大衆がしばしば思考停止に陥る原因
あらかじめ言及しておくが、ぼくは「自分が大衆でない」とは思っていない。そういう思考も場合によって取りうると思っている。例えばお酒を飲んでたりすれば。
さて。
大衆がしばしば思考停止することの原因を考えていて、「二元論で処理できないものを二者択一の思考で捌こうとしてダブルバインドの状態に陥っているのではないか?」という仮説を立ててみた。
まず前提。
このエッセイでは、ダブルバインドを「二者択一の選択肢と、現実には多様な選択肢が存在する状況」との間で生じる矛盾として捉える。
では、本題。
そもそも論として、ぼくは「二元が総和だ」と思うことが良くないのだと思っている。
「公正世界仮説」や「他責思考」なんかも、二元を総和と見なすことに起因している。
つまり、二元を総和だと思う人が、現実的に二元が総和でない場面に直面したとき、ダブルバインドが起こって認知的負荷が高まり、しばしば思考が硬直し「その物事についてそれ以上考えられないため」、二者択一にこだわる。
大衆に二元論を採る人が多いのは、ダブルバインドによる思考停止現象が原因の一つなんじゃないか?
公正世界仮説を採る人は無意識下で「二元を総和だと思ってる」んじゃないのかな?
「勝ち組」と「負け組」、「弱者」と「強者」みたいに二元で考える人は、現実的に中間の状態を目にしても「ダブルバインドが起こって認知的負荷が増加すること」から、結局二元論に固執する。
例えば、性別は男と女しかない(この合計が総和である)と思っている人が、実際に両性具有の人の存在があることを知ったとしても、考え方を変えない。
その背景には、ダブルバインドと認知的負荷増加による思考停止がある可能性が高い。
観察していると、周囲にこの手の思考停止が極めて頻繁に起こっているようにみえるのだ。
今回はそんなお話。




