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プロローグ
観測される前の粒子みたいに、僕の存在なんて、どこにも確定していなかったんだ
君の存在を知るまでは
僕が君と出会ったのは、本駒込の古い一軒家で、スパイス香るカレーを食べたあの日だった
そして、あの東大の実験室で、君の脳波に現れたあの『乱れ』の本当の意味に気づくのは、ずっと後
――街に桜が咲き誇り、冷たい春風にその花びらが儚く舞う、あの夜を迎える直前のことだった
――アスファルトに残る夏の熱も、深まる秋の静けさも
すべては、あのとき君が僕を『観測』してくれた奇跡の続きだったんだ




