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その果てに。


呆けた顔を男は、今一度その真意を確かめる為言葉を吐いた。


「本当か……」


「あぁ、事実だ。

 

 現に貴様の仲間もそこに幽閉されている」


「確かに、お前に言う通りリースは水属性の魔法に優れている。

 最も、それだけではないが」


「なぜこれほどまでに魔素を規制するのか。


 いや、正確にはなぜこれほどまでに魔素を管理するのか。


 それは奴隷の選別に他ならない。


 国の安寧。聞こえはいいがその真には明確な差別と奴属制度によって保たれている


 国家の資源はこれによって供給され、それを知らず蒙昧な国民は享受する。


 歪だと思わないか?


 狂っているとは思わないか?


 我はそれを壊したい。


 だからもう一度言う。


 我に手を貸せ。壊す為に」


男はそう言って右手を差し出した。


しかしながら禿頭の男はそれに応じなかった。


男の言っている事に疑う余地があったからではない。


おそらく、そのほとんどが事実であるのだろう。


だが、だからだ。


彼は知っている。


全てを壊した後の事を。


だから、今今一度、彼は問う。


「で……」


「…………?」


「御託はいいんだよ。

 

 全てを壊す。そんな事は今にでもできる。


 だが、だからなんだ?壊してなんだ?


 それになんの価値がある?


 搾取し、それを享受し、種として繁栄し、一握りが謳歌する。


 その裏で差別され、搾取され、絶望し、根絶えていく。


 あるいは搾取されている事すら気づかず、その一生を終える。


 人類としての営みという意味で言えば、これもまた真実だ。


 その上で問うている。


 で、どうする……と」


「あぁ、その答えなら持っている。




 我が──




 王となる」




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