毎日お風呂に入ると「うつ病」を予防できると判明!(判明してない)
最近エクセズで話題になっていたんだけどさ。
浴槽の入浴頻度と高齢者のうつ病発症との関連性を調べた前向きコホートの研究があってね。
今後に期待できるなぁと思って、ぼくは『いいね&リポスト』をした。
それとは別口で、『「うつ病」を予防できると判明!』みたいな煽りタイトルが、同じ論文を紹介する別のポストで付いているのを見て、ちょっとイラッとしたんだ。
前向きコホートって『疫学的相関』の話だからさ。
今後、追加で検証が行われて、その後でおそらく因果がはっきりするだろう、ってことでね。
まだ、『「うつ病」を予防できると判明』したわけじゃないんだ。
大事なことなんで、もう一回言うよ。
判明はしていない。
これを、とあるVtuberが『典型的な因果関係が逆な例です』って突っ込んでた。
そんで、それにね。
大衆がのっかって騒いどった。
どういうことかって言うと、つまりは、『鬱だったら入浴できないだろ』ってこと。
一見、一理ありそうに見えるだろ?
違うんだよ。
この研究、そもそも因果関係を判定してるわけじゃないんだ。
『疫学的相関』が出たって話なの。
因果の方向の議論は、今のところ意味ないじゃん?
それを、『衆愚に叩かれてかわいそう!』って賢い人が、衆愚たたき棒を持って大衆相手に腰振っとった。
事実、今後追加研究によって因果関係が証明されるかもしれないよ?
でも、あくまで今は相関じゃん。
相関を根拠に、反対の因果を主張する人を叩くかね?
どんな理屈で?
実のところ、Vtuber側の気持ちも、賢い人側の気持ちもわかるんだ。
多分どっちの人たちも、『「うつ病」を予防できる可能性が示唆されており、今後の研究が期待されます』みたいな感じで結んでくれてたら、『予防できたら良いねー』と共感して終わりさ。
だけど、この論文で、因果が証明されたかのように結論してるのが良くない。
というかね。
あるあるなんだけど、引用元を読んでみたら実は論文の結論はまともだったんだ。
叩くべきは、相関の論文を因果の向きまで決めつけてポストしているアホでね。
大衆を『衆愚』と叩くのはやりすぎだろ、って。
今回はそんなお話。




