悪意の増幅装置
前話を念頭に置いて、仮にクラスタを第1次元、地域社会を第2次元、世界を第3次元としたとき、それぞれの次元で通用するモノサシはそれぞれ意味合いが異なって当然なのだけど、より上の次元のモノサシへのすり替えをテコにして異物の排除に使う人達がいます。
いわゆる『共感性の高い人達』(小さい次元に最適化された人達)ですね。
いじめは、クラスタから排除されるときに起きるのですが、そこで上の次元のモノサシへのすり替えが行われ『悪意が増幅』されると、不幸な人(自○者)を生みかねないのです。
ネット上の過剰な叩きって、こういう構図なんですよ。
『嫌な気持ちの共感』をより上の次元の話とすり替える。
なぜ、そんなことをするのか?
それは、そのほうが多くの人から共感をもらえて、本人の溜飲が下がるからです。
くだらないけれど、この視点は大事でね。
ところがこれをやると、制裁が過剰になりがちであり、やられた方は耐えられなくなります。
排除される側からは、敵のスケールが本来あるべき大きさよりも大きく見えるのです。
仮に全世界があなたの敵のように見えたなら、耐えられなくなる人が出るのは想像つきますでしょ?
そうやって、自○者がでます。
この『悪意の増幅装置』の背後には、強烈に渦巻く暗い感情がありますから、大衆は感情の奔流に当てられて、日頃の鬱憤晴らしのノリで過剰な叩きに参加してしまう。
ぼくが度々こういう話を書くのは、こういう理不尽な叩きを一つでもなくしたいからです。
すり替えを行う人が悪い、って言ってるわけじゃないんですよ?
その人には、ぼくは同情します。
むしろ、仕組みに気付かないといけないのは大衆で、大衆にこそ気付いてほしいのです。
届くべき人に届いて、一人でも不幸な人が減りますように。
そんなことを願いつつ、今回はこんなお話。




