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父娘の愛情

 サーラがどうしてかわからないけどルロスの父親が共通語を話せるって言い出すの。



「私の目は欺けませんよ」


「断罪の目……貴様、世界(ワールド)守護者(ガーディアン)だったか……」


 ルロスの父親が共通語で喋って、それを驚いてルロスがなぜか尋ねているわ。

 それよりも断罪の目? それで私が転生者かわかったのかしら?



「当然ですぞ。 地上制圧のときに言葉を理解できなくては情報も得られないのです」


 ……うーん、どうでもいいことなんだけどね。 父親が自分の娘に敬った口調で答えるってなんだかとってもシュールな光景よね。 でもこれがルロスの言っていた女尊男卑のドラウの社会なのね。



 それはそうと、言葉を理解できるのならサーラの事やクローロテースの人魚の歌の事、アリエルや【魔法の神エラウェラリエル】、それにルースミアの事も知ってしまっているわけよね。

 ……普通に考えたら、これは逃せないわ。 何故って仲間にサーラたちがいるっていう情報が入れば、いくらサーラが強いって言っても危険だもの。 かといって殺すこともできないし……



「貴方はどうして欲しいの?」


 困った私はルロスの膝枕に横たわるドラウに尋ねてみたの。 そうするとドラウは私を見つめながら殺せば情報漏洩は防げるって言い返してくるわ。



「何故そんなに死にたがるのよ! 貴方は父親なんだからルロスの気持ちだって少しは考えなさいよ! ルロスは貴方のことを大切に思ってると思うよ! じゃなかったら今だって貴方に膝枕なんかしてないもの! なんで会話もできるのに仲良くしようとしないのよ!」


 ハァハァハァって息を切らせながら、この死にたがりに言ってやったわ。


 ドラウは私の言ったことに驚いた顔を見せると、ボロ雑巾のような身体を起こそうとするけど身体が言う事をきかないようで、悔しそうな顔をしたと思ったらルロスが支えながら立つのを手伝い出すわ。



「ルースミア、どれだけやったらあそこまでボロボロになるんだ?」


「何、昔主(ぬし)の世界に言った時に見た格闘技というのを真似て、死なない程度にフルボッコというのをしてみただけだ」


 サーラとアルバロ、そしてルロスが口々にフルボッコって呟いてドラウの状態を改めて確認するように見だすわ。


 きっとフルボッコというのはあんな状態になってしまう程とても恐ろしい魔法か何かなのね。

 ちなみにこの場合のフルボッコとはフルパワーでボコボコの方ではなくて、一方的に打ちのめす方の意味らしいわ?



 ルロスに支えられながら立ち上がったドラウは私に向かって、人種とドラウの違いという事や、人種から見れば畏怖する自身らと共存はできるはずがないって吠えるように言ってきたの。 そして何よりこのまま手ぶらで戻っても拷問が待っているだけなんだって。



「なら私たちと貴方も一緒に来て、それで見極めればいいじゃない!」


 なぁーんにも考えずに口からさらっと出た言葉にボコボコでよくわからないけど、ドラウはたぶん呆気にとられた顔を見せたあと突然笑い出したの。



「何を言うかと思えば……やはり愚かだな。 それならドラウを連れて歩けばどうなるか思い知ればいい。 どうせ俺では貴様らを殺せぬし、ルロスィアン様を連れて逃げる事も叶わぬ」


 私はこの国のプリンセスなんだから、私が手出しさせなければ大丈夫なはずよ!


 でもこの考えにフィンは反対してきて、ドラウを連れて歩けば国の威信に関わるとか言い出してくるの。

 アルバロも私が女王になった時に従うものがいなくなったりしかねないなんて事まで言ってくるわ。

 それをホラ見たことかとでも言いたげにドラウは私を見てきて、困った私はサーラに助けを求めるように見たの。



「ドラウが昔にやったことを思えば、ララのやろうとしていることは到底容認できかねます。 ですが、このまま逃すわけにもいきませんからね」


 サーラはそういうと【魔法の神エラウェラリエル】に何か話し始めたの。



「ドラウよ、プリンセスの優しさに感謝して、今しばらくの間姿を変えてついてきてみるがいいでしょう」


「逃げ出すかもしれないぞ?」


「クフフ……我を差し置いて出来るのであればやってみるがいい」


 にんまりと笑顔を見せるルースミアを見て、ドラウは先ほどのフルボッコというのを思い出したようですぐに黙り込んだわ。



「私も、ガヴェイルジャグ……いえ、お父さんに一緒についてきて欲しいです」


 うわぁ……今、自分のお父様も名前で呼ぼうとしたよね。 お父さんって言い直したよね。

 それでもってやっぱり名前長いのね……




 娘でもあるルロスの頼みで姿を変える魔法を受け入れることになって、【魔法の神エラウェラリエル】が近づこうとした時だわ。


 突如ガヴェイルジャグが胸を押さえて苦しみだして、ルロスを突き飛ばしたーー


 ただでさえ恐ろしい顔つきのドラウの顔が、更に恐ろしく見えるほど苦痛に歪めて私を睨みつけてくるの。



「ヒィッ!」


「ルロスィアン様を……娘を……たの……む」


 私にそう伝えるのを最後に仰向きに倒れ……



「うひぃ!」


 ヴェイルジャグのお腹辺りがグニュグニュって動き出したぁぁぁぁぁ!!


 サーラに引っ張られて後ろに下がるのと同時にヴェイルジャグのお腹が破けたような音がしたの……




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