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境界知能の本当の問題

 境界知能の問題という、現在、知的障害のように支援を受けていない人たちの問題がある。その問題を提言している精神科医によると、境界知能の人たちは、買い物のときなどに値段や税の計算が困難であり、また、ケーキを三等分することができなかったりするらしい。


 そして、その計算の不自由さが就職の困難を与え、非行の原因になることもあるという。


 もちろん「計算が不自由なこと、それ自体の困難はあるのだろうが、特にそれが問題になるとも思えない。電卓を使ったり、分度器を使ったりすれば解決するじゃないか」というのが精神科医の提言に対する一般的な答えだと思う。


 真の問題は、境界知能の当事者たちが、「計算が困難でケーキを三等分することができないようなことが問題であることを知らない」こと、さらにいうと、「計算が困難でケーキを三等分することができないようなことが問題であることを認識したときでも、解決策に思い至れない」ことにある。


 何が言いたいかというと、「数の計算が困難でケーキを三等分することができないことが問題だ」との情報は、境界知能者自らでなく高知能者の精神科医からもたらされている、ということだ。


 本人たちは、精神科にかかって はじめて何が問題だったのかに気づく。しかし、気づいたあとも本人たち自身には改善のしようがないのだ。


 つまり、精神科医が介在しているために真の困難が見えにくくなっているのである。


 境界知能の真の問題は、課題発見能力と問題解決能力の不足に関わるものだ。


 今回はそんな話。


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― 新着の感想 ―
問題とは、誰か(当人など)が問題だと訴える事によって問題として認識される、という考え方もあるので、なんですかね。。 食事をしたお店で、お金の計算ができないレジ係にお釣りの金額を教えた事があるのですが…
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