表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/44

15-1:lightning Soldier Girls Part1


《臆病者の逃亡》


 彼女はいつも逃げてきた。

 彼女を捨てた両親から、

 彼女を嫌う友達から、

 彼女が嫌う世界から。

 彼女が逃げずにいたのは、花の前でだけだ。


 花は好き。

 何も言わず、いつもそこにいてくれるから。

 例え目をつむり彼女が暗闇の中にいても、その優しい香りでここにいると彼

女に教えてくれるから。


 でも、この暗闇の中では、花の香りはしない。

 するのはちょっとだけ辛そうな潮の香りと、そして吐き気を催すほどの血の

香りだけだ。

 逃げたい。

 彼女は願う。

 何処か花のある何処かへ逃げ出したい。

 この傷ついた心を花で癒して欲しい。

 誰かが優しく頭を撫でてくれた。


「あなたは何故戦ってきたのですか?」


 そして、生き物を平等に包み込む夜のように優しく尋ねてきた。

 でも、儚き心を持つ彼女はその問いに答えない。

 ただ、静かにこの世界から逃げ出す。

 自分が作り出す、自分だけの世界へ。

 そこでは彼女が神。

 すべてが彼女の思うように進み行く彼女の世界。

 でも、彼女しかいない世界。


「人は皆、戦います。それは時に他人には理解されない理由かもしれない。で

も、その人にとっては戦うに足る理由なのです。あなたは何故、戦ってきたの

ですか、儚き一輪?」


 優しい声に混じって、音が聞こえた。

 誰かのうめき声と、何かが滴り落ちる音と、そして確かに砂を踏みしめる音

が聞こえた。


 ああ、もう私は独りでいたいの。

 どうしてだか、思い出せないけど、もう一人が良いの。

 だから、みんな、静かに私を眠らせて。


 優しい声の主に、そしてうめき声の主に、儚き一輪は心の中で訴える。

 けっして、言葉にはしない。

 言葉を出せば、それは、自分とこの世界との繋がりを認めることになるのだ

から。


「どしてかなぁ? ぁたし、ただぁ、ティア・ブレスの研究がしたかっただけ

なのにぃ。どうしてぇ、みんなはぁ、ぁたしの邪魔するかなぁ?」

「残念ながら、その質問は、今、あなたと初めて言葉を交わした私には、お答

え出来ない質問ですね。でも、恐らく、あなたは独りではなかったのでしょ

う」

「そおだよぉ。ぁたしにはぁ、反逆者のみんながいたのぉ」

「敵はいるけど、仲間もいる。なら、良いのではないでしょうか?

 後は、想いの元に戦うだけですよ。何かをやり通すには、他人に邪魔され、

そして他人を邪魔するしか道はないのですよ。

 違うのは、それを望んで行うか、無自覚で行うか、そして、理解されるか、

されないか、そのぐらいの違いしかないんですよ」


 みんな、うるさい。

 黙って。

 儚き一輪の主張はしかし、声にならず、他人には伝わらない。


「じゃあ、ぁたしの想いはぁ、ただ理解されなかったぁだけなのぉ?」

「ええ、あなた達は、その理解されなかった想いを秘めて戦い、そして、鳴恵

達に負けたのですわ」


 鳴恵………鳴恵って誰だっけ?

 なんだかもの凄く懐かし匂いがするこの名前を私は知っている。でも………

………。


 きゃああああああああああああああああああああああああああ。


 駄目、駄目、駄目。

 嫌、嫌、嫌。

 怖い、怖い、怖い。


 何、何この想い、鳴恵って誰?

