交のシーズンではないので、領地に帰っているとのこと。
次に会える機会のお楽しみとしておこう。
話がついて、部屋に戻りアリルの入れた紅茶を飲んで一息つく。
・・・ん?・・・ん?んーー?
たしかに、既に社交界のシーズンは終わっていた。結構日にちもたったのだから当たり前だ。
私はマリネとアリルに視線を送った。
『どうかしましたか?』
『私の淹れた紅茶、美味しくなかったですか?』
あ、アリルに変な心配をかけてしまった。
『いいえ、紅茶は美味しいわ。アリルは覚えも早いし、着実に成長してくれていて、助かるわ。』
まだまだ、マリネや他の使用人と比べると劣るところもあるが、それはうちの使用人のレベルが高いためだ。
場所によっては充分にやっていけるだけの力を身につけてくれている。
この調子なら学園に通うまでには、公爵家の使用人としても、見劣りしないレベルには余裕でなってくれているだろう。本当にいい子を拾ったものだ。
『では、どうしたんですか?』
改めて、聞かれたので、私は今更になって気づいてしまった事を口にする。
『そろそろ領地に帰れるのよ。気になる事がたくさんあるから楽しみだわ。』
社交のシーズンが終わっていることに、全然気づかなかった。読書やレシピ作りに没頭している間に、過ぎ去ってしまっていた。
ギル様との勉強会は、社交とは別枠での交流だし、それ以外に私が出れるのは、お茶会くらい。それも強制力はほとんどないので、ほとんど出ていない。
気づかない事も仕方ない事だ。
お父様は宰相として終わらせておかなければいけない仕事も多いため、領地に帰るのは、遅めになる。
そして、意識して月日を考えるなら、そろそろお父様も仕事を切り上げて、領地に帰ることになるだろう。
『そうですね。王都では馬車から眺めるだけでしたが、領地でならお忍びで出かける事も許可して貰えるでしょう。』
『ええ。市場について色々と学びたいわ。』
マリネの言葉に私は大きく頷いた。
王都では人の出入りも多く、物の出入りも多い。充分な護衛をつけようと思うと多くなりすぎて民の邪魔になるし、そもそも市場を見回っていた事を他の貴族に知られると色々と面倒だ。
市場調査なんて言えば、なんとかなりそうな気もするが、それは宰相である父が言えばだろう。
私一人で、そんな事を言っても説得力に欠ける。
貴族の買い物なんて、大抵は商人を呼びつけるものだ。
令嬢一人で王都にいたら、買い物をしていなくても、下手な噂が立てられそうで面倒なのだ。
領地でなら、その心配もないだろう。
安全面はどちらにしても、きちんと護衛をつければ保証はされるだろう。
『あの、ヴィルランク領ってどんなところなんですか?』
アリルの質問を聞き、アリルにとっては初めての領地である事を知った。そうなると、王都を出るのも初なのかな?
『そうね。王都とは違って海があるわ。外国との交易も盛んだから、王都では見られない珍しいものも色々と見れると思うわよ。』
『へー、海ですか。物語でしか聞いたことがなかったので、楽しみです。』
まだ見ぬ地に期待が膨らんだのか、アリルも嬉しそうだ。
『王都から出るのは初めてでしょ?』
『そうですね。記憶の限りでは初めてです。』
普通に肯定されると思ったが、妙な言葉が気になった。
『記憶の限りって?』
『お母さんに聞いたんですが、前は別のところに住んでいたそうです。私は小さかったので、記憶は無いんですけどね。』
『そうだったのね。何処の領かしら?』
『すいません、そこまではよく分からないです。』
『まぁ、そうよね。』
別のところに住んでいた、か。平民で住む場所を変えようとすると手続きが大変だったり面倒が多い印象だ。
なにかあって、何処かに行かなくては行けなくなったのだろうか?
その時、王都に知り合いがいたとかそんな感じだろうか?
知り合いがいれば、多少は手続きが緩和されると聞くが。
そういえば、母親しかいなかったとは言ってたな。あまり触れない方が良いだろう。
『とりあえず、こことはまた違った経験が、色々と出来ると思うわ。良い思い出をたくさん作りましょうね。』
『はい、楽しみです!』
華やかな笑顔を浮かべる、アリルを見て私も頰を緩ます。
人生でたった一度しか出来ない経験を、私の手でさせてはくれないだろうか?という気持ちになってきた。
私の手で彼女が新しく旅立つ事を重視するなら、死にかたは2人で相談して決めたいな。そして、私と彼女の好みに合わせて、殺し方を考えて、私が実行する。
この経験は、私の中で蓋がされ、死に方を決めるシミュレーションすら、行われることはない。公爵令嬢の私が口に出すべき言葉ではない。そのことを私は知っているから。
『領地に残っている、使用人の方達もたくさんいるから、紹介しないとね。』
『え?ここの方達以外にもいるんですか?』
『ええ。向こうにある家の手入れや、領地運営を代行してもらうために、残っている人もたくさんいるの。』
『へー、そうなんですね。あれ?じゃあ、こちらにも残る方々はいるんですか?』
『いるわよ。アリルとマリネは私の専属侍女だから、付いてきてもらうけどね。』
頼むわよという気持ちもこめて、笑顔で答えると、アリルは少し考えた後、口を開いた。
『じゃあ、私はお嬢様の侍女でよかったです。』
嬉しいことを言ってくれるが、それはアリルが知らない事もあるからだろう。
『そう言ってくれるのは嬉しいけど、こちらに残る人たちは、いつもよりシフトに余裕ができる分、長期休みとかが取れるのよ。それを思うと申し訳無くも思うわ。』
『そんなことないですよ。私はお嬢様ともっと思い出が作れた方が嬉しいです。マリネさんもそうは思いませんか?』
『そうですね。たまの休みに一人で気ままに過ごすのも嫌いではありませんが、長期休みをもらうよりも、お嬢様と過ごしている方が楽しいですよ。』
『お菓子とか美味しいですしね!』
ニコニコと笑うアリルにマリネはくすくすと小さく笑いつつも、穏やかに笑っている。
アリルの最期の言葉だと、お菓子に釣られているだけのようにも聞こえてしまう。そんなことに気づいていないアリルが、可愛らしくてマリネも笑っていたのだろう。
二人は楽しげに笑いながら、私と居れる事を嬉しそうに話してくれる。
そんな中で、私がどんな事を思っているかも知らずに。
けれど、だからこそ私は、彼女達を殺そうとした時に、彼女達がどんな表情をするか知りたくなった。
それでも、私を受け入れてくれるだろうか?
やはり話が波があるかも。書き終わった時点で、題名を悩んだのが、良い例な気がしてならない。
作者の勝手な感想載せてごめんなさい
書いとかないと忘れちゃうので




