組織、動く
「創造主の器」
誰が造り、誰の為に造られたのか。
存在理由が一切分かっていない、別名…「神機」
手に入れた者は、既存の概念や理を逸脱した、驚異的な力を身に宿す。
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どこか所在は分からない暗い空間。
分かるのは、中央に六角形の大きなテーブルと、それに向かって座る6人の人影のみ。
「それでは、全員が揃ったことだし、本日の会議を始めよう」
一人がそう言って立ち上がった。
同時に、暗かった部屋に明かりが灯った。
立ち上がったのは男である。
黒いローブを身にまとい、白地に青いラインが走った仮面をつけており、その素顔までは分からない。
明かりが灯ったことで分かったことだが、その場の全員が、
立っている男と同じような、しかしそれぞれに若干テイストやデザインの違う仮面を装着している。
「ついに、長年我々組織が捜し求めていた、究極の「神機」が発見された!」
立っている男は、高々と力強く宣言した。
テーブルに向かうほかの5人や、その部下であろう付き添いの人々もざわつく。
「ネイビーよ、それは本当なのか?」
座っている者の一人が言った。
声色から女性であり、真ん中で白と赤に塗り分けられた仮面をつけている。
「本当だよ、ルージュ。
これまでの調査で、確実にこの「降神島」に究極の「神機」があるという事は分かっていたが、発見には至っていなかった。
だが、昨日の晩、この島最後の「守巫女」が息を引き取ったことで、不可視の封印が解除され、「神機」を発見することが叶ったのだ!」
「ああ、あの偏屈ばあさん、死んじゃったんだ?」
濃い紫のラインが所々走る、ペスト医師のような独特な形状をした仮面をつけた者が、嘲笑混じりに言った。
体格や声色から十代半ばの少年のようだ。
「老人には敬意を払うべきだぞ、コクシよ」
ペスト医師の仮面…コクシの対面に座っている男が、語気を強めて言った。
体格はがっしりしているが、声色は年配のように低く、若干しわがれており、緑のラインが走る左目しか意匠のない、無骨な四角い仮面をつけている。
「はいはい、ビロウドもジジイだったね、こいつぁどうもすみませんでした~」
コクシは一切謝罪の意がこもっていない言葉を、へらへらと笑い混じりに言った。
その態度に四角い仮面の屈強な老人…ビロウドが何か言おうとしたが、それは別の者にさえぎられた。
「コクシ、少し静かにしてくれないか?」
それだけの言葉だったが、軽く殺気さえも感じさせる言葉に、コクシは一瞬たじろぎ「ふんっ!」と言ってそっぽを向いた。
銀のラインが走る真っ黒な仮面をつけたその男は、話を続けるよう、立っている男…ネイビーを見た。
「ありがとうレイヴン。
皆の者、本題はここからなのだ。
「守巫女」は死に、「神機」は発見できたが、その肝心の「神機」自体には未だに封印の力は働いており、使用はおろか、入手さえできていないのだ。
いや…厳密には入手できていると言ってもいい状況ではある」
「どういう意味だ?」
ビロウドが首をかしげる。
「うむ。
「神機」本体には強力な封印結界が施されており、そのものは移動できなくなっている。
故に、その周囲を囲み、我々組織の者以外立ち入れないようにしているんだ」
「と言うことは、当面はその封印の解除が課題…ね」
黒い仮面の男…レイヴンの隣に座る女性がつぶやいた。
白地に金で模様が描かれた、左目じりに羽のような装飾が施された仮面をつけている。
「ヤマブキの言う通りだ。
課題は未だ残り、我々の目的までの道のりは長い…だが!
この「神機」発見は組織にとって大きな一歩だ!」
ネイビーの力強い一言を受け、座っていたほかの者は皆立ち上がり、斉唱した。
「「「全ての神に断罪を!!」」」




