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『嫌なら読むな』の論理学

『否定的な感想はありか? なしか?』とか、事前ブロックの是非とか、そういった話題にて、しばしば『嫌なら読むな!』みたいな文言を目にします。


 ちょっと違和感ありません?


 普通に考えれば、因果が逆で論理が破綻してますでしょ?


『作品を読んだ結果として、この作品についてだけどこういう理由で嫌だった』と感想を述べているわけでさ。


 すでに読んでしまったものを、読まない状態にはできないじゃない?


 じゃあ、『嫌なら読むな!』と宣う発話者の頭の中ではどんな思考が展開されているのか?


 おそらく、『この作品(A)』と『作者』と『その作者の別の作品(Aダッシュ)』、これらの間に等価関係(=)が成り立ってるんじゃないかなぁ? と。


 すなわち、『嫌なら作者をブロック or ミュートすればいいじゃん! そうすれば等価な別の作品(Aダッシュ)を読まなくて済むよ! 別に君に読んでもらわなくてもいいんだからねッ!!』


 こんな思考が展開されてる。


『嫌なら読むな!』発言と合わせて、『ブロックすればいい』といっている主張は見たことがある。


『A』はすでに読んだあとだけど、作者を介して、等価な『Aダッシュ』は読むことを避けられる、みたいな理屈だ。


 等価だから、論理的には『逆』の因果が成立しちゃってる()()()()()()ってわけ。


『見せかけの相関』に因んで『見せかけの因果』とでもいいましょうか。


 このエッセイの少し前の『ラテラル思考』で書いたような、等価を使った論理のすり替えが起こっているんだけどさ。


 発話者本人は無自覚だから、どうにもなんないんだよね。


 Aダッシュはさ。


 ホントのところは、読んでみるまで『嫌かどうかわからない』じゃん?


 理解してもらえるかなぁ。


 そもそも、作者と作品を切り分けられる人って驚くほど少ないんですよね。


 信じたいワードを好き勝手に拾ってさ。


 あの作者、こんなこと言ってるけど本音ではこうなんだー、みたいに勝手に補完しちゃうの。


 おちおち、一人称の群像劇も書けないってばよ。


 さらにさ。


 作品を否定すると、作者が否定されたと思って激怒する人とかいますよね。


 そうして、帰属意識の強いクラスタ民からファンネルが飛んでくることもある。


 違うんだよ。


 作者様のことは尊敬しているし、大体の作品は好きなお気に入り作家さんなんだけど『この作品は嫌だな』と、思うことは普通にあるんだ。


 今回はそんなお話。

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