Episode:75
「君はケーキ、よく食べさせてもらうのかい?」
「よくって言うか、えっと、でもけっこう……?」
なんかこの2人、案外気が合ってっかもしんない。てかルーフェイアにしちゃ珍しく、上手く会話が続いてる。
「仲がいいんだね、シルファと」
「あ、はい、たぶん」
嬉しそうに答えたルーフェイアが、付け加えた。
「でも、いちばん仲がいいの……タシュア先輩ですけど」
「そ、そうなのか?」
ルーフェイア、思いっきり地雷踏んでる。
「はい。よく放課後、一緒に居ますし……あと、ケンディクとか、一緒に行くの見ますし」
「行くのか……」
どう見てもルーフェイア、追い討ちかけちまってるし。
「あ、たまに部屋も、遊びに行ってるみたいで」
「……」
だからご丁寧にトドメ刺すなと。
クーノ先輩のほうは、可哀想なくらい落ち込んじまってる。しかもルーフェイアが天然だから、なんか言い返すこともできねぇわけで。
「あの、先輩?」
自分がやらかしたことにゃまったく気づかねぇで、ルーフェイアが心配そうに先輩を覗き込んだ。
「具合、悪いんですか?」
「あ、いやいや、なんでもない。ちょっと疲れたかな」
慌てて言い訳する先輩が、すげぇ気の毒だ。
「すみません……こんな時間に治療、頼んだりして……」
だから「疲れた」の意味、それと違うっての。けどそんなの分かんねぇのが、ルーフェイアなわけで。
「それは気にしなくていい。患者を治療するのが医者だし、治療は待ったなしだからね」
その言葉に天然のルーフェイア、感心したみたいに頷いた。
「そうですよね……先輩、すごいです」
「あーいや、それほどでも。医者の道選んだのは、自分だしね」
褒められて先輩、まんざらでもなさそうだ。
けどそこで、ルーフェイアがまた地雷踏んだ。
「えっと、学院帰ったらシルファ先輩に、伝えることありますか?」
先輩がお酢でも飲み込んだみたいな顔になる。
「――先輩?」
先輩がホントに可哀想になってくる。
こんな天然なルーフェイアに、それとなくどう思ってるか伝えるような伝言、頼めるわけねぇ。なのに当人は親切心で、一生懸命訊いてるわけで。ある意味最悪に近いパターンだ。
◇あとがき◇
新作を読んでくださって、ありがとうございます♪
【夜8時過ぎ】の更新です、たぶん。でもかなり大雑把にしか決めてません。頑張らないと(汗)




