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相談役

 その日の夜、フィンとアルバロの事で私はルロスに相談してみる事に。



「私はララノア様のような羨ましい経験はないので、そのような相談をされても困るのですが」


 うわ、ルロスがなんだか怖いです。



「そ、そうなのね、ゴメンね」


 私が謝った事でルロスが訂正してきて、そして最終的に決めるのは私だって言ってくる。

 それはもちろんわかっていたつもりなんだけど、気持ちを聞いた後に選ばないといけないのが、こんなにツラい事だと思わなかった。



「逢引なんかしなければ良かった。 ですか?」


 ルロスが見透かしたように聞いてくる。



「私の前世では結婚をする前に同棲したりする人もいます。 長いと数年も。 そして合わないのがわかるとそこで終わる事もあるんです」


 同棲っていうのがよくわからなかったけど、話の前後から一緒に暮らす事なんだろうなって事はわかった。

 だけどそこまでして結ばれないのってわからないなぁ。



「なんでそんなに慎重なの?」


「よく考えてみてください。 ララノア様はもう間もなく15歳で成人を迎えますが、まだたったの15年です。 それよりももっと長い時間、結婚したその相手と過ごす事になるんです」


 そっか、そういう事ね。 でも……



「なんだかルロスって随分と詳しいのね」


 前世の世界で色々見てきているんだって。 それで心配している事の方は、元々恋人ではないのだから、そこまで気にする必要はないし、あとは今の関係が壊れないように私が考えて上手く接すれば良いんだそう。


 ……簡単に言うけど難しいよ、それって。



「最初こそ多少ギクシャクするかもしれませんが、すぐに元どおりになれますよ」


 だって。



 それでもって良い機会だから、ルロスの前世の事を聞いてみる事に。



「私の前世、ですか? 別に普通に仕事をしながら暮らしていただけです。 これといって話せるような事は特にありません」


 うーん、ルロスって身の上話をあまりしないのよね。 サハラに聞いた限りだと、ドラウの社会は生半可なものではないらしくて、ドラウに転生して精神が崩壊しなかったルロスの事を凄いなって驚いていた。



「じゃあさ、アルバロの場合は車というものに乗っている時に事故を起こして、目が覚めたら赤ん坊だったらしいんだけど、ルロスはどうだったの?」


 これなら具体的な内容を聞けるはずって思ったんだけど、後で聞かなきゃ良かったって後悔した。



「それはつまり私の前世での最後という事ですね」


「うん」


 表情一つ変えずにルロスは淡々と、でも一気に吐き出すように、



「知らない場所に連れ去られ、拷問を数日かけて行われ、最後に生きたまま埋められました」


 …………絶句。

 それって死ぬよね? そっか、転生だから生まれ変わってるんだもんね。




「………………ルロスって悪い人だったの?」


「いえ、ただ人を捜索していただけです」


「国の兵士とか冒険者だったの?」


「どちらでもないです。 探偵というのをしていました」


 どうやらお金を貰って他人の秘密を密かに調査する仕事だったみたい。 それって冒険者とは違うのかな?

 それで、たまたま調査依頼を受けた仕事が、実はとんでもなく危険なものだったらしくて、気がついたときは遅かったんだって。


 拷問内容も詳しく話そうとしてきたから、そこはしっかりお断りしておく事に。


 

 前世でのルロスのあまりに壮絶な最後に言葉も出なくなっちゃう。



「これで分かっていただけましたか? 私が何も話さないのは、聞かせる方に不愉快な思いをさせてしまうからです」


「……うん、ゴメンね、ルロス」



 でもなんとなくルロスがドラウの社会で生き抜けたのがわかった気がする。



 ルロスは仕事柄、守秘義務って言うのがあって、他人に職業も仕事内容も教えられないんだって。 働き出して2年もする頃には、必要以上の会話も感情も出さないようになってたらしくて、友人知人からも昔と違ってミステリアスになったとか、クールになったって言われたらしいわ。



「そうだわ! ルロス、私が女王になった暁には、正式に私の相談役になって私を補佐して欲しいの」


「私が、ですか?」


 ウンウンって頷きながら答えて、様子を伺いながら見ると条件をつけてもいいか聞いてくる。



「現在はララノア様の護衛ですが、女王になられたら相談役という形になるという事でよろしいでしょうか?」


「うん、一応護衛もしてね?」


「それはもちろんです。 では、雇用条件として雇用期間はララノア様が女王をしている限りとさせてください。 どうも私はこの先長い年月を生きてしまうようなので、一区切りつけるところはつけたいと思います」


 そっか、ルロスはドラウ。 ダークエルフって言われてるぐらいだから、この先恐らく1000年以上生きることになるのよね。



「その後はどうするの?」


「それまでに人生設計を立てておく事にします」


 そう言ってニッコリ笑って見せてきた。



「ではとりあえずは結婚相談役といったところですね」


「うん、よろしくね。 ルロス」


「かしこまりました」



 気がつけば私はこの時すでに先の事を見始めていたんだと思った。



今さら気がついたのですが、キュモヲタの父親が領主をやっている町ですが、ヴォイドと書いたり、ヴォルフと書いたりしています。

これは完全に私の間違いでミスです……


なので、修正するとどこから間違っているかわからないので、今後はヴォイド、ヴォルフどちらでも間違いでは無いことにさせてください。


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