こんにちは魔王様3
魔王サイドです。
「人間の国王ってのは、、、バカなのか?」
魔王城の執務室で、魔王であるシバ・ロイは頭を抑えながら呟いた。
彼の横に控えていた宰相のロデリック・エレビアは苦笑を浮かべつつ言った。
「ですが、友好関係を築く良いチャンスですよ。まぁ、嫁に公爵令嬢をくれるというのだからもらってしまえばいいじゃないですか。」
そんな言葉にシバは唸り声をあげた。
たしかに、前々から人間の国から友好関係を築く為の婚姻の打診はあった。
だがしかし。
だが、しかし、だ。
「いきなり、そっちに送るからよろしくはないだろう、、、」
書状的には長たらしく友好関係を築くうんぬんかんぬんと書かれているが、要約すると『そっちに公爵令嬢をやったのでよろしく』ということだ。
「ですが、人間と争うのも面倒ですし、魔王様の結婚だけですむのであれば儲けものですよ。人間はがめついですからねー。」
「たしかに、、な。だが、その公爵令嬢は気の毒だな。いったい人間の国ではどんないちゃもんをつけられたんだか。普通には公爵令嬢を魔族の嫁などにはだせないだろう。」
「こちらの調べでは、嘘八百を並べ立てられ、罰としてって言う事になっているらしいですよ。人間も愚かですね。こっちの国にそんな理由がバレないとでも思っているのか、はたまたバレてもいいと思っているのか。」
「まぁ、あっちにしてみれば、生贄やるから仲良くしましょうってことなのだろうよ。」
そういうと、ロデリックは嫌悪するかのように顔を歪めた。
「まぁ、そんな顔をするな。こちらとしてもいい話ではある。」
「ですね。だからこそ、魔王様にはぜひ、よろしくお願いします。」
「?、、どういう意味だ?」
「生贄なんで、酷いではないですか。だからこそ、魔王様にはしっかりとご令嬢を愛していただきたく思います。」
シバは絶句した。
「あ、、、愛すのか?」
「もちろんでございます。そして、早めの世継ぎ様をよろしくお願いします。」
「!、、、、世継ぎ、、、」
「愛が先でございますよ。」
「もっ!、、もちろんだ!」
魔族は人間は知りませんがロマンティックで愛情深い生き物でございます。愛のない結婚など言語道断。
さぁ、魔王様!
はりきって愛を囁いて差し上げてくださいね。
やっと魔王様がだせました。
魔王様は愛すことができますかね。
楽しみです。