7.家族との愛と自由への帰還。ハイブリッドライフは続く
エドワードとの二人目の妊娠が判明した。
エドワードはかつてないほど真剣な眼差しで私を見つめてきた。
「アンナ……。どうかこの期間だけでも、私のそばにいてほしい。君と新しい命を、一時も離れず守り抜きたいんだ」
普段は私の自主性を尊重する彼が見せた、切実なまでの独占欲。その強い腕に抱きしめられ、彼がどれほど私を大切に想っているかが伝わってきた。
私は少しだけ考え、微笑んで頷いた。
「わかったわ、エドワード。この子が生まれて落ち着くまでは、あなたの用意したこの邸で過ごしましょう」
それは、束縛というよりは、彼からの深い愛に身を委ねる、気まぐれで贅沢な休息だった。
妊娠中の穏やかな時間と、逞しい騎士の腕公爵邸での生活は、エドワードの手厚い庇護のもとで進んでいった。特にお腹が大きくなるにつれ、私は彼の騎士としての強靭な肉体に、不思議な安らぎを感じるようになっていた。午後の日差しが差し込むサロンで、エドワードが私のお腹にそっと手を添える。
「今日も元気に動いているね。アンナ、無理はしていないかい?」
心配そうに覗き込む彼の、シャツの上からでもわかる厚い胸板や、重い剣を振るうために鍛え上げられた逞しい腕。その力強さが、今は私と子供を守る盾のように感じられ、私は愛おしさを込めて彼の腕に手を重ねた。
「ええ、あなたの筋肉がこうしてそばにあるだけで、とても安心できるわ」
彼は少し照れたように笑い、優しく私を抱き寄せ、額に柔らかな口づけを落とした。
しっとりと更ける夜、二人の語らい静まり返った夜の寝室。キャンドルの灯りが揺れる中、私たちは寄り添って過ごした。エドワードの手は、壊れ物を扱うかのように優しく私の背中をさすり、いたわってくれた。
「アンナ、君に出会えたことは私の人生で最大の幸運だ」
彼の低い声が心地よく響く。私たちは、新しく生まれてくる子の未来や、これまでの思い出について、夜が更けるまで語り合った。
触れ合う肌の熱、互いの鼓動を感じる距離。
情熱的でありながらも、どこまでも深く、細やかな慈愛に満ちた夜。言葉にしなくても伝わる互いへの信頼が、濃密な空気となって部屋を包み込んでいった。
そして月日は流れ、次男も無事に二歳を迎えた。
公爵邸の素晴らしい環境の中で、子供たちは健やかに成長している。
でもそんな折私の中の「自由への渇望」が再び目を覚ましました。
「エドワード、約束の時間よ。私は私のアトリエに戻るわ」
ある朝、私は動きやすいスウェットに着替え、愛車に乗り込んだ。エドワードは寂しそうに、けれど私の意志を尊重して見送ってくれた。
「君の選ぶ道を、私はいつでも応援している。……けれど、週末は必ず家族で過ごすと約束してくれ」
「ええ、もちろんよ。愛しているわ、エドワード」
アトリエに帰り、油絵の具の匂いに包まれると、心からリラックスできるのを感じる。スマホをチェックすれば、エドワードからの愛のメッセージの他に、ゲーム仲間である隣国のアルベルトからの着信も。
「お帰り、アンナ。君がいない間、冒険が進まなくて困っていたんだ」
「ふふ、お待たせ。さあ、私の自由な時間を始めましょう!」
二人の子供を最高の環境で慈しみ、公爵からの情熱的な愛を一身に受けながら、一人のクリエイターとしての自由も手放さない。40代、私はこれからもこのハイブリッドな人生を、自分らしく謳歌していきます!