 なんでその名前は、まるで薔薇のように、その香りで私を安心させ、そし

て、その刺で私の心を突き刺すの。


 儚き一輪の中で何かが揺れていた。

 それは友情、恐怖、そして、希望と絶望。

 無造作に生まれては消えていく感情の花壇に儚き一輪は今、立っていた。

 その左腕に残っている花のティア・ブレスが桜色の鼓動を繰り返している。

 その意味を彼女はまだ知らない。


「そだよねぇ。まさかぁ、あそこでぇ、あんなぁ、裏技使ってくるなんてぁ、

ぁたしの計算の中にも無かったよぉ。ああぁぁ、この事実、もっと前に知って

いたらぁ、もっとぉ、別の角度から、研究していたのにぃ、残念ん」


 何かが外れる音が聞こえ、そして砂浜に落ちた。


「おばさん。はいぃ、これぇ、あの鳴恵って子に返しておいて。もうぅ、ぁた

しにはぁ、いらないからぁ」

「あら、よろしいのですか? あなたは、死んでも研究対象を離さない方だと

勝手に思っていたのですか?」

「そおだよぉ、だからぁ、ぁたしはぁ、この身を使って最後の実験を行うの

ぉ。ごめぇんねぇ、おばさん、もし、余波でこの世界が壊れたら、許してね

ぇ」

「あなた、何を……………、っば、止めなさい!!」


 止めなくて、良いよ。

 私もどうしてだか、この世界を壊して欲しいって思ってるから。

 壊したら、全て無くなるんだよね。

 壊したら、未来も過去も全部が無くなる。

 私、それで良いから、ねえ、名前も知らない誰かさん、お願い。


 この世界を、壊して!!


 儚き一輪が、そう願った瞬間、彼女は世界の全てが闇に包まれたかのような

錯覚に落ちいった。

 いや、実際その感覚は間違えではなかったのだが。


___________________________________

《闇が暴走する砂浜》


「何と、愚かな事を………」


 かつて白衣を着て小夜子の前に現れたあの反逆者は、今、漆黒の衣を纏いそ

こに立っていた。

 その目にもはや生者としての輝きはなく、その体は死体のように青く、その

存在は闇以上に禍々しい。


「闇の、ティア・ブレスの欠片を飲み込むなんて………。闇のティア・ブレス

と一体化して、自身が闇のティア・ブレスの一部になるつもりだったとでも言

うの?」


 研究者ではなく、ましてやティア・ブレスの知識は他人の受け売り程度の小

夜子には、闇のティア・ブレスの欠片を飲み込んだドレイルの身に何か起きた

のかを、正確に判断する術はない。

 もっとも、この現状で、大切なのは考察ではなく、対策だ。


 闇のティア・ブレスを飲み込んだ瞬間、ドレイルの体から闇が解き放たれ

た。

 次の瞬間、そこに立っていた、ティア・ブレスの戦士達とは似ても似つかぬ

悪しき衣を纏った、闇だった。

 鳴恵と晴菜は遥か海の先でカザミスと戦っている。

 花のティア・ブレスを持つ美咲は今だ、小夜子の膝上から動く気配がない。

 雷のティア・ブレスならすぐそこに転がっているが、果たして小夜子に扱え

るかどうか?

 目の前には星を喰らい消滅させるほどの力を持っている闇の存在。

 対するは、何の力もない小夜子ただ一人。

 分が悪いなんて話じゃない、話にならない程の戦力差がここにはある。


 どうする?


 だが、そんな答えは最初から決まっている。

 力無き者には、力無き者なりにするべき事があるのだ。

 かつてドレイルだった闇の存在は、生まれいでたばかりの自分自身が上手く

認識出来ていないのだろう。

 両手を見つめたり、握りしめたりしている。


「美咲さん、逃げるのは自由です。あなたの逃避を止める権利は私にはない。

逃げたいのなら、逃げなさい。でも、私の最後ぐらいは見ていてくれると嬉し

いです。あの闇を前にして、私の形が残るのならですけど」


 そう言って、自分の膝の上から美咲の頭を外し、砂浜の上に彼女の頭を寝か

した。

 生まれいでた闇の存在はまだ小夜子や美咲の存在に気づいていない。

 だが、その力は確実に目覚めつつあるようだ。

 闇の存在の背後で、暗雲が蠢き渦巻き始める。


 さて、多分言葉は通じないだろう。

 なら、どうして時間を稼ごうか? 


