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赤ん坊の足が顔面にクリーンヒットしたのと同時に目を覚ます。
当の本人はまだ気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。
このくらいの年齢の赤ん坊は夜泣きをするのだと主婦たちから脅されていたのに、一度も目を覚まさなかった。
職業柄、物音には敏感なたちなので、夜泣きに気が付かなかったということはないと思う。
きっと夜泣きがない赤ん坊というのもいるのだろう。
そう思うことにして、カノンがいつ起きてきても良いように朝ごはんを作り始める。
そのうち目が覚めたカノンが這いずって顔を出す。
あまり動き回られると気が散るので、急ごしらえした椅子に座らせる。
一人では出られない作りにしているので、座らせると少し不服そうにする。
「……っと、そうだった」
座らせる前におしめを確認しなければならない。
先日確認せずに座らせようとしたところ、大抗議されたのだ。
初めは意味が分からずにいたが、カノンの様子を見て、どうやらおしめを変えろという意味らしいと結論づけた。
おしめを見てみると、その結論は正解で、そのまま座らせるとカノンのお尻は悲惨なことになっていたことだろう。
そんなわけで、椅子に座らせる前にはおしめの確認をするという決まりを作ったのだった。
おしめを確認し、思い出して良かったと思いながら手早く変えてやる。
最初の頃は苦戦したものの、今ではもう慣れたものだ。
おしめを変えてスッキリしたのか、カノンの顔もどことなく明るくなったように感じる。
「ブフッ」
思わず吹き出すと、不思議そうにこちらを見るカノンと目が合った。
キョトンとこちらを見る様子がまたおかしくて、肩が震える。
「だー」
ずっと寝転がっているのに飽きたのか、仰向けのまま動き始める。
しばらく見ていたが、放置していると机の足に頭をぶつけそうだったので、抱き上げて椅子に座らせる。
座らせられたカノンは、やっぱり今日も不服そうだった。




