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ロリコン領主の息子

 浴場に入った私たちなんだけど、王宮に比べるとやっぱり小さかったわ。


 不満はあるけど、明日からまた次の町に着くまで入れないって思えば幸せよね? だけど私たちの知らないところでは恐ろしい出来事が起こっていたようだわ。





「ぐふ、ぐふふ、プ、プ、プリンセス可愛いな。 12歳かぁ、胸もきっと膨らみかけで……」


 そんな事を妄想しているヴォイド領主の息子は、しっかり浴場に向かう私たちの事もちゃんとチェックしていたわ。



「歌姫ちゃんも、か、可愛いけど僕のセーフティゾーンを超えちゃってるし、も、もう1人の子も結構可愛かったけど16歳はギリギリなんだよなぁ。 そ、そこからくると12歳のララノアたんは、か、神だろ」


 キョロキョロと辺りに気を配りながら浴場へと近づいてきていたわ。



「よ、よし、我触れし者、物を視界より消し去れ!不可視化(インヴィジビリティ)


 小さく呟くとヴォイド領主の息子の姿が見えなくなっていったわ。


 脱衣所にそっと忍び込んだヴォイド領主の息子は、事もあろうか籠に置かれた私たちの衣服もとい、その下に置いた下着に手を伸ばし出したわ。



「食い物と下着は鮮度が命なんだな。 まずは……こ、これが歌姫ちゃんのかぁ」


 手にした下着の匂いを嗅いだかと思うと帽子のように被り出して、次にクローロテースの下着に手を伸ばしたわ。



「ん……なんだか魚のような潮っぽいような匂いがする……ま、いいかぁ」


 そう言うとクローロテースの下着をポケットにしまいこんだわ。 そして次に手を伸ばしたのが私の下着で、事もあろうかクロッチの部分に鼻を押し付けて匂いを嗅ぎだしたわ! しかも長い!



「ふごっふごっ……あーララノアたんいい香りだぁ。 これは確実に僕の最高のコレクションに決定だぁ」


 そこでヴォイド領主の息子はハッと気がつくの。



「もう1人のお姉さんのがない……少し残念だけど、プリンセスのが手に入ったからいいかぁ。 後は……」


 浴場でワイワイしながら入っている私たちの方へそっと近づき出して、覗き見しにくるわ。



「ララノアたんは、ぼ、僕の未来のお嫁さんなんだから身体をしっかりと見ておかないと、い、いけないよな。 これは、ぼ、僕の使命なんだ」


 最低最悪! って思ったのだけど、ちょうどお湯に3人とも浸かっているところで助かったわ。



「あれ? ブリーズお姉様どうしたの?」


 いつものように3人で歌を歌っていたのだけど、急にブリーズお姉様が歌うのをやめたの。



「どなたかに見られてありんすような気がしんす」


「ええぇえ!」


 まずいと思ったのかヴォイド領主の息子は、覗きは断念してそっと部屋へと戻っていったわ。




 入浴を終えた私たちが着替えをしようとした時に、服の下に置いてあったはずの下着がなくなっていて、3人で探してみたんだけど結局見つからないまま部屋に戻っていったわ。

 あ、もちろん下着は新しいものに替えてるからね。




 部屋に戻ると扉の前でフィンとアルバロは待っていて、一緒に部屋に入ると私たちの釈然としない顔を見て、フィンが心配してどうかしたのか聞いてきたわ。



「なんだか浮かない顔をしてますけど、浴場で何かあったんですか!?」


「う、うん……」


 まさか下着がなくなってたなんて言えないわよね。



「私たちの下着がなくなっていたの」


 ……ヲイ。

 クローロテースがあっけらかんと答えて、フィンとアルバロが顔を真っ赤にさせたわ。



「そ、その、まさか……」


「変な想像しないでよね、ちゃんと替えを履いてるわよ!」


 クローロテースはもう少し恥じらいを持ってほしいわ。



「なくなっていた方ってまさか……」


「うん、私たちがさっきまで身につけていたほうよ」


 クローロテースがまたも恥じらいもなく答えてしまって、ブリーズお姉様と私は恥ずかしくて穴があったら入りたい状態よ。

 それを聞いたフィンとアルバロがお互い顔を見合わせて、「脱ぎたて」だとかなにやら怪しい言葉を口にしていたけど聞かない事にしておいてあげる。



「犯人は絶対にヴォイド領主の息子でしょう! とっちめてきます!」


「ちょっと待ってフィン、証拠が無いわ!」


「証拠なんかヴォイド領主の息子の部屋に行けば必ず出てきますよ!」


 正直なところそれはそれで証拠が出てこられても、3人の下着が晒されるだけで私たちの方が恥ずかしい思いをして困るんですけど……



「疑わしきは罰せずと言います。 今回は諦めなさい。 それにきっと、これで終わりじゃ無いでしょうからね」


 そこでサーラが庇ってくれたんだけど、それと同時に恐ろしい事も口にしたわ。




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