キャラクター作成とステータス補正
約一週間ぶりです。遅くなってしまって申し訳ありません。平日は書ける時間が少ないですね。それはともかく、総合pt300と多くのブックマークありがとうございます。
カーテンの隙間から朝日が漏れる部屋の中、未来はベットの上で寝返りを打ち、かかっていた毛布を蹴り落とす。すると、ぶかぶかのTシャツに下着のみという彼女のあられもない姿が露わになってしまう。丈が長いので本来防御力があるはずのTシャツは、彼女が何度も寝返りを打っていたためか捲れ上がり、可愛いフリルとリボンの付いた下着を堂々さらけ出していた。
そんな未来の「すぅ~すぅ~」という可愛らしい寝息だけが聞こえる部屋に、突如「ピピピピ!」と軽快なアラームの音が響く、耳に付く機械音を煩わしく思い、彼女は音源であるスマホを手さぐりに探す。そして、枕元にあったスマホを手に取りアラームを止めるのであった。
手に取ったスマホの画面には“7:02”と表示されている。時間を確認した後、未来は寝惚け眼を擦りつつ身を起こす。口元に手を当てて「ふあ~」と大きなあくびを一つこぼし、ベットから出た。
カーテンを開けると、気持ちの良い日の光が部屋中に差し込んでくる。未来は朝日を浴びながら両手を高く上げて体を伸ばし、着ていたTシャツを脱いでランニングウェアに着替える。肩下まである髪を左側にまとめ上げてサイドテールを作り、カギとスマホ、無線式のイヤホンをポケットに入れて部屋から出た。
未来の部屋は二階にある。階段を下っていくとリビングの先にある台所から彼女の母が顔を出して「未来、おはよう。今からランニング?」と聞いてきた。未来は「うん、ちょっと行ってくる」と答えて玄関に向かうのであった。
走りながら頭の中で今日の予定を確認する。UMSの正式サービス開始時間は12時からだ。最初、未来は開始に合わせてログインしなくても良いと思っていた。しかし、今日は部活が休み、折角なので開始時間に合わせてログインすることにした。
両親は二人とも9時半には仕事に行ってしまう。夏休みはまだ始まったばかりで宿題はあるがまだ焦る必要がない、11時頃までには家での用事は終わる。そう見込んだ未来はお昼を少し早めに済ましてしまおうと考えた。
(あと、アビリティ構成も考えなきゃいけないのだけど………。まぁ、今はいいよね……)
未来にとって最大の懸念である決まり切っていないアビリティのことを思い出すが、どうせ今考えても決まらない事と彼女は頭の奥の方に押し込めて走ることに集中するのであった。
未来は一時間ほど走ってから家に帰り、汗を流すためにシャワーを浴びる。朝ご飯を食べている時、母から今日は帰るのが遅くなると伝えられたのだが、急に伝えられた未来の耳には全く入っておらず「…え、あ…うん」と曖昧な返事を返す。
朝食を終えて一息ついてから皿などを片づける、それが終わったころには両親が仕事に出て行っていた。未来が掃除に洗濯と家事をこなした後、宿題をしているうちに11時を過ぎる。時間に気付いた未来はあわてて昼食を用意するのだった。
お昼を食べ終わると自室に戻り、ベット横に設置したVR機器の本体の電源をつける。スマホで時間を確認すると時計の表示が12:00となっていた。
急いで、ゴーグル型の接続デバイスを頭につけ、腕には心拍数などを計測するバンドをつける。
その状態でベットの上に仰向けで寝転がり、未来は目を閉じて「コネクト」とつぶやいた。
下へ、下へと落ちるような浮遊感を感じる。落ちているという実感はあるのだが、現実世界では感じられるはずの風や音、速度といったものは一切なく、ただ落ちているという感覚だけがあった。
一瞬にも、数分にも感じられた浮遊感はなくなり、硬い床の上に立っているのがわかる。寝転がっていたのに今は立っているという感覚に戸惑いつつも未来は瞑っていた眼を開けた。
目を開けた未来は周囲が黒い空間に立っていた、周囲が黒いはずなのに暗くはなくむしろ明るく感じられる。足元は半透明で円状の足場がある。周囲には意味があるのかわからない数字が緑色に発光しつつ下から上へ流れているのが見える。
(なんか…まさに電脳世界って感じの空間だな……、マト〇ックスだっけ?ああいう世界そのものだ)
未来が昔見たSF映画を思い出していると目の前に半透明の薄い板状の物体が浮遊していることに気づく。
そのパネルのようなものはA3用紙ほどの大きさがあり、それには《ようこそ、Under Mirrors Storiaへ!》と表示されていた。
「なにこれ…浮いてる、触れる……よ…ね?」
