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ゼロの軌跡(白の系譜)  作者: リィズ・ブランディシュカ
第6章 揺りかご

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第9話 エリオの最期



 ギルドの皆が、悪い人達をしばりあげてくれた。


 私達も子供達も洞穴から出ていく。


 帰ったら、この人たちを引き渡して、巻き込まれた事件についての事情聴取を受けなくてはいけないけど。


 ちょっと疲れちゃったな。


 夜ずっと起きてたから眠いや。


 だけど、先の事を考えるのはまだ早かった。

 洞穴から出る時、何かが飛んできた。


 私はそれに反応できなくて、いつだってみんなに助けられなくちゃ生きてはいなかった。


「シノン、危ないっ!」


 エリオが駆け寄って、その時私を突き飛ばした。


 ぱっと血が飛び散る。


 私はそれを呆然と見ている事しかできなかった。


「え」


 エリオの胸に矢が刺さっていた。


「エリオ!」


 私はエリオにかけよる。


「エリオ、死んじゃやだ!」


 血が流れ出してきて、エリオの服は真っ赤になっていた。


「死なないで!」


 他の人たちが「伏兵」だとか「他の仲間」とか言ってたけど、頭に入ってこない。


 エリオはこんな所で死んで良い人じゃない。

 私みたいなのをかばって死んで良いはずない。


「だいじょうぶ。泣かないで」


 エリオは私の頭を撫でて、微笑みかけてくれる。


 けれど、その手から力が抜けた。


 エリオが死んでしまったのだ。


 エリオは、私のせいで死んでしまったのだ。







 失ったものは二度と戻らない。


 形が同じでも、それはまったく同じではない。


 死んだ人間は生き返らない。


 彼はその事実を、飲み込むことができなかった。


 そして、その現実を受け入れる事ができなかったから。


 軌跡の箱を開けて、その世界を実験場にしたのだ。


 悠久の時を生きる彼は、孤独が嫌いだった。


 一人では生きられないほど弱かった。


 そして、その果ての一つがここだ。


 彼女達は、弱い彼の、毒を持ったへびの犠牲者。


 彼が手放すまで、彼女達に平穏など訪れはしない。



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