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集まる者達

 守護神五名、彼らはまるでそこに存在しないかのように大人しくしていた。

 表門に集まった者達五十名。

 彼らはバトリア国に侵略された者達だった。

 レジスタンスだと言っているらしい。


 その内訳は吸収併合された、ソイルの眷属元素(エレメント)の三か国。

 そして侵略された隣国だったプランツの主元素(エレメント)と眷属の四か国。

 そして半分に分割されたアクアの主元素(エレメント)と眷属の四か国。


 そう、アクアの主元素(エレメント)は元の王女つまり俺の国『セグリエ』だった、その領土の半分は分割されバトリア国に占領されているのだった。


「王女様に申し上げます。

 私は王女様がお隠れの間に元セグリエの第三騎士団団長を拝命しておりましたグライスラーと申します。

 この守護神と呼ばれる者たちは侵略された国の師団長クラスの者達をバトリア国の王の覇気により無理やり配下とされた者達十二名の内の五名です。彼らに罪はございません。お願いです彼らを解放してください、今は王女様のご慈悲におすがりするしかないのです。彼らは我々の光なのです」


 話が始まったばかりだが、守護神の中から話を割って来る者がいた。

 その者は大きな声で俺を呼んだ。


「王女様」


「どうかしたのか」


「申し訳ありません、王女様に申し上げたく、私は操られていたとはいえ仲間を殺め、そして国の民に剣を向けてしまいました。その罪は万死に値するでしょう。このまま我々に死をお与えください」


「お前は俺が助けた命を要らないと言うのか?」


「そうではありません、私の罪は生きていてはいけないほど深いのです。

 ではこうしましょう、バトリア国討伐隊に我々を任命ください命を懸けて奴らに報復し少しでも贖罪を致しましょう」


「同じじゃないか、お前は俺が助けた命を要らないと言っている」


「それほどの罪であるなら、アッサリ死んではダメだろう。

 そうだ死ぬことは許されない、お前は罪を忘れることなく生き恥を晒すという贖罪を与えられるべきだろう」


「本当に良いのでしょうか。私が生きながらえることは許されないことでは無いのでしょうか?

 だが、一生牢に繋がれるというのであれば、それを受けましょう」


 何の話をしているんだろう?

 可笑しくなって来たので笑ってしまう。


「はははは、『でしょうか?』って?、お前が生きることか?、そんなことはお前に分からないのに、俺に判断できるわけが無いだろう

 それと新生『セグリエ』を再興するのだ、一生牢に繋ぐなど、新生国にそんな余裕は無いよ」


「ではお前達の罪に対する罰を決めよう」


 罪と聞いて、居ても立っても居られないのだろう、話を挟んできた

「恐れながら王女様、私達レジスタンスに将軍として彼等守護神をお返しください、我々が彼らを贖罪させることをお約束いたします」


「お前達も馬鹿だな、何が贖罪になるか分かるのか?」


「しかし、我々には将軍が必要なのです、お願いでございます王女様将軍をお返しください」


 本当に必死に懇願してきた、熱い奴らだ。


「俺が助けたのだ、俺のものだ、誰にもやらん、欲しければ俺の国に来い」


「えぇっ?、新しく出来る国にですか?」


「そうだ、そうしたらお前達の上司に、この守護神とか言っている奴らを付けてやる」


 そこに居た五十名は話始めた。


「分かりました、我々レジスタンス『クルー』は王女様の国へ移住致します。」


 とりあえず有力な戦士五十名の採用が決まったな。


 男はそこに居た五十名中の三十名ほどを伝令として指名し始めた。

「バトリア国に居る『クルー』の同志へ連絡し、直ぐに新生『セグリエ』へ移住準備を開始するように伝令しろ」


「あれ?ここに居るだけじゃないの?」


「はい、バトリア国の元の国の地域別に独立のために戦っております、元の十一か国の9万人が参加しております、なお家族を連れて移住する者を考えますと四十五万人ほどが新生『セグリエ』へ移住するモノと思われます」


「はい……」

 口が開いたままになった。


「そんなにバトリア国から脱出できるの?」


「方法は秘密でございます、お耳を拝借してもよろしいでしょうか?」


「王女様は何か有ると困りますので、ここに居てください、私が聞いて来ます」

 ガルミナが聞きに行った。


 別の男の口がガルミナの耳に近付いてヒソヒソ話を始めた。


 その光景を見ていると、なんかモヤモヤするモノが沸き上がって来る。


 その後ガルミナから小声で伝えられた内容からすると空間魔法を使る数名が大規模な魔法陣で大規模転移するらしい。

 と言うことは場所を準備しておかなければならないな。


 転移人数の規模と最大転移数に合わせ場所を準備するように秘密裏に伝えた。 


 話が途中だったので話を続けた。


「お前達の罪と罰だが……」


「王女様、恐れながら、上司とは何の冗談でございましょうか?

 私たちは罪人です、彼らの上司となることは出来ません」


「冗談ではないよ。だからお前達の罪と罰を決めると言っているだろう?」


 そう言うと、その後に話す内容をそばに居る者に大きな板に書かせていく。


「罪は俺には分からない、聞いている話ではお前達の意思でないから無罪だ、お前達が自分を許せないというのは認めない」


「罰は簡単だ、平和になった世界に生きて、お前達の子孫が平和な世界でお前達を誇りに思えるように生きていくこと」


 全員が変な顔をする?


「それだけだ。

 お前達が許されたかどうかを判断するのはお前達の子孫だ。

 だから彼らに認められるように頑張って生きるんだ。

 それとまだ結婚していないなら結婚して家族を持つように、そして家族を持って簡単に死ぬのは重い罪だからな」


 板に書き終わると、罰の内容は全員に見えるように掲示した。


「ここに居る全員が証人だ、お前達の力は分かっているそれなりの待遇を準備しよう」


「だが我々はバースレイなどに遅れを取った者です、平の軍人で十分でございます」


「王女である俺の決定だ、お前達は迎えに来た五十名の気持ちに報いるように最善を尽くせ」


 結局兵力は増強出来そうだっ……というか俺には制御できなそうだ。


 とりあえず、ガルミナに新生『セグリエ』の軍事組織を組ませることにした。

 もちろん彼の下には、帰還要望してきていた元の軍事顧問や宰相が付くことになっていた。


 さて問題は守護神は十二名と聞いた、よって後七人も救出すべきだろうな……


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