目の前の不思議な光景は未来の好奇心が刺激され手を伸ばす、触れてみるとガラス板のような固い感触が伝わってきた。
「本当に触れるんだ!本当にSF映画みたい!」
宙に浮いたパネルにふれることが出来て感心しているとパネルに変化が起きる。
表示にはログインという文字が確認でき、よく見るとアカウントとパスワードを入力する枠があることがわかる。最初「…あかうんと?」と首をひねる未来であったが、すぐに事前に登録していたUMSのアカウントだと気付き入力しようとした。
アカウントという表示の横にある枠に触れてみると新しいパネルが手元に出てきた。「うわっ!」と声を上げて驚いてしまい、未来は誰もいないのに羞恥にのまれ顔を赤くする。
気を取り直して手元のパネルを見ると、キーボードになっていることが分かった。“A”のところに触れてみると入力欄の方に“a”と表示されている。
「おぉー、これで打てるんだー!なんかハイテク―!!」
手元のパネルで入力できることを確かめた未来は意気揚々と入力し始める。アカウントのところには“Mirai”とローマ字で打ち、パスワードを入力する。そしたら、また画面が変わった。
いくつかの項目があるその画面は表示されている単語からキャラクター作成画面だと窺える。
早速作成に入った未来はまずキャラクター名の欄をタップする。すると、先ほどと同じように手元にパネルが出現した。いつもだったら本名のまま入力していた未来だが、雪華が事前に「本名のままは危険」と忠告していたこともあって“アリス”と打ち込み決定する。
(名字からとったけど、ファンタジー世界だしいいかも)
意外としっくり来たのか満足そうに未来はうなずいた。
次に未来は容姿の設定に入る。見た目欄をタップするとまた新しいパネルが出現する、今度は手元ではなく元々あったパネルの前に同じ大きさで出現した。それと同時にパネルを挟んだ先に人影が出現する、何事かと顔を上げてみると未来の目の前に自分と全く同じ容姿の人が立っていた。
147㎝と16歳としては小柄な体に、程よく育った胸は身長に対して大きく感じる、目鼻立ちも整っており、少しつり目気味の目はきつくも感じるが全体的に幼さがある顔は実にかわいらしい。そんな少女がインナーのみの姿で立っていたのだ。
「ぅえッ!!…わ、私?…だよね。……鏡では見えないところまで見れる。ってか、薄着過ぎないッ!!体のラインとか丸見えだよ~…。」
自分と瓜二つのアバターを前に驚く未来であったが、その再現率の高さに感心してアバターの周囲を一周する。だが、まじまじと見ているうちにアバターの格好が段々と恥ずかしくなり顔を真っ赤にして手で覆って固まった。
少しして気を落ち着かせた未来は頭をふるいパネルの方に目を向ける。設定の続きをしようとした未来であったがパネルに表示された項目の多さに唖然とする。体の各部位毎に位置や大きさ、形、色などを変えられるように設計された画面はどこをいじっていいのか未来には判断できず項垂れた。
「うへ~、また出来ること多いよ……とりあえず、髪と目の色だけ変えよう…」
そういいながら未来は顔の項目から髪の色の欄を探す、上へ下へと何度もスクロールをしながら探しようやく見つけた髪の色の欄をタップする。するとまた新たなパネルが出現した。
手のひらサイズ程度のそれには、赤寄りの暗い茶色で塗りつぶされた正方形とその下に三本の調節バーが表示されている。
とりあえず、上から操作してみると色味、鮮やかさ、明るさの順で操作できると分かった。
使い方を理解した未来は自分のアバターを見ながら様々な色を試してみる。
「…鮮やかさを上げ過ぎると浮いちゃうな~……うーん…アリスって名前にしたし、………これでいいや」
赤や青、ピンクなどといった普段は絶対にできない髪の色を試してみたがピンとこない、そこでふと未来は自分のキャラクター名を“アリス”したことを思い出す。ならばと、未来は髪の色を少し黄色味がかった白へと調節して決定した。
髪の色を決めた後は順調で、髪を胸のあたりまで伸ばし、目を碧眼にする、肌の色を少し白寄りに調節して完成だ。
できたアバターに満足した未来は次の項目に移る。次はゲームをやるうえで最も重要な能力の欄だ。能力の文字をタップすると、同じように新たなパネルが出る、種族選択、アビリティ選択そして特化補正の調節の三つの項目があるパネルだ。
「と…っか、補正?……なにそれ…??」
(ナニコレ…こんなのあるなんて聞いてないよ、……まさか新要素?こんないきなり?……うん、後回しにしよう!場合によってはふれない!)
