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画竜点睛(画像あり)

 今回は前回に引き続き、最近いじっている画像生成AIに関しまして、「画像生成AIは、エンドユーザーと絵師さんとの間の橋渡しをスムーズにするかもしれない」というお話。


 まず、この絵をご覧ください。


 ドラゴンに騎士が立ち向かってますね。


 右下に作者名みたいのが入ってるのが気になります?


 気になって然るべきだと思いますけれど、実のところは、「こういうクオリティーの絵柄にはサインが入ってるものだ」とAIが学習しているということの現れで、誰かのサインというわけではありません。


 この絵、「赤龍に挑む」は、完全にAIが作成したもので著作権はありません。


 使いたい人がいたら好きに使っていただいて大丈夫です。


 挿絵(By みてみん)


 さて、この絵のテーマは、『絶望的な状況に挑む騎士の勇気』です。


 生成するときにどんなシーンを脳内に思い浮かべていたかというと、「火に染まる草原で教会騎士団長が単身赤龍に挑んでいる。傷だらけの騎士団員たちが固唾をのんで戦況を見守っている」というシーン。


 拙作、いたもんの「ifストーリー」で、ヒロインのお父さん(教会騎士団長)が赤龍に挑んだらどうなるか? というシーンです。


 これを画像生成AIで出力したかったのです。


 最初に取り掛かったのは、ドラゴンの造形です。


 ドラゴンは空想の産物に過ぎず、イメージは十人十色ですので『ドラゴン』を『ドラゴン』と表現するとガチャになります。


 龍のイメージって、例えば東洋と西洋で違いますしね。


 つまり、『火に染まる草原で教会騎士団長が単身赤龍に挑んでいる。』と直接プロンプトに打ち込むのは、かなりNG。


 計算量が跳ねあがってしまいクオリティーが下がって出力が不安定になります。


 ぼくがやった指示はこうです。


「火に包まれた草原にティラノサウルスが一体。そのティラノサウルスの体表は赤い鱗で覆われている。背には巨大なコウモリの翼」


 ティラノサウルスやコウモリは、ドラゴンと比べて世界共通の具体的なイメージがありますから、そういった共通イメージを使って指示の具体度を高めることで計算量を下げられるということです。


「草原にティラノサウルスがいる」も「火に包まれた草原」も状況にさしたる矛盾はありませんから、こういう場合は精緻な画像が出てきます。


 みてみんの方にあげている最初の赤龍のプロンプトはこんな感じだったと思います。


 これをベースに背景を丁寧に指示して、画に立体感を出してみたのが、みてみんのほうの二枚目の赤龍。


 赤龍を立体的にしたことで、ぼくは赤龍のイメージがぼくの脳内のイメージとずれていることに気づきました。


 龍っていうより、恐竜だなぁ、と。


 そりゃそうです。だって恐竜ベースのイメージなんですもの。


 もっと頭は小さくしたい。もっと体は太くしたい。


 そんなのを織り込んで、教会騎士団長との戦闘シーンに仕立てたのがこの絵です。


 ところが残念なことに、この絵にはいちばん重要なものが欠けている。


 なにかというと、それは『戦況を見守る傷だらけの騎士団員たち』です。


「騎士団員達の絶望があって、初めてこの絵は意味を持つというのに」です。


 つまり、この絵は『目のかけた龍』なのです。


 マシンスペックだのぼくのスキルだの色々と足りないものがあって、ぼくはこの画の龍に目を入れてあげることが出来ない。


 だけれども、この絵を使って絵師さんに『発注』することは可能なんですよね。


「生成AIで作った絵なのでトレースは可。右下に、傷だらけの騎士たちが固唾をのんで祈るように戦況を見守る姿を入れてほしい」みたいな。


 そういうことは可能なんです。


 これ、絵師さんに、「火に染まる草原で教会騎士団長が単身赤龍に挑んでいる。傷だらけの騎士団員たちが固唾をのんで戦況を見守っている」シーンを書いてくださいと依頼するより、理想に近い仕上がりになる可能性は高いですよ?


 より、脳内のイメージに近い絵ができることでしょう。


 自分でかける人なら、この絵をトレースして自分の絵柄で理想のものへと仕立てられると思います。


 最初から自分で書くよりも遥かに少ない労力で。


 最後までAIだけで脳内イメージに近づけていくことも不可能ではないんですが、『追加された傷だらけの騎士団員たちの絶望する表情』を周辺の絵柄と同じクオリティー(具体度)で生成するには、それなりのスキルと時間やお金の投資がいる。


 ぼくの環境だとひたすらに時間がかかった挙げ句、メモリー不足でエラーになる可能性が非常に高い。


 そんなこんなで、一ヶ月ちょっと画像生成AIを触ってみて思ったのは、「画像生成AIはエンドユーザーと絵師さんとの橋渡しになるんじゃないかな?」ということです。


 使う人が使えば、生成AIはみんなにとってウインウインの関係が築けるんじゃないでしょうか?


 そんなふうに思いました。


 今回はそんなお話。

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― 新着の感想 ―
[良い点] めちゃくちゃかっこいいです! 正直使いたいです! でも残念…建物さえなければっ!
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