創作に活かす読書理論その1・世界観&主人公編
前に書いた読者離脱の逆三角形(こーいうの→▽)を思い出していただくとして。
一番最初の逆三角形の底辺部分はマーケティングの話になると書いた。
次に広い部分に該当するのは、まだ離脱者が少ない部分。1~3ページめのお話だ。
ここでなにを表現をするか?
大抵は世界観の説明と主人公の置かれた状況、目的などの説明が来るんじゃないかな?
この部分について、ぼくは経験則でこんな仮説を立てた。
・世界観と主人公の置かれた状況に摩擦があり、その状況に抗うことを目的とする作品は離脱率が低いんじゃないか?
例えば『暴虐な独裁者に虐げられる国民を煽るレジスタンスの若者のお話』とか、あるいは『同期の書生さんたちが国の発展を夢見て海外留学している時に、結核でふせっていて運命の無常を呪う天才主人公のお話』とか、それとも『魔女に呪いをかけられて悪役を強要されるご令嬢ヒロインが困難の末呪いを解き王子様と添い遂げる話』とかなんでもいいけどさ。
どーです? ちょっと読んでみたくないですか?
逆に、あれだよね。
結核でふせって余命宣告されいて、運命の無常を呪う天才の書生さんが、『もう命のあるうちには見られないだらう』と思っていた庭先の水仙の花が咲いたのを見て『あゝ、無情な世にも幾ばくかの情はあつたのだ』とかやってるときに、塀の向こうで幼馴染の菜々子ちゃんが、巨人に丸かじりにされそうになっていたとしたらどーよ?
ブラバでしょ? 即ブラバ!
誰だよ? 逆に見たいって言ってるのは。
コメディになっちゃうじゃんか。
ふせってないで、獲物を屠るイエーガーさんを連れてこいって話だよね。
余談だけどぼくの与太話で出てくる幼馴染の菜々子ちゃんは実在しない。
『おさななじみ』とななが重なるので音韻を整えているだけなのだ。
一度謝っておきたい。
全世界の菜々子さんごめんなさいm(_ _)m
閑話休題。
この仮説の検証は、そうなっている作品の1~3ページめの離脱率と、そうなっていない作品の離脱率を比較すればすむのだけれど、なにせ『なろう』は作品数が膨大だからね。
統計を有効に効かせるだけの標本数を抽出するのだって容易ではないのだ。
気が向いた時にちょっとずつやってみるかなぁ。
本気で書籍化を目指すなら、是非にやるべきなのだけれどね。