 輝き一撃と気高き一滴がここに戻ってくるその時まで、一秒でも長く、この

世界を、明里が守り抜いたこの星を、終わらせないためにも、小夜子は闇の前

に立ちはだかる。


___________________________________

《懺悔の砂浜》


 世界は砂の味がした。

 もうすぐ、この世界は終わろうとしている。

 もうすぐ、闇の世界は包まれ、すべてを無に塗り替える。もうすぐ、消して

しまいたい程の過去の記憶が、本当に消える。

 そう思うと、この砂の味など彼女にとってどうでも良いことだった。

 だが、そんな彼女の願いの前に、優しく立ちはだかる小さな夜がいた。

 彼女は小さく、口を開き、優しき夜を引き留めた。


「行かないで……」


 それはこの逃げ出したい世界を無へと帰すために、この世界と繋がらなけれ

ばならない矛盾。

 例え僅かであっても、自分の意志で世界と再び繋がった彼女は、その腕で輝

く桜色の輝きにやっと気づいた。

 それはまだ、終わっていないことを彼女に教えている。

 だが、この世界を終わらせたい彼女は、その輝きを視界から認識していな

い。


「それは、どうしてですか、美咲さん」

「私は、こんな世界壊して欲しい。こんな嫌で辛い思い出しかない世界、リセ

ットして私はもう一度最初からやり直したい! だから、行かないで、このま

まあの闇にこの世界を壊させて!」


 無には何もない。

 希望もなければ、絶望もない。

 美咲が欲しいのはそんな世界だった。

 この胸を締め付ける痛みを伴わない痛みから逃げ出したくて、彼女は世界の

破滅を願う。


「無駄ですよ」


 静かに、優しい言葉が返ってきた。


「無駄じゃない!」


 返すのは、激情に満ちた、狂気の言葉。


「無駄ですよ。だって、私が止まった所で世界は止まらない。世界は常に動き

続けている物なのです。数えきれぬ数多の命が生き続けながらね」


 小夜子の足は止まらない。

 その先に立ち向かうのが、どんなに暗い闇であろうと、どんなに深い絶望で

あろうと、どんな意味のない無駄であろうと、その足は止まらない。


「止まって!!」


 既に止まってしまっている少女に小夜子を止める術があるはずもない。

 その雄叫びが波音に空しく吸い込まれ、消えていった。少女が願う世界の消

滅のように、誰にも気づかれず静かに消えて行った。


「止まりません。だって、この世界にいるのは、私たちだけじゃないですか

ら。私がいて、美咲さんがいて、そして鳴恵ちゃん、晴菜ちゃんがいる。

 みんな生きてます。

 みんなが生きているから、世界は常に動き続けているの。だから、絶対に世

界は止まったりなんかしません。

 私が止まって、美咲さんが止まろうとも、それでも、世界は動き続けます。

 結局は止まらぬ世界なら、せめて見苦しくても足掻いて、動かし続けましょ

う。少しでも、私たちの望む世界になるようにね」


 闇の存在が動いた。

 ただ、首を動かし、小夜子を視界に捕らえる。

 たったそれだけの行為というのに、その挙動のなんと恐ろしいことか。

 闇が見ているのは、小夜子であり、美咲はただその視界に入っているだけだ

というのに、儚き一輪は震え上がった。


「っひぃ」


 あんな存在に直視されてしまったら、それだけで死んでしまいそうな恐怖。

 声が引きつり、もはや、美咲は何も言えなかった。

 世界の破滅を願う、その歪んだ願望ですら突き通すことの出来ない彼女が、

世界を動かせるはずがない。

 道ばたに咲く花のように、何も出来ずにただ枯れるしか出来ないのではない

か?

