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感情的と論理的(感情を持つAIは生まれるか?)

 最近、論理と感情に関するエッセイを読んだんだけどね。


 ぼくは、『感情』と『論理』がしばしば二元論の『極』と『極』に置かれることに違和感を感じています。


 この2つ、対極に置くようなものじゃなくね? って。


 というのは、ぼくは、『記憶の想起』≒『感情の想起』だと思っていて、記憶の想起で感情が生じるか否かは『大脳辺縁系の活動電位の閾値』如何によるというふうに考えているためです。


 ここで言う活動電位の閾値っていうのは、脳科学の用語です。


 興味のある方はググってみてね。


 で、論理的な判断って、もしかしたら大脳辺縁系の活動電位の閾値に影響を及ぼすんじゃないかなぁって。


 そんなふうに考えています。


 つまり何が言いたいかといいますと、『論理的判断が、感情を生じさせるか否かを決定づけることがあるんじゃないか?』ってことです。


 そういう前提において、密接に関連する感情と論理を、極と極におくのはおかしいと、そう思うわけですね。


 お酒を飲みながら考えた与太話なので、強く主張するつもりはないんですけどね。


 ちなみに、大脳辺縁系の活動電位の閾値が低い状態にあれば、論理的判断は不要で記憶から即座に感情が生じます。


 頭痛のときにちょっとした嫌味を言われてカッとなったとか、皆さん経験ありませんか?


 冷静に考えれば、いつもは怒るようなことじゃないのに、って。


 これが、ぼくがこのエッセイで、記憶≒感情だと考える理由です。


『精神的な病気によって、常に悪いことを考えちゃう』とかは、大脳辺縁系の活動電位の閾値が下がってるんじゃないか、と。


 そういうお話。


 ぼくは、ネガティブワードだとかポジティブワードだとかと一般に言われるように、もともと単語ごとにあるいはセンテンスごとに記憶と関連付けられている感情が常に人毎に存在してると思ってます。


 もともと記憶と感情の間には神経的な経路パスがある、という風に考えているわけです。


 そして、大脳辺縁系の活動電位の閾値によって、記憶を想起したときに感情が生じたり生じなかったりする。


 病気によって閾値が下がったり、薬によって閾値が上がったりする、と。


 一つ例をあげてみましょう。


 誰かがぼくの花瓶を割った。


 本当にみなさんが花瓶をもっているか否かは、この際置いておきましょう。


 この段階で、ぼくは、ほんの僅かにイヤな印象を受けます。


 たとえ、存在しない花瓶でもです。


 論理的に、花瓶の値段とか、割った人との関係とかそういう記憶を参照すると、怒りの感情が湧いたり湧かなかったりする。


『なかよしで、花瓶の水を時々変えてくれるAちゃんが誤ってぼくの花瓶を割った』だったら、ほんの僅かにイヤな印象はあるけれども、怒りの感情は湧かない。


『いつも嫌がらせしてくるいじめっ子のBちゃんがわざとぼくの花瓶を割った』だったら、すげー怒るかもしれない。


 誰を想起するか、記憶の参照によって感情が湧いたり湧かなかったりする。


 一応の説明は付きますでしょ?


 みなさんはどんなふうにお考えでしょうか?


 考えを進めて、『意識』や『夢』や『感情』が、体調や一緒に思い出す記憶如何によって頻繁に閾値が変動する不確かかつ脆弱な記憶媒体(脳)の産物であるとするならば、ハードディスクなどの確かな記憶媒体からは生じないというふうにも言えるかもしれません。


 いまさら記憶媒体を脆弱にする意味はありませんから、すごく残念だけれど感情を持つAIは生まれてこないとぼくは思います。


 今回はそんなお話。

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― 新着の感想 ―
[一言] 記憶と感情の結びつき、興味深く読ませていただきました。 そういえば以前、テレビで前方性健忘の人を取材した番組を観たのですが、その人は 「感情が伴う記憶は覚えていられる」 と言っていましたね。…
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