各国領主たちの帰還
ブックマークありがとうございます。
本日書き溜まってきているのと、次でこの章の終わりになるので、後ほどもう1話更新します。
さっと湯浴みをしてから着替えて謁見の間に向かう。
謁見の間ではマルボロ王国の重鎮貴族全員が集まっていて、同盟国のエアロ女王やローラ女大公、セーラム女帝の姿も見えた事から同盟国の人たちも集まっている。
そしてメビウス連邦共和国のおそらく各領主全員の姿も見えたけれど、チェンマイとその取り巻きのようにいた領主の子息の姿は見えなかった。 だけど今はいてもらわない方が助かる。
王座に座るお父様の前に来ると、そのままこっちへ来るよう手招きされてるままお父様の横まで来て立つ。
「無関係な事にわざわざご足労頂いた同盟国には感謝する」
お父様が簡潔な挨拶を済ませて合図をすると、謁見の間に7つ星の騎士団が拘束された姿のチェンマイ達を引っ張ってくる。
「残念な報告であるが、この戴冠式という来訪の際に、事も有ろうかその者達が手を組んで我が娘ララノアをレイプしようとした」
当然ここに集まっている人たち全員がすでに知っている事なのに、初めて聞いたかのように驚きの声を上げて、メビウス連邦共和国の領主たちは首を垂れていた。
そこで7つ星の騎士団のアラスカが一歩前に出て声を張り上げて罪状を述べ始める。
「ーー以上の事から、この者達を処刑する事を推奨する」
「俺はやってないぞ!」
言い終えるかどうかの瞬間、チェンマイを囲うように剣が6本地面に突き刺さって、アラスカが一振りの剣を突きつけた。
「この7つ星の剣に誓って言えるのか?」
「ち、誓えるさ! その証拠にプリンセスは未だ処女のままだ! 俺以外と寝てなきゃな!」
余計な一言に思わず叫びそうになるのをお父様に抑えられて、チェンマイも突きつけられた剣が首元に当てられて、僅かに血がにじんでいる。
「それはそこにいるジークフリート卿が矢を放って止めたからだろう!」
「どうせ処刑されるんだ。 なら言いたいだけ……」
「いい加減にしろ!! このバカ息子がぁぁ! どれだけ私を、国の品位を下げれば気がすむ気だ!」
チェンマイの父親、遺跡の領主が怒鳴りながら近づいて拳を振り上げた。
剣をサッと退くと拳が何度も振り下ろされて、チェンマイの顔が膨れ上がり血を吐いても止める事はなく、いい加減口も利けなくなるぐらい殴ったところで、遺跡の領主が頭を下げてきた。
「この度の無礼誠に申し訳ありませんでした。 言い逃れのしようもない事ではありますが、どうしようもないバカ息子でも私にとって跡継ぎなのです。 せめて命だけは……」
ふざけるな! などといった声やノーマお爺ちゃんの、なら親である貴様が責任を取るのである! などの罵声が上がりだして、それでも静かに頭を下げてくるメビウス連邦共和国の各領主たち。
お父様は私にそっと、あれは遺跡の領主、メビウス連邦共和国の演技だって教えてくる。
ある程度言いたい事を言わせてからログェヘプレーベが静まらせるように、何度か手に持った剣で床を叩くけど収まる様子が見えない。
「ぅお前ら全員……くぉの場で喰い散らかしてやりやがるぞ!!!」
ブチ切れたログェヘプレーベが地の底から響くような声で叫ぶと、一瞬にして凍りついたように静まりかえった。
静まり返ると何もなかったようにお父様にどうぞとでも言うように頭を下げてくる。
「よし、ララノア、お前が決めろ。 どの様な処遇を行おうと自由だ」
私にお父様、アルバロやジークフリート、自国内の領主や同盟国の人たち、そしてメビウス連邦共和国の領主たちの目が集まってくる。
どうしたらいいかはもう考えてある。 あとはそれを口に出して言うだけ。
重い空気の中、私は一呼吸を置いてから口を開いた。
「私に無礼を働いた者達を許します」
当然ここでざわつく声が上がって、優しすぎるなんて声が上がったりしてる。
「ただし条件として、」
条件と言う言葉で一瞬にして聞き逃すまいと静まりかえった。
「メビウス連邦共和国は、もし我が国にドラウ進軍があったとした時に一切手出しをしない事。 当国もあなた達に援軍は求めません!」
またここでざわつきだす。 言うまでもなくそれは兵力を失う事がないためだから。
「もし、勝手に援軍と称して来る様であれば、侵略とみなします。 そしてその際は!」
ひときわ大きな声で、今この場にいないある人に聞こえる様に私は声高々に言う。
「神々のルールは適用されないものとします!」
シーンと辺りが静まりかえって、中には何を言ってるんだとでも言いたげな顔を見せている。
「謹んでお受けしましょう」
チャンスとでも言わんばかりに遺跡の領主が返答して、これでサッサと手打ちにさせようとしてくる。
「神々に誓いますか?」
「神々に誓って」
腫れ上がった顔を僅かにニヤリとさせたチェンマイ、そしてその父親の顔は決して忘れない。 今の誓いがどれだけ重要な事か彼らにはわかっていない様だった。
この場は逃げ出す様に急ぎ足で次々と自国に帰っていくメビウス連邦共和国の領主たちを見送った後、それ以外の国の人たちも帰っていく。
「儂等ドワーフはそなたの父に恩がある。 間に合えば必ず助けに行く」
ドワーフ王国のコイーバ王はそう言って帰って行った。
「少し優しすぎると思いますが、それが次期女王の貴女のやり方なのですね。 もしドラウの進軍があれば、我が国も援軍に向かいます」
ローラ女大公はそう言い残して各貴族達と帰路に着いた。
「他の連中はわかってない様ですわね。 貴女の考えに。 男児でしたら是非私に子種を植え付けてもらいたいところでしたわ」
残念そうな顔をするエアロ女王は、魔法で幻馬を召喚すると、魔導兵を率いて空を駆けて帰って行った。
「それじゃあねララノア。 あの時の貴女はマルスみたいだったよ」
「それでは僕たちも戻ります。 援軍が必要であれば向かうと思いますが、それ以前に多分セーラムが来てくれると思いますよ」
セーラムは背中に白い翼を広げて空を飛行しながら、ヴェジタリアンとオルと言われた金竜はエルフ達を率いて馬で帰って行った。
こうして全然無事ではなく私の戴冠式は終わりを迎えた……あれ? 7つ星の騎士団はまだ帰ってないね。
今更ながらの後悔。
キュモヲタの名前と容姿をもう少しまともにしておくべきでした……
せめてダイエットさせよう……