 そんな絶望が美咲の心を覆い尽くす。

 だが、彼女はまだ気づいていない。


「助けて……助けて……助けて……」


 無自覚の内に口が言葉を紡いでいる。

 すでに恐怖で聴覚は失われていて、自分が助けを請うていることを気づいて

いない。

 忘れていた、忘れたかった、忘れるしかなかった記憶が蘇ってくる。


 犯した罪は消えない。

 その罪に心が押しつぶされそうになる。

 心が闇に覆われていく。

 光が闇に飲み込まれる。


 壊れたくないから、逃避を選んだはずなのに、今度は記憶の中にある僅かな

光に助けを請うている。

 大切な友を殺そうとした、それは消せない過ち。

 一人は嫌だった、それは止まらない願望。友を殺そうとした過去を消したか

った、だから、世界の破滅を願う。

 一人が嫌だから、それなら全てが無になれば一人じゃなくなる、だから世界

を無にして欲しい。

 でも、怖かった。


「助けて…助けて…助けて…助けて」


 闇が動く。

 世界を守るべく、闇の前に立ちはだかる小さな夜をけさんと前に出る。

 闇の存在が砂浜を踏みしめるたびに、彼女が踏みしめた分だけの砂浜が消え

る。

 消滅していた。

 まるで、彼女そのものがブラックホールであるかのように、世界を消してい

く。


 世界が、消える。

 美咲が、消える。

 そして、鳴恵も、消える。


「ティア・ドロップス コントラッケト」


 無意識の内に唱えていた誓約の言葉。


 砂浜に埋もれた桜色のティア・ブレスは、たちまち閃光を解き放ち、儚き少

女を戦士へと変える。

 美咲は自分が再び花のティア・ブレスの力を解き放ったことには気づいてい

ない。

 今だ、その手足には力が入らず、まるで死しているかのように桜色の衣に包

まれた体がだらしくなく砂浜で転がっている。


 心は逃避を諦めている。

 体も既に疲れ切って死を求めている。


 それなのに、美咲の中で何かが、生きたいと願っている。目の前にあるあの

闇から逃げ出したいと怯えている。


「助けて………鳴恵さん」


 美咲の心の中で光が強くなる。

 同時に罪の意識で心が潰されそうになる。

 微かな希望と重くのし掛かる絶望。

 絶望の重みに心が軋みを上げ、既にひび割れた心にさらなる亀裂が走る。


 逃げ出したい。


 その想いに変わりはない。

 誰かが手を引いて、この場所から連れ出してくれることを願い、

 誰かが自分の変わりにこの世界を消してくれることを願い、

 誰かがこの絶望を取り除いてくれることを願い、

 少女は動かない。


 ただただ壊れ行く、心と世界と明日を待ち続けて、全てを飲み込んでくれる

闇を見据える。


「鳴恵さん」


 それなのにどうしてなのだろう。

 ティア・フラワーは立ち上がった。


 現実を見据える恐怖、世界と繋がる恐怖、そしてまた同じ過ちを繰り返すか

もしれない恐怖に支配された頭は、世界を上手に認識できていない。


 ぼやけたビジョン。

 雑音だらけの聴覚。

 上手に力の入らない肢体。


 そんな不鮮明な世界が美咲の繋がった世界。

 小夜子と同じ場所に立っているのに、きっと彼女と美咲の感じている世界は

別物なのだろう。

 生まれたての子馬のような震える足取りで立ち上がったティア・フラワー

は、一歩を踏み出す。

 ぼやけた視界の中でも鮮明にその”黒”を見失う事はない。

 美咲の心の中にある闇と比べ引けをとらない”黒の闇”。

 だけど、美咲の心の中にある闇にある物がその”闇”には存在しない。


「鳴恵さん………」


 光がある故に闇が生まれ、闇がある故に光も有る。


「ごめんなさい……」


 光を知っているが故に、人はそれが闇であることを知る。


