第八十問
LAN武様、月光閃火様、レフェル様、感想ありがとうございます。
フェリーを降りた後、それぞれの手荷物を持って女性陣が里への道を歩いていく。その声は実に華やかだ。
「それにしても全員で遠出って初めてだね」
「そうやな、それに今年に入ってからは賑やかやし」
明奈がそう言った。それに深紅も同意する。
「観光にも行きたいね」
「こことかどうかな。おいしいお店があるみたいだよ」
「そこのお店ってパスタがおいしいよ!」
つぐみと芹香、それに人の姿をした琉生瀬が観光ガイドを眺めながら口々に話している。
「おでかけー」
「わーい」
「ほかげとぎんおにいちゃんとおでかけー」
「俺たちまで良かったのか?」
ほかげは三人娘がはしゃぐ様子を見ながら自分まで招いてもらってもよかったのかと首を傾げた。
女性陣から一歩引いて男子の一団が歩いていく。その中の一人、拓麻が少し考えるように口に手を添えている。そして、呟いた。
「それにしても何で天海の住人が人間界に来たんだろうな」
「魔物狩りだっけ?」
「だよな。魔物って人間界にはそこまで居ないはずだけどな」
「そこもいまいち分からないよね。何でだろう?」
同郷組はそろって首を傾げる。今まで魔族の進行は多々あれど、天海の住人がこちらに来ることなんてなかったからだ。その様子を見ていた龍星がそれ以上の問題を告げる。
「そういえばだが、町無事なのか?」
「………あ」
男性陣(と言うよりは明也)と一緒に居た氷火が固まる。しかし、そんなことを無視して明也が言った。
「大丈夫ですよ。ウチの町、伊達に二回も進攻受けてないですからね。一日で直りますから」
「だよな。なんと言うべきか逞しいっていうか」
拓麻も同意する。それを見て銀が思い出したように言った。
「うん、前回とか凄かったらしいよね。最終決戦で凍りまくった町が一日で元通り」
「兄ちゃん、いわないで マジで オネガイシマス」
明也の言葉がいきなりカタコトに変わった。その様子を見た龍星が驚く。
「何事?!」
「あー、明也の能力と氷龍の力が暴走して町中凍ったんだよな」
「え、そんなことがあったのか?」
「黒歴史だから止めてください」
続きを聞こうとする龍星に明也がかぶせる。
「んなこともあったよなー。その後から会わなくなったよな、あたしたち」
「もう止めろ下さいお願いします」
氷火も思い出したように言うがそれ以上に明也の壊れっぷりが酷かった。
銀がその壊れっぷりから察して申し訳なさそうな顔をする。
「明也、そんなに嫌なんだね。ごめん」
「おーい、銀たち」
そこにほかげの声がした。銀はすぐさま彼女に駆け寄る。
「ほかげどうしたの?」
「いや、女子で行きたいところ決めてたんだが最後がもめてな」
明奈たちが観光ガイドに丸印を付けて何やら話し合っていた。男性陣の
「ぼくとしてはレストラン行きたいんだよね。美味しいところあるし」
「わっちは明奈に賛成や」
「あたしも同じなんだ」
「ボクもだね」
四人は観光へと行きたいらしい。
「わたしは森のみんなに会いたいんだ」
琉生瀬としては襲撃を受けた森の仲間が心配なのだろう。その表情には少しだけ焦りが見えた。
「俺は休みたい、結構疲れた」
もともと体力の低いほかげには長距離移動が答えたらしい、少し顔色が悪そうだ。
「見事にバラバラだね」
「ほかげ大丈夫?」
「まあ、一応」
一応強がっているがほかげの表情は硬い。三人娘も心配そうな顔でほかげを見ていた。
「とりあえずほかげさんと兄ちゃんは泊まるところにに行ったら? おれはばーちゃんに挨拶入れないとなぁ」
「あー、それがあったか」
明奈が苦虫をつぶしたような表情をした。この里の有力者であり暴君である祖母の存在を思い出したらしい。
「僕も行った方がいいんじゃないかな?」
「いいよ、ほかげさん本当に体調悪そうだし」
ついでに部屋取頼んだ。明也はそう頼んだ。
そういうわけでほかげと銀、それから三人娘は事前に場所を確認済みな明也の家の別荘へと向かった。
それを見届けた後、明奈が言った。
「じゃあ、ぼくたちはさっき言った通り観光に行くよ。ついでに情報収集、森に入る人間も少なからずいるんでしょ?」
「うん、じゃあよろしく。おれはさっきの通りばーちゃんに挨拶してくる。玲汰と琉生瀬はみんなの案内役よろしく」
「うん!」
「分かった」
こうしてそれぞれに行動を始めたのだった。
◎
「天海より来たエザベル・フォン・バートリーよ。今回はよろしく」
「はぁ、俺は今回護衛を担当する荒瀬武晴だ。よろしく」
何でこんなことになったのだろう、そう武晴は考えた。友人である鍵斗に頼まれ、天海の要人の警護をする羽目になったのだ。鍵斗は忙しいからと言う理由でこの依頼をこちらに押し付けてきたのだとばかり思っていたのだが、彼女の雰囲気や少々人を見下した言動を聞いて印象が変わった。武晴は考える。あいつ、この女の子が嫌でこの仕事押し付けたな。そう確信した。
「で、俺は警護をするだけとしか聞いていないが何をするんだ?」
「あら、そんなことも知らないの? 魔物狩りよ」
しれっと彼女は言ってのけた。それどころか、無い胸を張って自慢そうにしている。
「ほう」
「最近天海では魔物を使ったアクセサリーがステータスになってるの、私は流行には乗るタイプなのよ」
さらにドヤ顔をしている彼女を見てめんどくさいと思った武晴だった。
前回より二か月以内にはどうにか更新できましたorz
せめて一か月以内には更新したかったのにどうしてこうなった。
ハーメルンにかまけてすみませんでした。




