第2話 無知なままでは
ダロット通り
魔法の上達。
幸運に恵まれる。
綺麗な宝石。
それらのものが一度に手に入ったなら、どんなに良いだろう。
きっと幸せになれるに違いない。
でも、さすがにそこまで便利アイテムとして話が広まってしまうと逆に不信感が募ってくる。
親切すぎる人間を見ると、裏があるのではないかと思ってしまう様な、そんな感じだ。
だから「そこのお嬢ちゃん、揺りかごはいらんかね? 良いものを揃えているよ」ーーなんて、町中を歩いている時に言われても、「別にいらないもん」揺らいだりしないのだ。
何だろう。こっちを見て、怪しげな老婆がにやりと笑っている。
心の底を見透かすような嫌な笑みだ。
私は視線を外して、足早にその人の前を通り過ぎた。
興味のない素振りを徹底。
どうせこういった人は、話題の種に適当に口にしているだけで、実際は目にも当てられない偽物を売りつけるつもりなんだ。
いいカモだと思われるのは癪だな。
無知なままでいて、みんなに迷惑をかけたくない。
だから、私はギルドハルジオンの一員として立派な皆と同じように、堂々と、泰然としていなくてはいけないんだ。
悪徳商法なんかに、ひっかかるわけにはいかない。
なんて思っていたら知り合いのおばさんが通りかかって。
飴ちゃんを差し出してきた。
「おやおや、シノンちゃんじゃないかい? いまひとり? うちでお茶でもしていかないかい? 美味しいお菓子も出すよ」
「お菓子! やった! じゃなくて、大丈夫ギルドでご飯たべなきゃだから。ごめんなさい!」
ひっかかるわけにはいかないのだ。
「そうかい残念だねぇ」
大丈夫。今のはノーカウント。