「ごめんなさい………」


 そして、闇を知っているが故に、人は光のすばらしさを知ることが出来る。


「ごめんなさい」



 美咲の心の闇にあって、”闇の存在”にない物。



 それは闇を作り出す光だ。



 美咲には鳴恵と共に過ごした日々がある。

 鳴恵が自分の親友だと自信を持って断言できる日々がある。

 親友だと胸を張って言える記憶がある。

 あの水代晴菜にだって面と向かって私は鳴恵さんの親友だと宣言できる想い

出がある。


 それこそが、美咲の光。


 その光を持っているが故に、美咲は世界の破滅を望む。

 親友を傷つけた記憶は鳴恵と過ごした日々を思い出せば思い出すほど、彼女

の心を蝕む。


 苦しい。

 逃げ出したい。

 全てを壊して、無くしてしまいたい。でも…………


 視界に映る”闇の存在”が動いた。

 ゆっくりと手を上げ、小さな闇が生まれた。

 だが、不鮮明な視界ではそれが何であるのか知る術はなく、また考える思考

能力もまだ美咲は持ち合わせていなかった。

 小さな闇がティア・フラワーに衝突し、美咲の体に激痛が走る。


「美咲さん!!」


 雑音だらけの聴覚が小夜子の声を鮮明に拾ったが、何も出来ない。

 またしても為す術無く砂浜へ儚く倒れ伏す。

 今度は砂の味と一緒に口内から拡がる血の味も一緒に感じられた。


 体が凄く痛い。

 泣き出しそうな程痛い。

 いや、既にその瞳に涙は溜まっていた。

 涙でさらにぼやけた視界が動かし世界を確認する。


 逃げ出したい。

 その思いは無くならない。

 きっとこれからも一生消えないだろう。

 美咲という人間は強くはない。

 弱い人間だ。

 時には本当に逃げ出す時もあるだろう。


 小さな、でも、夜のように優しい存在が美咲を守るように闇の前に立ちはだ

かった。

 その両手を大きく拡げ、戦う力を持たぬ彼女は力を持つ美咲の盾となった。


 逃げ出したい。

 その想いを握りつぶすかのようにティア・フラワーは砂浜を握りしめた。


 この世界を壊して欲しい。

 その想いは偽りではない。

 今でも心の半分はそうなる未来を願っている。


 全てが終わり、この罪、痛み、苦しみが無くなるなんて考えだけでどんなに

素晴らしいことなのだろう。

 この誘惑に流さぬようにティア・フラワーはふらつく足取りで再び立ち上が

った。


 逃げ出したい。

 壊して欲しい。

 でも、でも、あの”闇の存在”を見て思い出してしまったのだ。


 目の前の闇はまさにすべてを飲み込む闇であった。

 それに対して美咲の心を支配する闇は、光があるが故に生まれた闇。

 だから、その違いが鮮明に分かったのだろう。


 鳴恵と共に過ごしたあの学園生活があった。

 鳴恵と美咲がどうして親友になれたか思い出した。


 美咲の犯した罪は消えない。

 心に刻まれた傷は癒えない。

 壊した過去は戻らない。


 だけど、それでも、美咲の知る神野鳴恵と言う少女は、こんなに汚れた自分

を見てもきっとまだ親友だと言ってくれるだろう。


 ああ、なんて傲慢なのだろう。

 あれだけ鳴恵を傷つけておいて、よくもそんな思い上がりを持てるものだと

皆は笑うだろう。

 犯罪者として、いや人間として恥ずかしくないのと嘲られるだろう。


 だが、そんなのは、美咲の”光”を知らない世界の勝手な言い分だ。


「私は!!」


 握りしめていた手を、涙で濡れた瞳を、そして、閉ざしていた心を力任せに

こじ開ける。

 今はただ、心の中にある”光”だけを信じて………。


「鳴恵さんの親友よ!!」


 美咲が世界と完全に繋がった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