今まで全く聞かなかった単語に困惑する未来だったが、雪華との会話で新要素の追加があることを思い出し、見なかったことにして先に元々決めていた項目に着手する。
種族選択で人間を選択してアビリティ選択の欄を開く、鍛冶や採掘、刀適正など決めていたもので半分を埋めた。残りはどうしようかと悩んだ未来は二つほど使えそうなものを選んで、ある項目があることに気づく。それはランダムという項目だ。説明を読むと現在実装されているアビリティの中からその人の適正にあったものをランダムに決めると書いてあった。
「適正にあったものを選んでくれるなら残りはこれでいいや」
そんな軽い気持ちで未来は残りのアビリティにランダムを選択した。アビリティ選択を終えた未来は、特化補正の欄は開かずにキャラクター作成を完了しようとした。だが、できずに警告文が出てきた。特化補正が割り振り終わっていませんという一文だ。それを見た未来は溜息を吐く、触れたくなかったものに触れなきゃいけないからだ。
「えー、あれやらないといけないの…面倒くさそうだな~」
しぶしぶといった感じで特化補正の項目を開く、そこでは各ステータスの数値とパーセントが表示されていた。各パーセントは調節できるようで現在は全ステータスが100%になっていた。また、最初から多く用意されており残りの欄に20%と表示されていた。
「この20%が原因か……さっさと割り振るのもいいけどちょっといじってみよう」
終れなかった原因を突き止めた未来は適当に割り振って終わらせずに少しいじってみることにした。まず、残っていた20%をSTRに割り振る、するとSTRの数値があがった。今度は逆にVITを最小の50%まで落とすとVITの数値も半分くらいになる。
「確か、えすてぃあーる?が力でびっと?が防御だったよね…。じゃあ今は力が少し上がって防御が半分になったてことだよ……ね?」
いじりながら雪華がしてくれたステータスについて思い出し、それをもとに設定していく。
「生産で重要なのは器用値だったよね、…とりあえずこれを最大値に…と。……あとは走り回りたいし速さも最大まで上げたいなー、防御下げちゃったし体力あっても当たったらやれちゃうよね!じゃあ、体力も下げちゃって速さ上げよう、それに………」
と次々と直感と自分の好みで未来は補正値を決めていく、気付いたときには紙装甲で器用・速度値の高い上級者向けのキャラが出来上がっていた。そんなことになっているとはちりほども思っていない未来は、すべての設定を今度こそ終えたと思い完了ボタンを押した。
現在わかるステータス
有栖川 未来:16歳:高校1年:147㎝
キャラクター名:アリス
種族:人間:
特化補正
HP:50%, MP:?%, STR:120%, DEX:150%, VIT:50%, AGI:150%, INT:?%, MND:?%, LUK:?%
アビリティ
刀適正、鍛冶、採掘、?、?、?、?、?、?、?、?、?、?、?、?
称号:?
今回VR世界に入れるはずでしたがどうしてもキャラメイクの描写が細かくなってしまいました。次回こそはVR世界です
2019/11/17(10:45) 全体的に修正を入れました
2019/12/28(6:25) 表現等の加筆修正しました




