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じゃんけんとゴミ捨て(多元論実践編!)

 学校で、掃除が終わった後に『誰がゴミ捨てに行くか?』をじゃんけんで決めていたとしましょう。


 そのじゃんけんに、高頻度で負けるA君って子がいたんですね。


 直近の2回はA君が連続で負けている。


 実はA君は花の世話をする係で、毎日掃除の前に花瓶の水の交換をやっていたんです。


 つまり、冬場は手が()()()()()()()んですね。


 複雑なチョキが出しづらかったんですよ。


 で、A君はというと高頻度で負けるものだから、じゃんけんで負けたときの不満は相当なもので、前回はかなりぐずったために、みんなが帰る時間が数十分遅くなっちゃった、と。


 そんな状況だったとします。


『ぼくは、A君を置いて先に帰ります』って?


 でも、特に理由もなく一人だけゴミ捨てが終わる前に帰ると、『空気読めない人』みたいになるじゃないですか?


 それは、ちょっと困っちゃうよね。


 そうして、A君が3連続で負けたとしましょう。


 定時で帰れずに『塾に遅れて親に叱られる』と不満を言う友だちをなだめたり、不正だのなんだのと大騒ぎした挙げ句、『示し合わせていじめをしてるんだ』と宣うA君と誰かが喧嘩になったりするのを見たりするの、嫌じゃないですか?


 ぼくは嫌です。


 だから、こういうときは『今日のゴミ捨てだけど、じゃんけん抜きでぼくがいくから、明日のじゃんけん免除にしてくれない?』みたいな交渉をしてました。


 例ですよ。例。


 なんでそんなことをするかっていうと、 こんなふうに考えてるからです。


・『友達を含むみんなが今日は定時で帰れる』


・A君は、A君じゃない人がゴミ捨てに行くのを挟むから、例えば、『明日ゴミ捨て当番になっても不満は軽減されている』


・ぼくはというと、大義名分があるから、『明日は堂々と定時よりも早く帰れる』


 全員得してますでしょ?


 ゴミ捨てなんて、大した手間じゃないしね。


 ぼくは昔から、こんな感じの立ち回りをしてます。


 多元論的な考え方ってやつですね。


 でも、周りからは理解されないんだよね。


『あいつなんで、急にゴミ捨て当番を変わるなんて言い出したんだろ? 変なやつ』って思われちゃうw


 利他でも利己でもなく、みんなが得する方法を考えてるっていうのにね。


 そもそも、大多数の人にとって、『現在において必要のないことをする』ってことは視野の外になってるんですよね。


 みんな損得で動いてるんだーとか、聞きますでしょ?


 みんな二元論前提で動いてると思ってんの。


 ところがぼくはそういう考え方で動いてない。


 だから、周りはぼくが何を考えてるかがわからない。


 変わり者だと思われちゃう。


 完璧主義か否か、とかもそう。


 ぼくは実際、全然完璧主義じゃないんだけれど、現在しか見えてない人には、未来に起きる穴を事前に塞ぐと『完璧主義』に見えるらしい。


 完璧なんて、心底無理だと思ってるんだけどね。


 人は誰しも、『他人が見た自分』と、『自分が思う自分』の間に、めっちゃ大きな差があるものだ。


 でも、説明するのってめんどいじゃない?


 だから、コミュ障になるんだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 〉でも、説明するのってめんどいじゃない?  分かり味〜(笑) [一言]  幼い時分には「誠意を以って萬言を尽くさば必ずや理解を得られる。得られぬは己が誠意と言葉の足らざる故也」と本気で思…
[一言] 案外、人って個人とかコミュニティの常識範囲でしか、ものを考えられないですからね…… ……そういうことであってます?(不安) >でも、説明するのってめんどいじゃない? 諭吉さんとは違うかもし…
[良い点] これはいい話ですね! 不毛な争いを回避し、なおかつ無駄もなく! こんなの好きです!
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