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国の大事を任されるララノア

 ログェヘプレーベが当時の話、ひいお祖母様の頃の話を知っているどころかその頃から生きていることに驚いたわ。


 なんで人間なのに生きているのか聞いたら、私には知らない方がいい、必要になることがあったらその時教えるって約束してくれたわ。



「とりあえずはヴィロームに冒険者を集結させておく、で、なんとかなるか?」


「オークはまだゴブリンより多少強くなった程度ですが、当時、オーク1匹見たら100匹居ると思え、と言われていたそうです。

そしてハイオークはオークとは比較にならない強さを持っています。 オーガぐらいと考えるべきでしょうね」


「ふむ、それでドラウはどうなんだ?」


 サーラはドラウについて話し始めたわ。

 ドラウはエルフがその昔人種の神を裏切って、アンダーダークに住む上半身が女性で下半身が蜘蛛の姿をしている、アラクネーって言われるアンダーダークの神様についた堕落したエルフの事なんだって。

 そして女尊男卑の社会を築いていて、男性のドラウは住処を守る兵士でしかなくて、女性のドラウが指導者として権力を持つんですって。 いつか地上を我が物にしようと目論んでいるらしいわ。



「ほほぉそれはそれは……」


 お、お父様の目がなぜか喜びに輝いているわ。

 サーラはおでこに手を当てて呆れていて、ログェヘプレーベはニコニコと嬉しそう?



「お父様! ふざけている場合じゃないですよ!」


「おう、そうだったな。 しかし堕落したエルフか……強いのか?」


「強い。 特に女のドラウは男のドラウと比べて全てにおいて上回っていて、必ず先天的に魔力を持つソーサラーの様に魔法が使える」


 たまにサーラって口調が男の人みたいになるのよね。



「当時の冒険者が集団でぶつかって、たった1人の女のドラウに殺戮された挙句逃げられました」


「当時の冒険者ってサーラ言うけど、今の冒険者とは違うの?」


 やたらと当時を強調するから不思議に思って口を挟んだの。



「当時の冒険者たちは今より遥かに強かったです。 今は、かなり平和になりましたからね」


 今の【闘争の神レフィクル】と違って、当時の【闘争の神】はこういう時のことを考えていて、各国の小競り合いや魔物をもっと自由に活動しやすくさせて冒険者たちや各国の兵士たちの力をつけさせて来ていたそうよ。

 今の【闘争の神レフィクル】はまだ神になりたてで実質的な神としての活動は始めていないらしいわ。

 【闘争の神】なんてなんで必要なんだろうって思ったけれど、私たちのことを考えてくれているものなのね。



「つまり先の戦争で戦った程度の兵や冒険者じゃ相手にならないとでもいうのか?」


「わかりやすく言えば、当時の冒険者のウィザードたちは、当たり前の様に魔導門(ゲート)流星群(メテオスウォーム)を使えていました」


「【魔法の神アルトシーム】が死ぬ時、全ての魔法力を弱体化させやがったんでしたっけ?」


 それを聞いてお父様も驚く顔を見せたわ。


 うわぁなんでそんな余計なことしたんだろう。



「強大になりすぎたんでしょうね。 小競り合いでは済まないほどに」


「まぁ昔話はその辺にしてもらって、それなら今だな。 とりあえずどうしたらいい? 全兵力を持っていくか?」


「その準備だけはしておくべきでしょう。 それと同盟国からも援軍の準備は必要かもしれません。 ですがララの言う様に本当にドラウが現れたのかの真偽を確かめる必要もあるでしょうね」


 サーラが言うにはドラウの尖兵であるオークが現れていないのに、姿を見せることは通常ありえないんですって。



「わかった、ララ、お前はいずれこの国を担う女王になるんだ。 思った通りにやってみろ」


「うんっ! お父様、私に任せて!」


「ヴォーグそれ本気(まじ)で言ってるのか!?」


「大マジだ、尻拭いは俺がする。 それならいいだろ?」


 またサーラが男の人みたいな口調で、しかもお父様を呼び捨てで言ったわ。



「仕方がないですね……」


 サーラが頷くとお父様は私に任せるって言ってくれたわ。



 今日はもう既に日が落ちだしていて、鳥目のグリフィンは夜空は飛べないから明日の朝出発することになったんだけど……



「私は馬を使っていきます」


「ダメよサーラ、フィンたちは明日にはヴォイドの町には着くわ。 私たちもなんとしても追いつかなきゃいけないわ」





 翌朝、グリフィンに乗った私たちは、サーラの悲鳴を聞きながら王宮を飛び去って一路ヴォイドの町を目指すの。



「グリフィン頑張って今日中にヴォイドの町まで飛んでね!」


 ピーピピーッ!


「うわぁぁぁぁぁ、落ちる落ちるーー!」



 大空を飛ぶグリフィンとサーラの叫び声が響き渡らせながらヴォイドの町へと向かってもらって、夕方にはなんとかたどり着けてフィンたちとも合流できたの。





今回の話の過去は『凡人の異世界転移物語』で描かれています。 覚えている方は懐かしく感じるのではないでしょうか?


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