損失回避バイアスはどこからくるか?
損失回避バイアスというものが知られている。
『損失回避バイアス』とは、「多くの人にとって『利得の喜び』と『損失の悲しみ』を比べると、後者のほうが大きく感じる」というものだ。
損失回避バイアスはどこからくるのか?
最初に結論を書くと損失回避バイアスは大衆のボリューム層が、何事についても「できたりできなかったりする」ことからきていると考えられる。
ボリューム層の行いの成功確率が常に高いなら、大衆はよりリスクを取る行い(利得の喜び)を尊重するはず、ということである。
つまり、大衆はできないことを避けたい、できないときのリスクを下げたいという思考パターンを持っているので、そこにフィットする主張が好まれる。
ここで、脳科学的な話をすると、人間の基本的なものの判断基準は「損得美醜」であるそうだ。
しかも大衆には損失回避バイアスが働くので、「得を取る・美を取るよりも、損を避ける・醜を避ける」ほうが大衆により訴求する。
同じ理由によって、公正世界仮説もポジティブよりもアンチネガティブのほうが効くのだ。
つまり、「ぼくらは外国によって損をさせられている、保護主義だ」、という主張は極めて大衆に効く、ということだ。




