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アバターと無差別犯罪

 ぼくらは、社会や他人と接するとき間にアバター(ペルソナ)をたて、それを介して社会や他人と接しています。


 アバターは『自認や客観的な周囲の認識とズレていたりズレていなかったり』します。


 みなさんも経験がありますでしょ?


 車の通らない道を普段ウェーイって赤信号でも横切っちゃう人が、「子供が見てる前で、車が全然通っていないとはいえ赤信号を渡っちゃうのは『大人として』良くないな」とためらったりさ。


 中間管理職なら中間管理職として、バイトリーダーならバイトリーダーとして、親なら親として、その時々で異なれどぼくらはアバターを介して社会や他人と接点を持っています。


 ネットでも同じ。


 例えば、ぼくの場合、言うなれば名ばかり中間管理職コミュ障アバターです。


 このアバターですが、『自認』や『客観的評価』とアバターがだいぶズレていることがあります。


 ぼくは自称コミュ障キャラだけど、本音を言えばコミュ障って表現はなんかしっくりこない気がしてます。


『共感欲しさに演じているがゆえにズレている』とかさ、あるいは『本人がそう思い込んでいるがゆえにズレている』だとか、『子供の頃に虐待を受けた』とか、『いじめの被害者である』とか、『孤立していて比較対象が周りになかった』とか、そういう評価軸が狂う経験があると往々にしてアバターと自認や客観的評価がズレます。


 いじめや虐待された経験のある人が、素直に自分を出したらネット上でもいじめられるからと、みんなに好かれるアバターを演じたとしてその動機を責められるでしょうか? ぼくは無理。


 さておき、アバターと客観的評価とのズレは本人がキャラ変しない限り補正できません。


『氷河期Fラン社会学修士アバター』も『数学研究者書籍化作家アバター』も『人生オワタ、ブサイクスレの主アバター』も『ぼくはおとこだーアバター』も。


 そういう人達に、例えば、ブサイクスレの主に『ブサイクだってモテる方法はあるさ』と言っても本人には何も響きません。


 重要なのは、『孤立を避ける』ため社会との接点をアバターを使って得ている、ということでね。


 アバターの設定は孤立さえ避けられれば、すげーどうでもいいんです。


 ところで、社会との接点が極端に少ない人は『アバターを消させる』ような行動に対して、強い敵意をもちます。


 社会との接点がなくなって、孤立するのが怖いのです。


 なりすまし、とかね。


 こういうのに対し彼らは一線を越えがちです。


 そういう場面をみたら、止めてあげてください。


 孤立って、死よりもずっと怖いんですよ。


 不特定多数の人が、唯一の社会の接点になっているアバターを取りあげるような行動を取ったとき、無差別犯罪はそうやって起こります。


 今回はそんなお話。

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― 新着の感想 ―
[一言]  無差別犯罪を犯す人、ううーん。いわゆる無敵の人とか、そういう人物像ですかね。社会の中に居場所が無いというか、居場所を作れない人というか。どこに行っても邪険にされる、人から好かれる「顔」を持…
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